2025.03.29
国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説 第13回 生活機能の維持・向上
前回まで、代表的な生活習慣病の予防に向けた具体的な対策について説明してきました。今回はそのような疾患に罹患しなくても、日常生活に支障を来す状態を引き起こす可能性のある要因について、心身の両面から説明します。
この連載について――――――――――――
2024年から始まっている「健康日本21(第三次)」について、身体活動ガイドラインの策定にも関わられていらっしゃる筑波大学体育系 教授の中田由夫先生に解説していただきます。
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ロコモ減少の目標値
まずは身体の健康に関してです。ロコモティブシンドロームという言葉はご存知でしょうか?通称「ロコモ」とも呼ばれていますが、運動器の障害によって、立つ、歩くという移動機能の低下を来した状態と定義されています。
運動器とは、身体運動に関わる骨、関節、軟骨、筋肉、靭帯、腱、神経などの総称であり、それぞれが連携して働くことによって、運動が可能となります。なかでも移動機能は特に重要で、健康寿命の延伸と密接な関連があります。
運動器の疼痛、すなわち腰痛や膝痛は、活動量の低下、移動機能の低下につながり、ロコモ発症や悪化の主要因となります。そのため、健康日本21(第三次)では、「足腰に痛みのある高齢者の人数」を指標として、65歳以上の人口千人あたり、現状値の232人から210人への減少を目標として定めています。
骨粗しょう症は受診率を上げる
運動器のもうひとつの課題として骨折があります。その背景には、高齢化に伴う骨密度の減少がありますが、多くは無症状であるため、骨粗鬆症検診受診による早期発見、早期介入が重要です。しかしながら、骨粗鬆症検診受診率は、現在5.3%と非常に低く、骨粗鬆症検診についての普及啓発等を通じて、受診率向上の取組が重要です。健康日本21(第三次)では、受診率を15%に増加させることを目標として定めています。
こころも健やかに
最後にこころの健康に関してです。こころの健康は、自分らしく生きるために重要であるとともに、食事、運動、睡眠、飲酒、喫煙などとも関連します。こころの健康を評価する指標のなかで、健康日本21(第三次)では、K6という、うつ病や不安障害などの精神疾患をスクリーニングする指標を用い、K6が10点以上の心理的苦痛を感じている者の割合を、現状の10.3%から9.4%に減少させることを目標としています。
生活習慣の改善を通じて、心身の両面から健康を保持することで、生活機能の維持・向上を図ることが大切です。
記事提供:株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。
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