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2021.08.20

【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A 第9回 体脂肪率が低すぎるのは良くないってホント?


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「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第9回目!

<これまでの質問>

☆第1回「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」

☆第2回「部分痩せってできますか?」

☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」

☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」

☆第5回「筋肉を増やすにはどうすればよいですか?」

☆第6回「筋肉痛があるときは運動しないほうがよいですか?」

☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」

☆第8回「“床に座る vs 椅子に座る”どっちが体に悪い?」

今回は、ユーザーさんからいただいた質問で、体脂肪率についてお伺いしました。

この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
――――――――――――

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中田先生の回答

体脂肪率が10%を切るとは、なかなかすごいですね!わたしも陸上競技をしていた学生時代は1ケタ台でしたが、いまは…どのくらいでしょうかね?

 わたしは毎日、体重計に乗っているので、体脂肪率も表示されているはずなのですが、あまり気にしていません。そのため、自分の数値を覚えていないのです。なぜ、あまり気にしていないのか、その理由を説明しましょう。

 まず、体脂肪率のはかり方について考えてみましょう。みなさんが一般に使う機器は体重計の形をした体組成計です。体組成計では、銀色の電極部分から体内に微弱な電気を流して、電気の流れやすさ[抵抗値(インピーダンス値)]を測定することで、体脂肪率を推定しています。電気は、体の水分が多い部分(筋肉)では流れやすく、油が多い部分(脂肪)では流れにくい性質をもっています。そのため、体脂肪の多い人はインピーダンス値が高く出て、体脂肪率が高いと判定されます。

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ここで、インピーダンス値(X)を体脂肪率(Y)に換算するための計算式が必要となります。むかし、数学で勉強した方程式ですね。“Y=aX+b”ってやつです。インピーダンス値(X)は簡便に測れますから、あとは正確な体脂肪率(Y)を調べておけばいいのです。

では、正確な体脂肪率とは…?

体脂肪率は、体重における体脂肪量の割合(体脂肪率=体脂肪量÷体重)ですので、体脂肪率を計算するには、正確に体脂肪量を計る必要があります。そのためには、体を解剖して、皮と筋肉と骨と内臓を取り除いて体脂肪のみを計る…という工程が必要です(怖!)。しかし、冗談抜きに、このような解剖データがないと正確な体脂肪量は計算できないのです。

体脂肪計の開発のために解剖するわけにはいきませんよね。そこで、多くの場合、二重エネルギーX線吸収法という、もともとは骨密度を計測するX線装置を使って、全身の体脂肪率を測定します。比較的正確に計測できる方法なのですが、X線の吸収されやすさから体脂肪率を推定する方法ですので、身長や体重のように、直接的に測定する指標と比べると誤差が大きくなります。このように誤差が少なからずある体脂肪率を正確な体脂肪率(Y)と仮定して、インピーダンス値(X)から計算できるようにしているのが市販の体組成計です。
 
つまり、表示される体脂肪率は、一緒に表示される体重と比較できるほど、正確ではない、ということです。もちろん、まったく意味がないとは言いませんが、参考程度に見ておくくらいでよいのではないでしょうか。

 質問の回答に戻ります。体脂肪率が10%を切ったとしても、ご自身の感覚として、体調が良いと感じるのであれば、大きな問題はないと思われます。しかしながら、極端に体脂肪が減りすぎると、皮膚や髪のつやがなくなったり、女性の場合は月経異常が起きたり、体調不良を感じたりします。そのような異常を感じた場合は、ストイックに追い込み過ぎている可能性がありますので、ほどよいレベルにとどめることをおすすめします。

☆中田先生の連載

【連載】手軽にできる運動のススメ(全7回)

【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!

【第2回】やらなきゃ損!「+10分」で得られる健康利益

【第3回】いつでもどこでも「+10分」!

【第4回】運動せずに歩数を稼ぐコツ

【第5回】日常のちょっとした活動で健康に

【第6回】持久力向上を目指して

【第7回】筋力向上で得られるさまざまな健康利益

【連載】専門家が教える 絶対役立つダイエット基本のき(全12回)

【第1回】「正しいダイエット」の減量効果

【第2回】「正しいダイエット」の前に必要な動機づけ

【第3回】いま、気を付けるべき生活習慣

【第4回】とっても簡単!ダイエットのキソ理論

【第5回】1ヵ月で2kg減!ポイントは食事と運動の“負”のバランスにあり

【第6回】無理なく続けるダイエットのコツ<その1>

【第7回】無理なく続けるダイエットのコツ<その2>

【第8回】停滞期を乗り切るコツ<食事編>

【第9回】停滞期を乗り切るコツ<運動編:その1>

【第10回】停滞期を乗り切るコツ<運動編:その2>

【第11回】リバウンドを予防するコツ

【第12回】適正体重の維持を目指して

著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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