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2020.03.26

【連載】専門家が教える!絶対役立つダイエット基本のき 第2回「正しいダイエット」の前に必要な動機づけ


前回、正しい知識に基づき、しっかり取り組めば、直接指導を受けなくても、5 kg程度のダイエットには成功し、その後も大きなリバウンドは生じないことをお伝えしました。

前回の記事:「正しいダイエット」の減量効果

今回は、その具体的な方法をお伝えする前に、とても大切な“動機づけ”について、お話しします。

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なぜ、痩せなければならないのか?

わたしが減量研究を実施する際、研究に参加してくれる方は広告等を使って募集します。そこで集まってくださった方々に参加動機を聞くと、「健康のため」という理由のほかに、「むかし着ていた服を着たいから」、「もうすぐ同窓会があるから」といった、見た目、容姿に関する理由も挙がってきます。

わたしの専門は健康科学ですので、美容に関するお話はできませんが、痩せることによって、着たい服が着られるようになる、前よりも軽やかに動けるようになる、もっと自信をもって外出できる、などといった成功イメージをもつことはとても大切だと思います。

そういった見た目に関する理由に加えて、痩せることによる健康面のメリットについて、考えてみましょう。

生活習慣病の予防

よく聞く話ですので、簡単に説明しましょう。悪い生活習慣として挙げられるのは、喫煙、飲酒、過食、睡眠不足、運動不足などです。これらの悪い生活習慣が原因となって、高血圧、高血糖、脂質異常、肥満などが現れます。さらに、これらは心血管病の危険因子(心血管病に罹る危険性を高める要因)として知られています。

心血管病というのは、動脈硬化を背景に、血管が狭くなったり硬くなったりして生じる狭心症や腎障害、血のかたまりである血栓が詰まって生じる脳梗塞や心筋梗塞、血管が破れて出血する脳出血など、重い障害が残ったり死に至ったりする重篤な疾患です。

そのため、こうした心血管病にかかる前に、危険因子を除去したい、というのが予防的な考え方です。そして、その危険因子を除去するために、禁煙、節酒、食事改善、休養、運動が推奨されます。

肥満改善は、このうち節酒、食事改善、運動を推奨することになりますから、生活習慣病予防のために、とても大切な取り組みだと考えられます。

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肥満の基準

肥満の判定基準として使われるのは、BMI(body mass index)という指標で、“体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)”で計算できます。以下の表で、ご自分の身長に近い数字の行を見てください。

各身長におけるBMI 18.5、22、25、30に相当する体重を示しています。表中にも示しましたが、BMI 18.5未満だと痩せ、日本ではBMI 25以上で肥満、欧米諸国ではBMI 30以上で肥満と判定されます。

肥満の基準が日本と欧米とで異なるのは、人種の違いによる体格差からきていますが、「欧米に行けば、1日で肥満ではなくなりますよ」と冗談でお話ししたりします。

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目指すべき体重は?

BMI 22は標準体重や理想体重と言われることもありますが、誰もがピンポイントで目指すべき体重ではありません。遺伝的に痩せ型なのに、生活習慣の悪化でBMIが25を超えた方なら、BMI 22を目指すのは良い目標になるでしょう。

もともとぽっちゃり型で、さらに体重が増えて、BMI 30くらいになった方なら、まずはBMI 25に近づけて、うまくいけばBMI 25を下回るくらいを目標にすると良いでしょう。

痩せれば痩せるほど健康になるわけではありません。人それぞれに適正な体重があります。大切なことは、体重を何kgにすれば良いか、ということではなく、良い生活習慣を身につけることです。

悪い生活習慣が原因で肥満となっていた方は、生活習慣が良くなれば、自然と体重は減少してきます。適正体重に近づけば、自然と体重減少も止まってくるでしょう。

ご自身が感じる体調の変化を重視して、ダイエットに取り組みながら、ご自身の適正体重を探してください。

大切なのは良い生活習慣

下図は、女性7.5万人、男性3.9万人を32年間追跡調査し、良い生活習慣として、非喫煙、運動、健康的な食事、適度な飲酒の4つを数え、BMIと死亡率の関連を示した研究です[1]。

Veronese N. et al.:BMJ. 2016;355:i5855.より作成

Veronese N. et al.:BMJ. 2016;355:i5855.より作成

良い生活習慣を1つももっていない一番左のグループでは、痩せと肥満は死亡率が高くなっています。1つだけ良い生活習慣をもっている左から二番目のグループで、すでに死亡率は下がってきており、2つ以上良い生活習慣をもっている右の2つのグループでは、肥満であっても死亡率は低く抑えられています。

ダイエットの取り組みを通じて、このような良い生活習慣を身につけることができれば、仮に体型的には肥満のままであったとしても、長期的に見たときの健康維持につながるのです。

まずは、体重計に乗ることから始めましょう

なかなか具体的なダイエット方法に話が及びませんが、正しくダイエットするためには知っておいてほしい話ですので、理解してください。

次回まで、また少し時間をいただきますので、その間に、毎日体重計に乗って、体重を記録することを始めてみてください。

どんな食事、どんな運動をしたら、どのくらい体重が増減するのか、自分で日々を振り返ってみましょう。新しい発見があるかもしれません。

【文献】

[1]Veronese N. et al.:BMJ. 2016;355:i5855.

https://www.bmj.com/content/355/bmj.i5855.long ※外部サイトに遷移します(2020年3月14日閲覧)

【連載】専門家が教える 絶対役立つダイエット基本のき

【第1回】「正しいダイエット」の減量効果

【連載】手軽にできる運動のススメ(全7回)

【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

【第5回】日常のちょっとした活動で健康に

【第6回】持久力向上を目指して

【第7回】筋力向上で得られるさまざまな健康利益

著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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提供元:リンクアンドコミュニケーション

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