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2023.09.19

【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A第35回「カロリー制限と糖質制限、どちらの方が身体に優しいのか」


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「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第35回目!

<前回の質問>

☆第34回「ウォーキングを日課としていますが、効果を最大限に引き出す方法は?」

今回は、ユーザーさんからいただいた質問で、カロリー制限と糖質制限、どちらの方が身体に優しいのかについてアドバイスをお伺いしました。

この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
――――――――――――

Q. ダイエットについて‥カロリー制限と糖質制限、どちらの方が、身体に優しいのか知りたいです。メリットとデメリットも含めて比較して頂けるとありがたいです。

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中田先生の回答

A. 栄養バランスのとれた食事が最も身体に優しいです。

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 カロリー制限は、ダイエットの方法として、エネルギー摂取量の制限に重きを置く方法です。一方、糖質制限は、特に糖質の摂取量を制限するダイエット方法です。

 カロリー制限のメリットは、方法がシンプルでわかりやすいことです。ダイエットの基本はエネルギー収支バランスを負に傾けることですので、エネルギー摂取量の制限に重きを置くことは理にかなっています。

 カロリー制限のデメリットは、単純化し過ぎてしまうことで、「我慢」の連続になってしまうことです。空腹感を少しでも抑えられるような工夫が必要になります。

 糖質制限のメリットは、こちらも「糖質さえ減らせばよい」と方法がシンプルでわかりやすいことです。実際、糖質を取り過ぎている人は多いので、そのような人にとっては効果も大きいでしょう。

 糖質制限のデメリットは、こちらも単純化し過ぎてしまうことで、「低血糖」に代表されるような、過度の制限による健康への悪影響が懸念されます。

「ゆるく」取り入れるのがおすすめ!

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 カロリー制限にしても、糖質制限にしても、ダイエットの導入として「ゆるく」取り入れるのがよいでしょう。何事も過剰になってしまうと、「害」が大きくなってしまいます。

 「ゆるく」であっても食事に意識を向けることで、それまでが過剰摂取の状態であれば、間違いなく体重は減少します。体重変化を体重計で数値として確認できれば、行動変容に対する自信がついて、さらに高度な行動変容に取り組むことができるようになります。

栄養バランスも見直して、満足感アップ!

「身体に優しいダイエット」を実現するためには、少なからず栄養学の知識が必要になります。栄養バランスについては、第33回を参考にしてください。

 栄養バランスのとれた食事を意識すると、自然と食材の種類が豊富になり、見た目の満足感が高まります。また、野菜などの繊維質の食品が増えることで、噛む回数が増え、満腹中枢をうまく「だます」ことができ、空腹感を抑えることができます。

 いろいろ考えることは「面倒」かもしれませんが、栄養バランスに意識を向けることは、ダイエットの質を高めるためには不可欠です。少しずつでもよいので、毎日の生活に取り入れていってください。

【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A第33回「太らない間食の方法を教えてください。」

著者:中田由夫(筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(副理事長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、「世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る」をモットーに、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供しています。

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<これまでの質問>

☆第1回「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」

☆第2回「部分痩せってできますか?」

☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」

☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」

☆第5回「筋肉を増やすにはどうすればよいですか?」

☆第6回「筋肉痛があるときは運動しないほうがよいですか?」

☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」

☆第8回「“床に座る vs 椅子に座る”どっちが体に悪い?」

☆第9回 体脂肪率が低すぎるのは良くないってホント?

☆第10回 外出自粛のなか、運動するにはどうしたら良いですか?

☆第11回 効果的な運動のタイミングって?

☆第12回 BMIは標準値なのにお腹がぽっこり…解消するには?

☆第13回 体脂肪だけを落としたい!食事制限でやせるには?

☆第14回 体力が低下しているけど運動嫌い…よい方法は?

☆第15回 35歳を過ぎ痩せにくく…健康に食べながら痩せられる方法は?

☆第16回 「お酒を飲む」or「お酒を我慢してストレスをためる」体に悪いのはどっち?

☆第17回 “食前” vs. “食後” 運動するにはどっちが効率的?

☆第18回 一定の体重から1年近く減りません。どうしたらよい?

☆第19回 体脂肪率が減りません。どうしたら順調に減らしていけますか?

☆第20回 糖質制限中、カロリーオーバーした場合、 やせる? 太る?

☆第21回 1日の内、夕食にエネルギー摂取量が偏るのはあり?

☆第22回 一生リバウンドしないための秘訣は?

☆第23回 脂質を控えているのに 体脂肪が減らないのはなぜ?

☆第24回 ウォーキングで効率良く脂肪燃焼する方法とは?

☆第25回 筋肉をつけて体脂肪を減らす効果的な筋トレ教えて!?

第26回 食事制限と運動で一日のエネルギー収支がマイナスでも体重が減りません⁈

第27回 太りにくい身体づくりについてのアドバイスは?

第28回 太りにくい身体づくりについてのアドバイスVer.2

第29回 激しい運動やきつい食事制限なしで短期間で簡単に痩せられる方法とは?

第30回「食事制限しても下半身が全然痩せないのは?」

第31回「ストレッチを毎日、ウォーキングと階段上り下りの痩せ効果について」

第32回「体脂肪を減らす効果的な方法を教えてください。」

第33回「太らない間食の方法を教えてください。」

第34回「ウォーキングを日課としていますが、効果を最大限に引き出す方法は?」

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