2025.03.30

筋肉増やす「タンパク質」摂りたい食品の種類と量|糖質・ビタミンCも一緒に摂ったほうがいい理由


必要な栄養を摂らなければ、筋トレをしても筋肉は増えません(写真:つむぎ/PIXTA)

必要な栄養を摂らなければ、筋トレをしても筋肉は増えません(写真:つむぎ/PIXTA)

筋トレ=ムキムキな体づくり、と思われがちですが、実は健康や美容にも欠かせません。年齢とともに体型が崩れたり、疲れやすくなったりするのは、筋肉の減少が大きな原因なのです。筋肉を味方につければ、体は確実に変わっていきます。無理なく続けられるシンプルな筋トレで、健康も美容も手に入れることができるのです。
テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二氏の著書『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より一部抜粋してお届けします。

筋トレしても効果は半減する理由

筋肉をつけて理想のボディを手に入れるには、運動だけでなく食事も大きな要素。でも、安易な食事制限は失敗のもと。まず正しい栄養の知識の確認が必要です。

食事の基本はエネルギーになる糖質、細胞膜やホルモンなどの材料となる脂質、体を作るタンパク質の3つのバランスが大事。

特にタンパク質は、人間の体に37兆個あるといわれる細胞の主成分。皮膚、髪の毛、内臓から赤血球に至るまで、タンパク質のかたまりです。筋肉も同様。つまり筋肉の材料となるタンパク質がなければ、筋トレをしても筋肉は増えないのです。

また、タンパク質を構成するアミノ酸は筋肉の合成を促すインスリン、IGF-1、そしてIGF-1の分泌を促す成長ホルモンの材料でもあります。この意味でも、タンパク質が豊富な食品を毎食欠かさず摂ることが不可欠です。

とはいえ、糖質や脂質をおろそかにして極端に減らすのも誤りです。糖質を摂ることでインスリンが分泌されて、筋肉の合成が促されます。また、脂質は性ホルモンの材料ですから、不足すると筋肉を合成させる男性ホルモンが不足します。

女性の場合、女性ホルモン不足により、骨密度の低下、月経不順を招き、摂食障害の引き金にもなります。

肝心なのは、「主食、主菜、副菜、汁物」の食事の基本を守りつつ、甘いお菓子や清涼飲料水、アルコールなどを控えることです。

筋トレに効果があるタンパク質の量は?

タンパク質を摂ることが大切なのはわかったけれど、それでは実際にどのくらい摂ればよいのでしょうか。

タンパク質の推定平均必要量は「体重×0.66」g、理想的には「体重×0.93」gとされています。ですが、これは特別に運動をしていない場合の数値。筋トレで筋肉を増やすためには、それに必要なタンパク質を摂る必要があります。

筋トレで筋肉を増やすには、体重1kgにつき1.6~1.7gが目安となります。ただし、食事を制限すると筋肉の分解が進みやすいため体重1kgにつき1.8~2.0gが必要です。

60kgの女性なら、108~120gですから、1食あたり36~40gの計算です。体重80kgの男性なら、144~160g、1食あたり48~53gの計算となります。

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

ですが、体が一度に吸収できるタンパク質は40g程度が上限といわれています。それ以上に摂取しても吸収できず、体外に排泄する際に腎臓に負担がかかります。

またタンパク質は悪玉菌が好むので、腸内環境の悪化にもつながります。効率よくタンパク質を摂り込むなら、お昼と夜の間の間食にタンパク質を含む食品を摂って、1食あたりのタンパク質量を適量に抑えることです。

とはいえ、食事を栄養素の単位で考えるのは現実的ではありません。簡単にいえば、肉、魚、大豆製品などの主菜をいつもの食事量の1.5~2倍摂れば、必要量を得られると考えてください。

タンパク質であれば何を食べても同じでしょうか? 

体の中では作れない9種類の必須アミノ酸を、バランスよく持つ食品を選ぶことが大切です。そのときに役立つのがアミノ酸スコアです。

これは食品に含まれる9種類の必須アミノ酸が必要摂取量を満たしているかどうかを表した数値。すべてが一定の基準値を超えていればアミノ酸スコアは100となり、体内での利用効率は高くなります。逆にどれか1つでも少ないと、利用効率は低いアミノ酸に応じて低くなります。

この際、利用できないほかのアミノ酸は腎臓でろ過された後に排出されるので、腎臓に負担がかかります。

アミノ酸スコアが100の食材は肉や魚、乳製品、卵などの動物性タンパク質です。

しかしそれだけでなく、植物性タンパク質の代表・大豆製品も1日1品は摂りましょう。その理由は、日本人には動物性タンパク質より植物性タンパク質を消化する酵素が多く、腸の負担が少ないから。

また大豆タンパク質は、コレステロールがなく低カロリー、腸内環境を整える食物繊維が豊富といいことずくめ。女性ホルモンを補う働きをするイソフラボンも含まれます。大豆のアミノ酸スコアは86ですが、動物性タンパク質と一緒に摂ると、使用されなかった動物性タンパク質のアミノ酸が植物性タンパク質の不足部分を補ってくれます。

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

糖質制限をすると筋肉が分解される?

