2021.03.15
【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A 第2回 部分痩せってできますか?
「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう新連載の第2回目!
☆1回目の質問「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」はコチラ
今回も、前回に引き続きダイエットについてお伺いしました。
この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
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中田先生の回答
“部分痩せ”ってよく聞く言葉ではありますが、科学的に証明された根拠はありませんので、答えはNO。
基本的に皮下脂肪は、体の至る所にあり、そのうちの特別な場所の皮下脂肪だけを燃焼させるような体内メカニズムはありません。
一方、内臓脂肪と呼ばれる、腹部の脂肪のうち、指でつまむことのできない、腹筋や背筋で囲まれた部位(腹腔内)の脂肪は、運動刺激によって燃焼されやすい可能性が示されています。
そのため、おなかポッコリ型の内臓脂肪型肥満であれば、運動によって、腹部の脂肪が他の部位よりもより早く減る可能性は考えられます。ただし、内臓脂肪型肥満は、そもそも男性に多いので、女性のお腹の脂肪はそれほど簡単には減らないと考えた方が良いです。
とはいえ、腹部の脂肪が減りにくいわけではありません。平均的にみれば、体重が1 kg減ると腹囲は1 cm減ります。ベルトの穴の間隔が2~3 cmですので、体重を2~3 kg減らすことができれば、ベルトの穴を1つ締めることができると考えましょう。
正しいダイエットの方法については、連載記事「専門家が教える 絶対役立つダイエット基本のき(全12回)」を参照して、実践してみてください。
☆中田先生の連載
【連載】専門家が教える 絶対役立つダイエット基本のき(全12回)
【第5回】1ヵ月で2kg減!ポイントは食事と運動の“負”のバランスにあり
【連載】手軽にできる運動のススメ(全7回)
【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!
著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)
2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。
【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.
【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.
【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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