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2020.05.22

【連載】専門家が教える!絶対役立つダイエット基本のき 第4回 とっても簡単!ダイエットのキソ理論


連載第3回「いま、気を付けるべき生活習慣」では、コロナ太り対策として、生活習慣の見直しについてお話ししました。

【連載】専門家が教える!絶対役立つダイエット基本のき

第1回 「正しいダイエット」の減量効果

第2回 「正しいダイエット」の前に必要な動機づけ

第3回 いま、気を付けるべき生活習慣

今回はいよいよ、ダイエット理論の本筋について解説します。とはいえ、とっても簡単な話で、実はみなさん、「言われなくても知っているよ」状態だと思いますが、改めて。

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おさらい~正しい知識は減量効果あり

さて、本筋に入る前に、ダイエット開始時に1回講義を受けるだけで、どのくらい減量に効果があるかを検証した結果が、つい最近、論文になったので紹介させてください[1]。連載第1回で紹介した論文では[2]、ダイエット開始時に1回の講義を受けた方は、6ヵ月間で2.9 kgの減量ができていました。そこで、今回の研究では、本当に1回の講義だけで減量効果があるのかどうかを、40~64歳の肥満男女145人を対象とした3ヵ月間の介入試験で検証したのです。

Nakata Y. et al.: Obes Facts. 2020; 13: 267–278.より作成

Nakata Y. et al.: Obes Facts. 2020; 13: 267–278.より作成

上図のように、1回の講義だけでも、ある程度の減量効果のあることが認められました。平均値でこれくらいですから、しっかり取り組めば、もっと効果は大きくなります。ちなみに、この1回の講義で話した内容は、この連載でお話ししている内容とほぼ同じです。月に1 kgくらいは簡単に減量できるのです。

とっても簡単なダイエットの理論

では、今回の本筋、ダイエットの理論についてです。体重変動は基本的に、エネルギー収支バランスで決まっている、というとっても簡単なお話です。

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上図に示したように、身体活動・運動によるエネルギー消費量に比べて、食事によるエネルギー摂取量が多いと、エネルギー収支バランスが正となり、余ったエネルギーの分だけ体重が増えます。逆に食事によるエネルギー摂取量が少ないと、エネルギー収支バランスが負となり、足りないエネルギーの分だけ体重が減ります。ここで大切なことは、「自然に」生活していれば、体重は変化しないようにできている、ということです。言い換えると、私たちの体は、自然にエネルギー収支バランスが釣り合うようにできています。

例えば、朝起きたときに、「睡眠時代謝(注)で400 kcalを消費したから、400 kcal分の朝食をとろう」とか、「朝の通勤で160 kcalを消費し、その後の仕事で340 kcalを消費したから、500 kcalの昼食をとろう」とか考える人はいませんよね?
何も考えなくても、朝、昼、晩、食事のタイミングになったら、自然にお腹が空くようにできています。また、たくさん活動していれば、とてもお腹が空くので、多めに食べようかと思いますし、逆にあまり動いていなければ、軽く済まそうか、となるわけです。

このような食事量の調整は、脳の満腹中枢が担っています。そのため、脳の指令に従って判断していれば、基本的に、体重変動は最小限に抑えられるようになっています。では、なぜ体重が増えてしまうのでしょうか?
これには、いくつかの原因が考えられます。例えば、加齢に伴い、昔ほどエネルギーを消費しなくなったのに、いままで通りの食事量をとり続けてしまう(実はいままでよりお腹いっぱいなのに食べ続けてしまう)ことや、何らかのストレスがかかった場合に、必要以上に食べることでストレスを発散しようとすることなどが挙げられます。友達同士でバイキングに行ったときなどは、「デザートは別腹」という甘い誘いに乗って、必要以上に食べてしまうこともあるでしょう。

注)私たちは、睡眠中もエネルギーを消費しています。睡眠をとっている状態のエネルギー代謝を“睡眠時代謝”といいます。

食べ過ぎたエネルギーはどこに行く?

では、必要以上に食べてしまった場合、余ったエネルギーはどこに行くのでしょうか?私たちの体は、余ったエネルギーをただで捨ててしまうのはもったいないと判断し、“飢え”に備えて貯蓄しようとします。このとき、どのようなかたちで保存するのが効率的でしょうか?
 ここで、三大栄養素と呼ばれる、炭水化物、たんぱく質、脂質のエネルギー量を考えてみましょう。それぞれ、1 gあたり4 kcal、4 kcal、9 kcalと、同じ重さであっても脂質はたくさんのエネルギーを含有しています。つまり、より多くのエネルギーを体に貯蓄するには、炭水化物やたんぱく質の状態で貯蓄するよりも、脂質の状態で貯蓄する方が、軽くて効率が良いのです。

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体重を減らすためには?

体重を減らすには、貯蓄している脂肪を減らす必要があります。ここで、1ヵ月(約4週間=28日間)で2 kgの脂肪を減らすのに必要なエネルギーを考えてみましょう。

体脂肪1 kgあたりのエネルギー量は、純粋に体脂肪がすべて脂質だとすると9,000 kcalです。実際には水分を含みますので、7,000 kcalとして計算します。

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つまり、1日あたり500 kcal、余分にエネルギーを消費し続ければ、1ヵ月間で2 kgの減量が達成できるのです。

ここで基準にするのは、これまでのエネルギー収支バランスです。この数ヵ月間、だいたい体重が変わっていないのであれば、いま食べている量と動いている量は、ほぼ釣り合っていると考えられます。体重を減らしたいのであれば、いまよりも食べている量を少なくし、動いている量を多くします。そうすると、エネルギー収支バランスが負に傾きます。すなわち、エネルギーが足りない状態になりますので、それを補うために、体に貯蓄されている脂肪を分解し、エネルギーに変えていくのです。

とっても簡単ですよね?次回は、より具体的に、500 kcal分、エネルギー収支バランスを負に傾ける方法についてお話しします。

【文献】

[1]Nakata Y. et al.:Obes Facts. 2020; 13: 267–278
  https://www.karger.com/Article/PDF/506813 (2020年5月5日閲覧)

[2]Nakata Y. et al.:Obesity Facts. 2014;7(6):376-387.
  https://www.karger.com/Article/PDF/369913 (2020年5月5日閲覧)

【連載】専門家が教える 絶対役立つダイエット基本のき

【第1回】「正しいダイエット」の減量効果

【第2回】「正しいダイエット」の前に必要な動機づけ

【第3回】いま、気を付けるべき生活習慣

【連載】手軽にできる運動のススメ(全7回)

【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

【第5回】日常のちょっとした活動で健康に

【第6回】持久力向上を目指して

【第7回】筋力向上で得られるさまざまな健康利益

著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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