2025.03.18
体を変えるにはまず「下半身の筋トレ」が必要な訳|「やせやすい体になる」だけじゃない驚きの効果
健康を保ち老化を防ぐために、筋トレは必要不可欠です(写真:kei.channel/PIXTA)
筋トレ=ムキムキな体づくり、と思われがちですが、実は健康や美容にも欠かせません。年齢とともに体型が崩れたり、疲れやすくなったりするのは、筋肉の減少が大きな原因なのです。筋肉を味方につければ、体は確実に変わっていきます。無理なく続けられるシンプルな筋トレで、健康も美容も手に入れることができるのです。
テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二氏の著書『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より一部抜粋してお届けします。
体を引き締めるために鍛えるべきは?
筋肉を鍛えることは、健康を保ち老化を防ぐためにも、見た目を若々しくするためにも必要不可欠です。
筋肉は体を支えて動かすので、筋肉があれば関節が保護され、自由に体を動かすことができ、疲れにくくなります。また、筋肉には体脂肪をエネルギー源として熱を発生し、体温を保つ働きもあります。
つまり、筋肉を鍛えることによってエネルギー消費が増え、自然と体脂肪が使われる体質に変えることができるのです。食事制限よりも優先すべきは筋肉量を増やすことです。
とはいえ、全身の筋肉を一気に鍛えるのは大変そうだし、筋トレの種類がたくさんあり過ぎて、何から手をつけるべきか迷うことでしょう。
ずばりいってしまうと、まず鍛えるべきは下半身です。
体全体の筋肉の約60~70%が、下半身に集中しているからです。二本足で立って上半身の重みを支え、姿勢を保ちながら活動するために、必然的に下半身には大きくて強い筋肉がたくさん集まっているのです。
ところが、下半身の筋肉は、強いがゆえに衰えやすいという弱点があります。「老化は足腰から」とよくいわれますが、特に座る時間が長く、歩く時間の少ない現代人は、年齢とともに顕著に下半身の筋肉が衰えやすくなります。
下半身を鍛えれば、体型を整えるだけでなく、体力を底上げし、疲れにくい体にもなります。
(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)
筋トレしちゃうと太っちゃう?
一生懸命に筋トレに励むと、筋肉がつき過ぎてムキムキ体型になってしまうのではないか、競輪選手のように脚が太くなるのではないかと心配する声が、特に女性から聞かれることがあります。
でも、その心配はしなくてOKです。
競輪選手などの体型は、自分の体重より重いバーベルを上げ下げしたり、全力で走り込んだりなどハードメニューのトレーニングを大量にこなし、同時に大量の食事を摂ることで培われたもの。ですから、一般の人に推奨されるトレーニングのメニューで、アスリートと同等の筋肉をつけることは不可能です。
太ってしまうのは筋肉が減って代謝が下がり、その結果体脂肪が増えることが原因です。ですから、逆に筋肉を鍛えることで減ってしまった筋肉量を取り戻せば、自ずと体脂肪は減っていきます。
体脂肪を減らすペースを上げるために食事制限をすると、筋肉の減少が加速してしまうので、必ず筋トレを並行してください。そうすれば筋肉を維持しながら体脂肪だけを減らすことができます。
アスリートボディを目標に掲げるのも、もちろんすばらしいこと。ただし、アスリートはせいぜい30代までが勝負ですが、健康も美容も一生もの、つまりスポーツとは別ものです。一生見た目も機能も若々しい体でいたいなら、無理は禁物です。
筋肉のつき方は男女で異なる
筋肉を鍛えるといっても、そもそも自分の体のどこにどんな筋肉があるのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
人の全身には、細かいものまでカウントすると400もの筋肉があります。すべての筋肉について知らなくても問題ありません。理想の体を手に入れるために鍛えるのは10種類程度の筋肉でよいのです。
見た目でもわかるように、男性と女性では筋肉量のバランスが違います。
全身の筋肉量を100とすると、男性は腕や肩など上半身に約25%、体幹に約15%、下半身に約60%の筋肉がついています。
女性の場合は、上半身に約15%、体幹に約15%、下半身に70%です。女性は下半身に筋肉が多いため、加齢や運動不足で下半身の筋肉量が減ると、男性以上に太りやすいのです。
効率よく体型を整えるには、衰えやすい筋肉から鍛えるべきです。男女ともに最も衰えやすいのは下半身、次に減りやすいのは体幹、特に背筋です。ここを鍛えるだけでも、目に見えて若々しいシルエットに変わります。