近年、流行したダイエット法の1つが糖質制限です。ごはんやパン、イモ類やトウモロコシなどの糖質の多い食品を避けて、その代わりに脂質やタンパク質をたくさん摂るという食事法です。

しかし、健康的に筋肉をつけたければ、糖質制限はNGです。

脂質を多く摂るとケトン体という老廃物が増えて、さまざまな健康上のリスクをもたらします。また、タンパク質を大量に摂ると腎臓に負担がかかり、腸内環境が悪化しやすくなります。

そもそも糖質を摂らないと筋肉づくりを促すホルモン、インスリンが分泌されないため、筋肉がつきにくいのです。

筋肉がつきにくくなるもう1つの理由があります。極端に糖質の補給を減らすと、コルチゾールというホルモンが分泌され、それが筋肉を分解して糖に変換させてしまうことです。

また糖質は1gあたり3gの水と結びつくという性質を持っています。ですから体の中の糖質が減ると、体内水分量が不足して髪の毛や肌もカサカサになってしまいます。

主食としてごはんやパンを摂ることに問題はありません。ただし、「うどん+いなり寿司」「ごはん+お好み焼き」「パスタ+パン」「焼きそばパン」など主食の二重摂りは避けるべきです。イモ類やトウモロコシ、マカロニなどをおかずにするのも避けましょう。

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

上質な筋肉のために必要な成分は?

筋肉を作るにはタンパク質を摂ることが必須ですが、それだけでは不十分。ケガなくトレーニングを続けるにはビタミンCも大事になります。

筋肉の発達には2種類あり、1つは筋肉の細胞が増える筋線維の増加、もう1つは筋線維が太くなる筋肥大です。

人の場合、筋トレによる筋肉の発達はこの筋肥大が中心です。筋線維が太くなると、筋線維同士や筋肉を包んでいる筋膜との間に隙間ができやすくなり、その結果、筋線維同士が剥がれたり、筋膜の損傷を招いたり、いわゆる肉ばなれが起こりやすくなってしまうのです。

肉ばなれを防ぐには、ビタミンCをたっぷり含む野菜や果物を摂ることが効果的。ビタミンCには保水力があり、筋肉の粘度を上げて筋肉同士を剥がれにくくします。また筋膜や腱、じん帯を構成するコラーゲンを作る働きを促してもくれます。

ビタミンCが多い野菜はパプリカ、ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリーなど。果物ならレモン、キウイ、いちごなどです。

ビタミンCと合わせてエネルギーの代謝に役立ち、筋肉の合成に関わるビタミンB群も一緒に摂るとさらに完璧。こちらはキノコやブロッコリーなどの色の濃い野菜に多く含まれています。

果物や野菜は、主菜の肉や魚と同程度の量を食べるのが理想ですが、なかなかそうはいかないもの。毎食必ず野菜中心の副菜を摂り、1日1品、果物を摂ることを心がけましょう。

疲労回復成分が豊富な最強フードとは?

最近になって、渡り鳥の羽の付け根に「イミダゾールジペプチド」という疲労回復物質が含まれていることがわかってきました。渡り鳥が長距離を飛ぶことができるのは、体内でこの物質を合成しているからだと考えられています。

イミダゾールジペプチドは強力な抗酸化作用が特徴です。体内に発生した活性酸素による細胞のダメージを防ぐ働きで、疲労の原因を根本から取り除くことができるのです。

イミダゾールジペプチドを摂ると、肉体的な疲労感を取り除くとともに、脳にも働きかけて、疲れた自律神経の回復にも効果があることがわかってきました。

この物質を多く含む食べ物の代表は鶏胸肉とささみ。ともに低脂肪高タンパクかつ、低カロリーで高タンパクの鶏胸肉は、エネルギーの代謝に役立ち、筋肉の合成に関わるビタミンB群もバランスよく含まれているので、筋トレの最強フード。

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

(『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』より)

筋トレを長く続けるうちに、知らずにたまってしまった疲労には、鶏胸肉とささみを食べて、体の中から疲労回復をはかりましょう。

ただし、動物性タンパク質は腸内の悪玉菌を増やしてしまいます。善玉菌のエサとなる食物繊維を多く含んだ大豆や大豆製品から、植物性タンパク質も摂りましょう。また、発酵食品に含まれる植物性乳酸菌も、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善してくれます。

『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』(日本文芸社)。

『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話: 筋肉のギモンを専門家が解説!』(日本文芸社)。

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提供元:筋肉増やす「タンパク質」摂りたい食品の種類と量|東洋経済オンライン

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