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2019.07.20

手軽にできる運動のススメ【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!


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みなさんは1日にどのくらい運動できていますか?今月から手軽にできる運動のノウハウをお伝えしていきますが、まずは現状把握が大切です。日常生活における運動量の目安として、毎日の歩数を確認してみましょう。歩数は、歩数計をお持ちであれば歩数計で、歩数計がなければスマートフォンに内蔵されているアプリで簡単に確認できます。
下の図は、厚生労働省による「平成29年国民健康・栄養調査結果の概要」から、成人の1日の平均歩数を示しています。20~64歳の男性ですと7,500歩くらい、女性ですと6,500歩くらいが平均的な歩数です。この平均歩数と比べて、ご自身の歩数はどうだったでしょうか?

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厚生労働省:平成29年国民健康・栄養調査結果の概要より作成

平均歩数よりも少なかった方

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何となく「平均以下」って嫌ですよね(笑)。もちろん、平均以下になるのにはやむを得ない理由があると思います。日々仕事が忙しくて歩く時間がなかったり、郊外に住んでいて買い物や子どもの送り迎えなど、何から何まで車移動だったり。正当性を主張されると、その通り!となるわけです。とはいえ、せめて平均歩数までは増やしたいところ。1日は24時間しかありません。どこかに、じっとしていなくても良いのにじっとしている時間はありませんか?もしあれば、その時間を歩く時間に置き換えられないかどうか、ちょっと考えてみてください。いつものルーティンに、ちょっとした工夫を加えるだけで、すぐに歩数は増えていきます。歩数計で歩数の増加を実感できると良いですね。

だいたい平均歩数だった方

とりあえず「平均以下」ではなかったので、一安心。とはいえ、どうせならもうちょっと頑張ってみたい。じゃあ、どのくらい頑張ればよいでしょうか?厚生労働省は、「健康日本21(第二次)」という国民の健康増進の目標値を設定しています。そこでは、20~64歳の歩数の目標値を男性9,000歩(65歳以上は7,000歩)、女性8,500歩(65歳以上は6,000歩)としています。この目標値から考えると、今より1,500~2,000歩増やさないといけません。歩き方にもよりますが、およそ10分=1,000歩程度ですので、1日あたり15~20分ほど歩く時間を増やす必要があります。買い物に歩いていくなら、片道10分の距離を往復すれば20分です。家の中でも、ちょこちょこ動けば1,000歩くらいは増やせます。何をどのくらい増やせば何歩増えるのか、一つひとつ確認しながら、具体的な行動目標を立てられると良いですね。

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平均歩数よりも多かった方

「平均以上」の優越感に浸っている暇はありません。前述のように、国が定めている目標値はもう少し先にあります。もう一息頑張って、男性9,000歩、女性8,500歩を目指しましょう。その数値をすでに超えている方は、現状維持でも良いですが、厚生労働省が推奨しているスローガンとして「プラステン(+10)」があります。これは、国民一人ひとりの健康づくりの身近な目標として、「今より10分多く身体を動かす」ことを推奨しており、現状の歩数レベルに関わらず、すべての国民に推奨しているものです。すでに目標値は超えているかもしれませんが、身体を動かせば動かすほど、得られる利益も大きくなります。

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どのような利益が得られるかは、次回以降、改めて説明しますが、体の健康(メタボリックシンドロームの改善、生活習慣病が発症するリスクの低下)、心の健康(気分転換やストレス解消によるメンタルヘルスの一次予防)、高齢期の健康[ロコモティブシンドローム(骨や関節、筋肉などの衰えによる運動機能の低下)や認知症の予防]といった効果が期待されます。ただし、運動を始めても「三日坊主」ではあまり効果が期待できません。「ちりも積もれば山となる」ので、無理せず気軽にできることから取り組み、その習慣をできるだけ継続することが大切です。

【連載】手軽にできる運動のススメ

【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

【第5回】日常のちょっとした活動で健康に

【第6回】持久力向上を目指して

著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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