女性の場合はもともと上半身の筋肉が少なく、あまり減りませんので、上半身は割愛しても構いません。男性の場合は筋肉量が多い部分ですし、男性らしいたくましさを演出するためにも上半身も鍛えましょう。
(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)
加齢を防ぐための筋トレは、体の内側から若さと健康をキープする効果が大きいことにも注目です。
筋肉の衰えは、日常生活でも実感できますが、体の内側の健康面も、気づかないうちに確実に衰えていきます。日本は今や世界有数の長寿国ですが、平均寿命よりも健康寿命(介護が必要なく自立した日常生活を送ることができる寿命)が男性では約9年、女性では約12年も短いことが問題となっています。
この最大の原因は運動器といわれる、筋肉、関節、骨の衰えです。
筋肉が減ると体を支えたり動かしたりする能力が顕著に低下します。関節は鍛えることができない、いわば消耗品ですが、筋肉は関節を保護する役目もあるので、筋肉の衰えは関節の消耗を加速してしまいます。
骨は加齢とともに、骨を作る骨芽細胞より分解する破骨細胞の働きが強くなり、骨量が減ります。筋トレは、骨に刺激を与えて骨芽細胞の働きを活発にし、成長ホルモンの分泌を促すことで骨量を増やし、骨粗しょう症を防ぐ働きもあります。
筋トレは認知機能とも深い関わりがあります。
正しい動き、動作スピードや呼吸法などを理解、記憶して1つひとつ確認しながら体を動かすことが、脳の刺激になります。筋肉は10年で1kg程度減っていくので、逆にいうと1kgつけると10歳若返るといえます。筋トレは早く始めて長く続けるほど、より効果が期待できるのです。
筋肉は何歳からでも増やすことができる
たとえば自動車運転免許などを新しく習得するのに、中高年は若いときよりも努力を要し時間もかかるため、あきらめてしまう人もいるようです。同じ理由で、今さら筋トレをしてもムダなのでは?と思う人もいるかもしれません。
でも、筋トレは何歳から始めても遅すぎることはありません。
正しいフォームで適切な負荷をかければ、筋肉は確実に太く強く成長します。実際、80代の高齢者でも、効果があることがわかっています。筋肉は、体全体で最も新陳代謝が活発な組織です。適度な刺激を与えることで、細くなってしまった筋肉が目覚めて成長を始めるのです。
ただし、高齢者の場合は関節や骨などの老化が進み、機能が低下している可能性があります。
特に関節や骨は筋肉と比べて機能の回復が難しいため、関節に障害や痛みがある場合は、筋トレを始める前に必ずかかりつけの医師に相談してください。また、年齢は若くても運動からしばらく遠ざかっていた人は、本書で紹介するトレーニングをすべて行うのではなく、1種目1セットから始めて、徐々に体と心を慣らしていきましょう。
筋トレは、早く始めるのに越したことはありません。筋肉の強化は、筋肉の維持より2倍の努力が必要で、放置するほど必要な筋肉量とのギャップが大きくなります。先送りをせず、早めに取り組むのが賢い選択です。
(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)
正しく筋肉をつければ勝手にやせていく
私たちは生きている限り、動かない間でもエネルギーを消費しています。最低限の消費エネルギーを基礎代謝といい、1日に消費するエネルギーの約60%に達します。筋肉が消費するエネルギーは基礎代謝の20~30%を占めています。
くり返しになりますが、筋肉は何もしなければ加齢とともに減り続けます。食べる量(摂取カロリー)が変わらなくても消費カロリーが減ることになり、エネルギー収支が黒字になって、余った分が体脂肪に変わり、必然的に太っていきます。
いわゆる中年太りは、筋肉が減って基礎代謝が落ちることが最大の原因なのです。逆に食事量を減らさなくても、筋肉を1kg増やせば消費カロリーが増えて、年に2.5kgも体脂肪が減る計算になります。
また、余分なエネルギーは体脂肪として蓄えられますが、体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の2種類あります。
皮下脂肪はたまりにくく減りにくい、内臓脂肪はたまりやすく減りやすいという特徴があります。太るとおなかが顕著にふくらみ、逆にやせるときにはおなかが目に見えて凹んでいくのはこのためです。
よくおなかの脂肪を減らそうと腹筋運動に励む人がいますが、これは無意味。腹筋だけでなく、下半身をはじめ全身の大きな筋肉を鍛えて代謝を上げ、体脂肪を減らしましょう。
『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』(日本文芸社)
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提供元:体を変えるにはまず「下半身の筋トレ」が必要な訳|東洋経済オンライン