2025.03.22
お出かけしたくなる春!食事でもロコモ対策を
骨折や転倒が、介護が必要になる主な原因の第3位であることをご存知ですか?[1]
これらを予防するためには、筋力やバランス能力の低下が原因となる“ロコモ”について理解することが重要です。ロコモを知り、適切な運動やバランスの取れた食事を取り入れることで、いつまでも自分の足で元気に歩く生活を目指しましょう。
本記事では、ロコモの概要や管理栄養士の視点から食事でできる対策について解説します。
なるべく避けたい“ロコモ”とは
“ロコモ”とは移動能力を意味する”ロコモティブ(locomotive)”から作られた言葉で、立つ・歩くといった機能が低下した状態を指します。
ロコモになるとバランス機能が低下し、骨折のリスクが高まります。さらに骨折が完治しても以前のように自由に動けなくなることが多く、将来寝たきりになるリスクが考えられます[2] 。
あなたは大丈夫?立ち上がりテストでチェックしよう!
まずは、ご自身がロコモに該当するかを確認することが大切です。簡単にチェックする方法に“立ち上がりテスト”があります。
このテストは、下半身の筋力、特に膝を伸ばす筋力を測定する方法です。40cmの高さの台に座り、そこから、両足または片足で反動をつけずに立ち上がりができるかをチェックします。
立ち上がりが難しい場合は、ロコモが始まっている状態と判定されます[2]。
ロコモ対策で特に意識したい!2つの栄養素
ロコモ対策で特に意識したい2つの栄養素を紹介します[3]。
(1)カルシウム
カルシウムは、骨を作るために欠かせない栄養素。不足すると、体は血液中のカルシウム濃度を正常に保つために、骨からカルシウムを取り出そうとします。その結果、骨密度が低下してしまうため、骨粗鬆症の原因となります。
しかし、カルシウムは日本人の食生活では摂取しにくい栄養素の1つで、平均的に不足していることが報告されています[4, 5]。
【効率的なとり方】
カルシウムは、乳製品や小魚、小松菜などの緑黄色野菜、豆腐などに含まれます。
また、カルシウムの吸収を促進するビタミンDも一緒に摂るのが理想的です。ビタミンDは、鮭などの魚類や干ししいたけなどのきのこ類に含まれています。
さらに、ビタミンDは日光を浴びることで体内で合成されるため、天気の良い日は積極的に外出しましょう[4,6]。
(2)たんぱく質
たんぱく質は身体を構成するために欠かせない栄養素。
皮膚や髪、筋肉の材料となるだけでなく、骨の健康維持にも重要な役割を果たします。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、ロコモと類似する定義のサルコペニア(※1)、フレイル(※2)を予防するために、エネルギー全体の13〜20%(※3)をたんぱく質からとることを目標に掲げています。
今の日本人成人の平均摂取量はエネルギーの15%ほど(※4)で、目標量の下限に近い現状があります。日々の食生活の中でたんぱく質をさらに意識してとるようにするとよさそうです [4,5]。
【効率的なとり方】
たんぱく質は肉や魚や卵、乳製品、大豆製品などに含まれます。魚の缶詰や豆腐、カニカマ、チーズ、ヨーグルトなど、手軽に摂取できる食品を上手に活用してみましょう[6]。
(※1)サルコペニア:サルコペニアとは、加齢により筋肉の量が低下し、筋力や身体機能(歩行速度など)が低下した状態のこと[7]
(※2)フレイル:健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態のこと[8]
(※3)男女ともに:18〜49歳は13〜20%、50〜64歳は14〜20%、65歳以上は15〜20%
(※4)令和5年国民・健康栄養調査結果より、20歳以上男女のエネルギーの平均摂取量1893kcal、たんぱく質の平均摂取量71.3gより算出:71.3×4÷1893×100≒15
普段の食事を振り返ってみましょう
将来寝たきりにならずに、好きな時に好きな場所に行けるよう、適度な運動とバランスの良い食生活を意識して、なるべく若い頃からロコモ対策をしましょう。
おやつをヨーグルトやチーズに置き換えるなど、少しの工夫から始めてみてはいかがでしょうか?
【参考文献】(すべて2025年1月12日閲覧)※外部サイトへ遷移します。
[1] 厚生労働省,国民生活基礎調査,2022(令和4年)国民生活基礎調査の概況,Ⅳ介護の状況,p23
[2] 厚生労働省,SMART LIFE PRPJECT,健康&コンテンツ,自分の足で一生歩ける体に。毎日かんたん!ロコモ予防
[3] 上西一弘,ロコモティブシンドロームと栄養, Jpn J Rehabil Med Vol. 53 No. 12 2016,p903-907
[8] 一般社団法人日本老年医学会, フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント
【プロフィール】管理栄養士・介護福祉士 飯塚里奈
3歳2歳児の年子ママ、幼児食を現在進行形で実践中。また介護施設で長年勤務している経験から、『どの世代の人も心から食を楽しめるサポート』をコラム執筆、料理教室、カウンセリングを通して行っている。
記事提供:株式会社Wellmira
株式会社Wellmira ※外部サイトへ遷移します。