2021.09.09
【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A 第10回 外出自粛のなか、運動するにはどうしたら良いですか?
「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第10回目!
<これまでの質問>
☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」
☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」
☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」
☆第8回 “床に座る vs 椅子に座る” どっちが体に悪い?
今回は、外出自粛要請中の運動についてお伺いしました。
この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
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中田先生の回答
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外出自粛要請が出されたり、リモートワークが進んだりすることで、体を動かす機会が減少する傾向にあることは間違いありません。しかしながら、外出を控えすぎると、運動不足やストレスから、心身に悪影響を来す健康二次被害の問題が生じてきます。しっかりと対策をとりながら、体を動かす機会を確保することが大切です。
〇屋外での運動
まず重要なことは、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」[1]に示されているように、「屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては外出の自粛要請の対象外」となっている点です。外出を必要以上に恐れ、閉じこもることは、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。2m以上の間隔が保てるのであれば、屋外での運動時のマスク着用は不要との見解もあります[2]。
〇屋内での運動
一方で、前述の「基本的対処方針」[1]では、「多数の者が集まり室内において(中略)呼気が激しくなるような運動を行うことを避けるように強く促す」とも示されています。インドアスポーツや屋内での運動を実施する場合には、十分な注意と感染症予防対策が必要です。具体的な留意点については、スポーツ庁がウェブページでまとめていますので、参照してください[3]。
運動・スポーツを実施する際の留意点 [スポーツ庁:安全に屋内・屋外で運動・スポーツをするポイントは? ※外部サイトに遷移します
文献
[1]新型コロナウイルス感染症対策本部(2020)新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針 ※外部サイトに遷移します
[2]日本臨床スポーツ医学会・日本臨床運動療法学会(2020)新型コロナウイルス感染拡大防止期間中における屋外での運動に際しての注意 ※外部サイトに遷移します
[3]スポーツ庁(2020)新型コロナウイルス感染対策 スポーツ・運動の留意点と、運動事例について ※外部サイトに遷移します
☆中田先生の連載
【連載】手軽にできる運動のススメ(全7回)
【第1回】1日何歩あるきますか?たった「+10分」でも効果的!
【連載】専門家が教える 絶対役立つダイエット基本のき(全12回)
【第5回】1ヵ月で2kg減!ポイントは食事と運動の“負”のバランスにあり
著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)
2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。
【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.
【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.
【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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