メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2019.12.10

【連載】手軽にできる運動のススメ 第6回 持久力向上を目指して


過去5回、手軽にできる活動を通じて、歩数を増やす方法やその重要性を説明してきました。今回からは、さらに健康レベルを高めるために必要な要素である、“体力”について考えていきたいと思います。

【連載】手軽にできる運動のススメ

【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

【第5回】日常のちょっとした活動で健康に

みなさんは、“体力”というと何を思い浮かべますか?
体力には、持久力、筋力、瞬発力など、いろいろな側面があります。今回は、最も健康との結びつきが強い持久力について、取り上げたいと思います。

記事画像

持久力と健康:持久力が高いとがんによる死亡リスクが減少

“持久力が高い”ってどんなイメージですか?ほとんどの方は、「疲れにくい」「スタミナがある」など、健康に良いイメージをもっていると思います。実際に、現在の持久力が高いほど、将来の健康が保たれることが数多くの研究によって報告されています。

その一例として、わが国で実施された、持久力とがんによる死亡リスクとの関係を調べた研究を紹介します[1]。この研究では、19~59歳の日本人男性9,039人の持久力を測定し、測定結果から四つのグループに分けています。その後、16年間のがん死亡リスクとの関係を調べた結果、持久力が高いグループほど、がんによる死亡リスクが下がっています(図)。

記事画像

図 持久力とがん死亡リスク
Sawada SS et al.: Med Sci Sports Exerc 2003; 35(9): 1546-50.より作成

持久力が下から2番目のグループでも、すでにがん死亡リスクが25%下がっているという点は特に重要です。つまり、健康利益を得るには“持久力が高い”必要はなく、“低すぎなければ平均以下でも良い”といえます。もちろん、平均以上のほうががん死亡リスクは下がっていますが、持久力が抜群に優れていなくても健康利益は十分に得られるのです。

あなたの持久力はどのくらい?

持久力を正確に測定するためには、運動時にどれくらい酸素を取り込んでいるかを専門の機器を使って計測する必要があり、簡単には測れません。そこで、“自覚的運動強度”と呼ばれる、自身の感覚に基づく測定方法を紹介します。

下表は“ボルグスケール”といって、運動時の疲労感を数値で表しています。めったなことがなければ、最大強度“20”で運動することはないと思いますが、全速力でのダッシュを疲労困憊まで続けるような運動が相当します。一方、座ったりしている安静状態は“6”に相当します。まったく息切れしないようなふだんの歩行は“9”くらいで、友達とウォーキングしているときに、会話をしようと思っても、少し息が切れていて会話するのがきつく感じるのが“13”くらいです。まったく会話ができないくらいのきつさが“15”に相当します。

記事画像

表 ボルグスケール
小野寺孝一ほか: 体育学研究1976; 21: 191-203.より作成

このスケールを使って、どの程度の運動強度できついと感じるかを調べてみましょう。ウォーキングやジョギングをしたときに、どのくらいのスピードまでなら「楽である」と感じることができて、どのくらいのスピードになると「ややきつい」と感じるかを、自分で試してみてください。

「走るなんてもってのほか、少し早歩きするだけでややきつい」という人もいれば、「軽いジョギングなら大丈夫、少しスピードを上げるとややきつい」という人もいるでしょう。一般的には、“11:楽である”~“13:ややきつい”と感じるぐらいのスピードが推奨される運動強度です。その強度でどのような運動ができるかが、その人の持久力で決まるのです。性、年齢によって、推奨される持久力レベルは異なりますが、“早歩き=13(ややきつい)くらい”が平均レベルです。

持久力を高めるためのポイント

記事画像

“13:ややきつい”がどのような運動に相当するかがわかれば、今度はその強度で一定時間、運動を継続します。同じ強度で運動していても、徐々にきつさが増す人もいれば、少し余裕が出てくる人もいるでしょう。10~30分間、運動を継続しながら、少し強度を高めてみたり、少し強度を下げてみたりして、自身の感覚がどのように変化するのかを感じてください。

持久力を高めるためには、“ややきつい”から“きつい”強度の運動を少しでも良いので取り入れるようにします。きつくなれば、強度を下げて、楽になるのを待ちます。“きつい”強度の運動時間を少しずつ長くしていくうちに、その強度が“ややきつい”に変わってきます。その変化が“持久力の向上”なのです。

秋~冬はマラソンするには最適な季節です。時間のある休日に、自身の持久力測定を兼ねて、少し運動しに出かけてみてはいかがでしょうか。

【文献】
[1]Sawada SS et al.: Med Sci Sports Exerc 2003; 35(9): 1546-50.
https://journals.lww.com/acsm-msse/fulltext/2003/09000/Cardiorespiratory_Fitness_and_Cancer_Mortality_in.14.aspx
(2019年11月20日閲覧)

【連載】手軽にできる運動のススメ

【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

【第5回】日常のちょっとした活動で健康に

☆役立つ情報がいっぱい!ほかの運動記事を読みたい方はこちらから!

著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

記事画像

2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(常任理事・事務局長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供します。最新の健康情報を医療・健康分野の専門家が評価し、コメント付きで紹介するサービス「HEALTH NUDGE」もチェックしてみてください。

おすすめコンテンツ

関連記事

パジャマヨガ/胸と股関節をひらくポーズ

パジャマヨガ/胸と股関節をひらくポーズ

【1日3分でお腹やせ!】超簡単「お腹回しダイエット」でポッコリお腹が消える!?

【1日3分でお腹やせ!】超簡単「お腹回しダイエット」でポッコリお腹が消える!?

こたつの中でも出来る?硬くなった身体をほぐす!簡単エクササイズをご紹介

こたつの中でも出来る?硬くなった身体をほぐす!簡単エクササイズをご紹介

特別なことは一切不要!むくんだ脚を解消する秘訣とは

特別なことは一切不要!むくんだ脚を解消する秘訣とは

戻る