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2022.02.17

【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A 第16回「お酒を飲む」or「お酒を我慢する」体に悪いのはどっち?


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「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第16回目!

<これまでの質問>

☆第1回「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」

☆第2回「部分痩せってできますか?」

☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」

☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」

☆第5回「筋肉を増やすにはどうすればよいですか?」

☆第6回「筋肉痛があるときは運動しないほうがよいですか?」

☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」

☆第8回「“床に座る vs 椅子に座る”どっちが体に悪い?」

☆第9回 体脂肪率が低すぎるのは良くないってホント?

☆第10回 外出自粛のなか、運動するにはどうしたら良いですか?

☆第11回 効果的な運動のタイミングって?

☆第12回 BMIは標準値なのにお腹がぽっこり…解消するには?

☆第13回 体脂肪だけを落としたい!食事制限でやせるには?

☆第14回 体力が低下しているけど運動嫌い…よい方法は?

☆第15回 35歳を過ぎ痩せにくく…健康に食べながら痩せられる方法は?

今回は、お酒が好きなユーザーさんからいただいた質問で、上手にお酒と付き合うポイントについてお伺いしました。

この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
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中田先生の回答

わたしもビールは大好きです。気持ちは良くわかります。では、どう考えれば良いでしょうかね?

まず、漠然と“健康数値”とありますが、お酒と関係するとすれば、体重、体脂肪率、血圧、肝機能あたりでしょうか。このうち、体重や体脂肪率はお酒のカロリーと関係しますし、血圧や肝機能はアルコール量と関係します。

ビールのカロリーって?

ビールのカロリーについては、既製品を飲む場合は、それぞれの成分表示を参照してください。大体100 mlあたり40~50 kcalで、350 mlなら140~175 kcal、500 mlなら200~250 kcalです。お店で飲む中ジョッキは350~500 mlなので、1杯200 kcal前後と考えて、大きくは外れないと思います。ごはん茶碗に軽く1杯で200 kcalくらいですので、ビールを1杯飲むごとに、ごはんを軽く1杯食べているのだと思えば良いでしょう。そう考えると、ビールを3杯も4杯も飲むのは…ちょっと控えた方がいいですね。

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ビールのアルコール量って?

次に、ビールのアルコール量についてです。アルコール度数は5%のものが多いですが、これは重さ(g)ではなく体積(ml)で計算します。つまり、500 mlのビールには、500 ml×0.05=25 mlのアルコールが含まれている、ということです。一方、基準飲酒量は重さで計算されますので、体積を重さに換算する必要があります。ここで、アルコールの比重は0.8ですので、25 ml×0.8=20 gが500 mlのビールのアルコール量ということになります。

基準飲酒量は男性20 g、女性10 g、生活習慣病のリスクを高める飲酒量は男性40 g以上、女性20 g以上、多量飲酒は男性60 g以上、女性30 g以上です。一般に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅いことから、男性と同じ量を飲酒してしまうと、臓器障害を起こしやすくなると言われています。1日あたりの適正な量は10~20 gということになりますので、350~500 mlを1杯まで、ということになりますね。そう考えると、ビールを3杯も4杯も飲むのは…やはり、ちょっと控えた方がいいですね。

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では、どうするか?まったく飲まないで平気なら、飲まない方が良いです。でも、飲みたくてガマンすることがストレスなら、適度に飲めば良いです。ふだん、家で飲むなら1杯まで。お店で飲むとしても2杯まで。たまに飲み過ぎた日があれば、翌日は必ず休肝日。ふだんも3日に1回は休肝日を作るようにしましょう。

ビールに限らず、ダイエット中の甘いものなども同じように考えると良いですよ。度を過ぎず、適度に留めることが肝要です。

著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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