2021.12.27
【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A 第14回 体力が低下しているけど運動嫌い…よい方法は?
「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第14回目!
<これまでの質問>
☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」
☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」
☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」
☆第8回「“床に座る vs 椅子に座る”どっちが体に悪い?」
☆第10回 外出自粛のなか、運動するにはどうしたら良いですか?
☆第12回 BMIは標準値なのにお腹がぽっこり…解消するには?
今回は、ユーザーさんからいただいた質問で、運動嫌いの方のための運動不足解消法についてお伺いしました。
この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
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中田先生の回答
“嫌い”なことは長続きしないので、“楽”なことから始めてみてください。できるだけ長く継続できそうな、簡単なことから始めてみましょう。
たとえば、寝る前のストレッチ。ベッドの上でよいので、体をほぐしてから寝るようにしましょう。
メニューは簡単なものから、例えば、
(1)深呼吸
(2)全身を伸ばす
(3)首をゆっくり左右に倒す
このくらいでよいです。
短時間でよいので、毎日、行ってください。メニューは同じでもよいですし、その日に気になる部位をストレッチしてもよいです。やり方がわからなければ、気になる部位をさするだけでも、マッサージ効果があります。
1~2週間続いたら、少しトレーニングっぽいこともやってみましょう。仰向けになって、両足をそろえて、真上に上げます(図A)。その姿勢で10秒間かぞえましょう。いつものストレッチに1種目、トレーニングを加えるだけです。慣れてきたら、両足を真上に上げるだけではなく、その状態から左右にゆっくりと振ってみたり(図B)、足を大きく左右に開いて閉じるという動き(C)を繰り返したりしてみましょう。
もう少し強度を上げられそうであれば、仰向けで両膝を曲げて、両膝を胸に近づけては戻す、という動作(図D)を繰り返したり、仰向けで自転車をこぐ動作(交互に膝の曲げ伸ばし)(図E)をしたりしてみてください。
きつすぎると続きませんので、“楽”な運動と“ちょっときついかな”という運動を組み合わせて、無理なく続けてみてください。たまに外に出てみると、体がずいぶんと動かしやすくなっていると思いますよ。
著者:中田由夫 (筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)
2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。
【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.
【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.
【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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