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2022.10.24

【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A 第24回 ウォーキングで効率良く脂肪燃焼する方法とは?


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「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第24回目!

<これまでの質問>

☆第1回「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」

☆第2回「部分痩せってできますか?」

☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」

☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」

☆第5回「筋肉を増やすにはどうすればよいですか?」

☆第6回「筋肉痛があるときは運動しないほうがよいですか?」

☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」

☆第8回「“床に座る vs 椅子に座る”どっちが体に悪い?」

☆第9回 体脂肪率が低すぎるのは良くないってホント?

☆第10回 外出自粛のなか、運動するにはどうしたら良いですか?

☆第11回 効果的な運動のタイミングって?

☆第12回 BMIは標準値なのにお腹がぽっこり…解消するには?

☆第13回 体脂肪だけを落としたい!食事制限でやせるには?

☆第14回 体力が低下しているけど運動嫌い…よい方法は?

☆第15回 35歳を過ぎ痩せにくく…健康に食べながら痩せられる方法は?

☆第16回 「お酒を飲む」or「お酒を我慢してストレスをためる」体に悪いのはどっち?

☆第17回 “食前” vs. “食後” 運動するにはどっちが効率的?

☆第18回 一定の体重から1年近く減りません。どうしたらよい?

☆第19回 体脂肪率が減りません。どうしたら順調に減らしていけますか?

☆第20回 糖質制限中、カロリーオーバーした場合、 やせる? 太る?

☆第21回 1日の内、夕食にエネルギー摂取量が偏るのはあり?

☆第22回 一生リバウンドしないための秘訣は?

☆第23回 脂質を控えているのに 体脂肪が減らないのはなぜ?

今回は、ユーザーさんからいただいた質問で、ウォーキングで効率良く脂肪を燃焼させる方法についてお伺いしました。

この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
――――――――――――

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中田先生の回答

運動時に脂肪だけを燃焼させることはできません

まず、栄養素がエネルギーに変換される仕組みについて解説します。日々の生活に必要なエネルギーは、糖質、たんぱく質、脂質を原材料とし、下図に示すような代謝経路をたどって産生されます。たんぱく質は筋肉などの体の材料になるため、通常は、糖質と脂質を分解してエネルギーを産生します。糖質と脂質は両方が使われますが、運動強度が低いときは脂質をより多く使い、運動強度が高くなると糖質をより多く使います。

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図に示されているように、糖質からエネルギーを産生する経路のなかで、乳酸が産生されます。運動時に疲労がたまってくると、血中乳酸濃度が高くなることがよく知られています。すなわち、「疲れた」と感じるときは、糖質をたくさん使っていることになります。逆に、たとえば安静時や立ち仕事をしているときは、運動強度は高くありませんので、ほとんどが脂質の分解によって、必要なエネルギーが産生されます(下図参照)。

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つまり、“脂肪燃焼のみ”=“運動強度が低い”ということです。エネルギー消費量は運動強度と時間の掛け算で決まります。運動強度が低いということは、いくら時間をかけても、運動強度×時間は大きくなりません。そのため、ダイエットのためには、ある程度は糖質も使いながら、運動強度×時間を大きくすることが大切です。

ウォーキングで効率良くエネルギーを消費するには?

具体的には、いつものウォーキングに、「ちょっときつい」と感じる要素を加えていきましょう。30秒くらいで構いませんので、いつもより歩幅を大きくして歩いたり、ピッチを速めてみたり、軽いジョギングをしてみてください。「ちょっときつい」と感じなければ、もう少し強度を上げたり、時間を長くしたりしてみてください。「ちょっときつ過ぎる」と感じたら、もとのウォーキングに戻して、心拍数が落ち着くのを待ってください。

同じ時間のウォーキングでも、運動強度がぐっと上がりますので、エネルギー消費量が大きくなって、ダイエットに効果的ですし、体力が高まって、さらに強度の高い運動にトライできるようになりますよ!

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著者:中田由夫(筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(理事・編集委員長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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