2021.05.06
【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A 第5回 筋肉を増やすにはどうすればよいですか?
「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第5回目!
<これまでの質問>
☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」
☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」
第1回の質問「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」という問いに対し、中田先生からの回答は「ダイエット中に筋トレしても腕が太くなることはない」でした。それでは、筋肉を増やしたい場合はどうしたらよいのでしょうか?今回は、「筋肉を増やしたい」というリクエストについてお伺いしました。
この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
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中田先生の回答
まず、第1回の質問でもお伝えしましたが、筋トレして筋肉を太くするためには、かなり高強度のトレーニングが必要であり、女性は男性よりも筋肉がつきづらい傾向があります。食事面も重要で、筋肉のもととなるたんぱく質をしっかり摂取する必要があります。
筋トレの強度としては、10回程度の反復で疲労困憊(もう無理!)となるくらいが目安となります。例えば、太ももを太くしたい場合、スクワットという種目を実践します。もし、普通のスクワットを10回するのが精一杯であれば、その自重での(自分の体重を負荷とした)スクワット10回を1セットとし、1分程度の休息をはさみ、3セット実践します。
週に2~3回実践していると、徐々に楽に実践できるようになってきます。このとき、筋力は高まっていますが、筋肉量はあまり変わりません。トレーニング初期は、主に神経系の改善により、上手に筋力発揮ができるようになっているのです。
上手に筋力発揮ができるようになってきたところで、さらに負荷を高めます。このとき、自重だけでは負荷を高められないので、バーベルなどを用いることになります。1ヵ月ほど経つと、神経系の改善だけでなく、筋肉量が増加し始め、筋力がさらに高まります。
このように、強度を高めながら筋トレを継続すると、徐々に筋肉量が増えてきます。一方で、筋トレを中止すると筋肉量は減ってきます。増えた筋肉を維持するためにも、筋トレの継続が必要になるのです。
いかがでしたでしょうか?次回は、筋トレにはつきもの、「筋肉痛」について質問しました。お楽しみに♪
☆中田先生の連載
【連載】専門家が教える 絶対役立つダイエット基本のき(全12回)
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著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)
2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。
【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.
【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.
【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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