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2024.01.25

【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A第39回「糖質制限をどこまでやればいいのかわかりません。」


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「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第39回目!

<前回の質問>

☆第38回「1番早く脂肪が落ちる方法はなんですか?」

今回は、ユーザーさんからいただいた質問で、「炭水化物の適正な摂取量を教えてください。糖質制限をどこまでやればいいのかわかりません。」というご質問についてアドバイスをお伺いしました。

この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
――――――――――――

Q. 炭水化物の適正な摂取量を教えてください。糖質制限をどこまでやればいいのかわかりません。

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中田先生の回答

A. 一般には摂取エネルギー量の50~65%を炭水化物からとります。糖質を制限すればするほど健康になる、ということはありません。

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ダイエットのために重要なことは、摂取エネルギー量を制限して、エネルギー収支バランスを負に傾けることです。エネルギー源となるたんぱく質、脂質、炭水化物のなかで、制限の対象となるのは、脂質か炭水化物かその両方です。

たんぱく質、脂質、炭水化物、の重要な役割

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もちろん、たんぱく質を取り過ぎている場合は制限の対象となりますが、たんぱく質はからだを構成する重要な栄養素ですので、ダイエット中も必要量をしっかりと摂取しなければなりません。摂取エネルギー量の13~20%が一般に推奨されます。

脂質も、極端に制限してしまうと、肌のうるおいが失われたり、体調を崩す原因となったりしますので、過度な制限は禁物です。肉や魚にはある程度の脂質が含まれますので、揚げ物を控えるなどして、脂質を取り過ぎないように注意すればよいでしょう。摂取エネルギー量の20~30%が一般に推奨されます。

炭水化物は、エネルギー源として利用しやすい栄養素です。からだをしっかり動かしたいときには積極的に摂取する必要がありますし、あまりからだを動かさないときは少なめにしても構いません。たんぱく質と脂質から摂取するエネルギーを、1日に必要なエネルギーから差し引いた分が、炭水化物から摂取すべきエネルギーということになります。一般には、摂取エネルギー量の50~65%を炭水化物からとることになります。

糖質制限よりも大事なエネルギー収支バランス

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糖質制限は、ダイエットの方法としてよく用いられますが、「たんぱく質や脂質を制限するよりもより効果が大きい」という明確なエビデンスはありません。元の栄養素がなんであれ、摂取エネルギー量を制限して、エネルギー収支バランスを負に傾けることが重要です。

 糖尿病患者や血糖が高い人を対象にして、炭水化物を制限したときの血糖値やHbA1cの変化を観察した研究では、短期間(3ヵ月間)かつ非常に炭水化物摂取量が少ない(摂取エネルギー量の15%程度)場合に、HbA1cが低下したという報告があります。しかし、実際には長期的な食事管理が重要ですし、過度な炭水化物制限は他の栄養素摂取に影響を与えますので、このような炭水化物制限は推奨されていません。

 以上のことから、炭水化物を制限すればするほど健康になる、ということはありません。必要な栄養素をしっかりととりながら、摂取エネルギー量が大きくなり過ぎないように、炭水化物をうまく制限すればよいでしょう。

著者:中田由夫(筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(副理事長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、「世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る」をモットーに、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供しています。

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<これまでの質問>

☆第1回「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」

☆第2回「部分痩せってできますか?」

☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」

☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」

☆第5回「筋肉を増やすにはどうすればよいですか?」

☆第6回「筋肉痛があるときは運動しないほうがよいですか?」

☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」

☆第8回「“床に座る vs 椅子に座る”どっちが体に悪い?」

☆第9回 体脂肪率が低すぎるのは良くないってホント?

☆第10回 外出自粛のなか、運動するにはどうしたら良いですか?

☆第11回 効果的な運動のタイミングって?

☆第12回 BMIは標準値なのにお腹がぽっこり…解消するには?

☆第13回 体脂肪だけを落としたい!食事制限でやせるには?

☆第14回 体力が低下しているけど運動嫌い…よい方法は?

☆第15回 35歳を過ぎ痩せにくく…健康に食べながら痩せられる方法は?

☆第16回 「お酒を飲む」or「お酒を我慢してストレスをためる」体に悪いのはどっち?

☆第17回 “食前” vs. “食後” 運動するにはどっちが効率的?

☆第18回 一定の体重から1年近く減りません。どうしたらよい?

☆第19回 体脂肪率が減りません。どうしたら順調に減らしていけますか?

☆第20回 糖質制限中、カロリーオーバーした場合、 やせる? 太る?

☆第21回 1日の内、夕食にエネルギー摂取量が偏るのはあり?

☆第22回 一生リバウンドしないための秘訣は?

☆第23回 脂質を控えているのに 体脂肪が減らないのはなぜ?

☆第24回 ウォーキングで効率良く脂肪燃焼する方法とは?

☆第25回 筋肉をつけて体脂肪を減らす効果的な筋トレ教えて!?

第26回 食事制限と運動で一日のエネルギー収支がマイナスでも体重が減りません⁈

第27回 太りにくい身体づくりについてのアドバイスは?

第28回 太りにくい身体づくりについてのアドバイスVer.2

第29回 激しい運動やきつい食事制限なしで短期間で簡単に痩せられる方法とは?

第30回「食事制限しても下半身が全然痩せないのは?」

第31回「ストレッチを毎日、ウォーキングと階段上り下りの痩せ効果について」

第32回「体脂肪を減らす効果的な方法を教えてください。」

第33回「太らない間食の方法を教えてください。」

☆第34回「ウォーキングを日課としていますが、効果を最大限に引き出す方法は?」

第35回「カロリー制限と糖質制限、どちらの方が身体に優しいのか」

第36回「塩分排泄を促す方法などありますか?」

第37回「食事の時間は6時間あけないと太るって本当?」

第38回「1番早く脂肪が落ちる方法はなんですか?」

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