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2019.11.12

【連載】手軽にできる運動のススメ 第5回 日常のちょっとした活動で健康に


前回までに、厚生労働省が推奨しているスローガン「プラステン(+10):今より10分多く体を動かそう」を紹介し、根拠と得られる健康利益、具体的な目標設定について解説し、日常生活の中で歩数を稼ぐコツを紹介しました。

【連載】手軽にできる運動のススメ

・【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

・【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

・【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

・【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

今回は、日常生活の中でちょっとした活動をすることが、どれだけ健康利益をもたらすのか、具体的な研究に基づいて解説します。「えっ、たったこれだけで健康になれるの?」なんて思う方はぜひ騙されたと思って読んでみてください。はい、健康に…なれるんです!

座りすぎの健康リスク

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みなさんは、1日にどのくらいの時間、座っていますか?営業職で外出が多く、家でも家事に追われ座っている時間なんてほとんどない、という方もいると思いますが、デスクワークが中心、家ではテレビやスマホをずっと見ている、という方が多いのではないでしょうか?

近年、この座っている時間(座位時間)が長いと健康リスクが高まることがわかってきました。座位時間が増えれば増えるほど死亡率が高まるという調査結果が、複数の研究をまとめることで明らかになっています[1]。

健康のためにはできるだけ座位時間を減らしたほうがよさそう、でも、「仕事から帰ってきたらゆっくりしたい」「運動は苦手」「運動にまとまった時間なんて取れない」そんな声も聞こえてきそうです。

1日1時間分、いつも座っている時間にちょこちょこ動くだけ

では、どうしたらよいのでしょうか。まずは、日常生活のなかでの座位時間を別の活動に置き換えたときの健康利益を評価した研究をご紹介します[2]。この研究では、あまり活動的でない集団(1日の身体活動時間が2時間未満)と、比較的活動的な集団(1日の身体活動時間が2時間以上)の二つのグループに分けて死亡リスクを評価しました。

<あまり活動的でない集団>

毎日の座位時間のうち1時間を、ウォーキングやジョギング、ゴルフや水泳などの運動時間に置き換えると、死亡率が約40%低下することが示されました。掃除機をかけるなどの家事や子どもの世話、通勤での歩行といった、運動以外の活動でも30%低下します。これは1時間連続して行う必要はありません。1日1時間分、いつもなら座っている時間を活動的な1時間に置き換えることで、死亡リスクをかなり減らすことができるのです。

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強度の高い活動の方が効果は大きくなりますが、料理や洗濯などの強度の低い家事でも20%死亡率が低下します。きつい運動をしなくても、座ってじっとしていなければ何でもよいのです。座位時間を活動時間に置き換えることを考えましょう。

<比較的活動的な集団>

一方、1日2時間以上活動している比較的活動的な方の解析結果をみてみると、毎日1時間の座位時間を、ウォーキングやジョギング、ゴルフや水泳などの運動時間に置き換えることで、死亡率は約10%低下しましたが、家事などの活動では健康利益に大きな影響はみられませんでした。

とはいえ、別の研究では、いくら活動していても、座位時間が長いと死亡リスクを高めることが報告されています。下図は、歩行程度以上の活動時間が週に7時間以上あっても、テレビ視聴時間(すなわち座位時間)が1日7時間以上だと、テレビ視聴時間が1時間未満の集団と比べて死亡率が約50%高くなることを示しています[3]。運動習慣の有無にかかわらず、座位時間はできるだけ短くしたほうがよいと言えるでしょう。

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図 テレビ視聴時間と死亡リスク(身体活動時間が週に7時間以上の方)
Matthews CE et al.: Am J Clin Nutr 2012; 95(2): 437-45.より作成

ブレイクのすすめ

ここまで、1日の総座位時間を短くすることの重要性を解説しましたが、「デスクワークなので座らないわけにはいかない」という声が聞こえてきそうですね。そんな方は、立ち上がって座位時間を中断する“ブレイク”を実践してみましょう。総座位時間が変わらなくても、1回あたりの座位時間が短いと、1回あたりの座位時間が長いグループよりも死亡リスクが低いことが報告されています[4]。理想的には30分に1回、できれば1時間に1回は立ち上がって、座位時間を「ブレイク」するように心がけてみてください。

【文献】
[1]Ekelund U et al.: BMJ 2019; 366: l4570.

https://www.bmj.com/content/366/bmj.l4570.long (2019年10月24日閲覧)※外部サイトに遷移します

[2]Matthews CE et al.: Med Sci Sports Exerc 2015; 47(9): 1833-40.

https://journals.lww.com/acsm-msse/fulltext/2015/09000/Mortality_Benefits_for_Replacing_Sitting_Time_with.9.aspx (2019年10月24日閲覧)※外部サイトに遷移します

[3]Matthews CE et al.: Am J Clin Nutr 2012; 95(2): 437-45.

https://academic.oup.com/ajcn/article/95/2/437/4576797 (2019年10月24日閲覧)※外部サイトに遷移します

[4]Diaz KM et al.: Ann Intern Med 2017; 167(7): 465-475.

https://annals.org/aim/article-abstract/2653704/patterns-sedentary-behavior-mortality-u-s-middle-aged-older-adults?doi=10.7326%2fM17-0212 (2019年10月24日閲覧)※外部サイトに遷移します

【連載】手軽にできる運動のススメ

・【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

・【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

・【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

・【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

・【第5回】日常のちょっとした活動で健康に

・【第6回】持久力向上を目指して

☆役立つ情報がいっぱい!ほかの運動記事を読みたい方はこちらから!

著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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ヘルスナッジHealth Nudge ※外部サイトに遷移します

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