2025.04.01

咳止め、美肌も!たくさんの健康効果がうれしい「レンコン」 薬剤師がオススメする"摂り方のワザ"2つを紹介


たくさんの薬効を持つレンコンを上手に活用しましょう(写真:kaka/PIXTA)

たくさんの薬効を持つレンコンを上手に活用しましょう(写真:kaka/PIXTA)

レンコンは旬こそ冬ですが、年間を通してスーパーで購入することができる、使い勝手のいいなじみ深い食材です。昔はあまり得意ではなかったけれど、大人になったら好きになったという人も意外といるようです。

実はこのレンコンにはさまざまな薬効があり、近年では花粉症の症状改善効果も注目されています。そこで今回は、レンコンの薬効や摂り方のワザについて紹介していきたいと思います。

意外とたくさん「レンコンの効能」

レンコンは蓮根と書きますが、根ではなくてハスの地下茎(ちかけい)が肥大した部分をいいます。細長い楕円形で、いくつかが連結しているのが特徴。シャキシャキとした食感がおいしい根菜類です。

レンコンは食用だけでなく、古くから民間療法として喉の痛みや咳止めに用いられてきました。

例えば、昔は結核で喀血(かっけつ)したときに、すりおろしたレンコンがよく使われていたそうです。レンコンは優れた止血作用を持っているので、出血性の症状である胃腸の潰瘍(かいよう)や痔の止血に役立ち、貧血の改善にも効果があるとされています。

また、漢方には「似類補類(にるいほるい:形が似たものは似たものを補う力がある)」という考え方があります。“脳の形をしているからクルミは脳にいい”といった考え方です。

この似類補類でいうと、レンコンの空洞は気管支に似ているため、気管支のトラブルを抑えるとされています。形が似ているから効果がある……かどうかはわかりませんが、実際に、レンコンの絞り汁には炎症を鎮めて、潤いを補う力があるので、喉の炎症や乾燥感を改善したいときには、おすすめです。

古代中国の薬草辞典である「本草綱目(ほんぞうこうもく)」には、“生肌(せいき)”の作用もあると書かれていますから、肌を潤す作用もあるようです。乾燥が続く今の季節は肌も乾きがちなので、レンコンを大いに活用したいところです。

生食と加熱で変わる働き

レンコンは、生か加熱するかによって効能が変わるので、目的によって使い分けるとよいでしょう。

生は、冷やす性質を持ちます。体にこもった熱を冷まし、潤いを与え、血行不良を改善し、熱による出血を止めてくれます。喉の炎症や肌の乾きを何とかしたいという場合は、生で摂ることをおすすめします(摂り方はあとでご紹介します)。

ただし、胃腸が冷えやすい人やお子さん、白いたんがよく出る人は生食を控えたほうがいいでしょう。

出産後は通常、生ものや冷たいものを控えたほうがいいのですが、生のレンコンは例外です。血を巡らせる作用があるので、食べたほうがいいといわれています。

一方、レンコンは加熱すると冷やす性質がなくなり、胃腸の働きを改善して食欲を増進します。また、血液を養って気持ちを安定させ、肌の再生を促します。

以下に、レンコンに含まれる有効成分と効能を挙げておきます。

①ビタミンC

レンコンには複数のビタミンが含まれていますが、なかでもビタミンCの含有量が豊富。ビタミンCは抗酸化力があり、免役の強化に役立ちます。またコラーゲンの生成を促して、肌を生き生きと保つ作用もあります。

②カリウム

体内のナトリウムのバランスを調製することで、ナトリウムを水分とともに排出します。カリウムが不足するとナトリウムが排出されずに体内に蓄積するため、血圧が上がってしまいます。

そのほかにも、カリウムは神経伝達や筋肉の収縮など、さまざまな働きに関わるミネラルです。

③タンニン

ポリフェノールの一種で、苦みや渋味のもとにもなる成分です。腸に働きかけ、腸内環境の改善が期待できるほか、優れた抗酸化力によって活性酸素の生成を防ぎ、血管をはじめとする体内の損傷を防ぎます。

余談ですが、タンニンはレンコンの黒ずみの原因です。レンコンを切って空気に触れたまま置いておくと、タンニンが酸化することによって黒ずみが生じます。

この予防に役立つのは酢です。酢水にさらせば、レンコンを白くきれいなままで使えます。ただし、大量の水に長時間さらすとビタミンCが流れ出してしまうので、注意が必要です。

④食物繊維

レンコンは食物繊維を多く含んでいます。食物繊維は水溶性と不溶性に分類されますが、レンコンはどちらも含んでいます。食物繊維は便の量を増して腸を刺激するので、便秘の方にはうれしい栄養素です。

食物繊維が多いということは、すなわち消化しにくいということでもあります。摂りすぎるとお腹が張ったり、ガスがたまったりするので、こうした不調が出たら少し控えめにしたほうがいいかもしれません。

このほか、レンコンを切るときに、糸を引くようなねばねばした感じがあります。レンコンに胃腸を元気にする働きがあるのは、この成分のおかげです。

また、レンコンにはこれまで紹介してきた効能のほか、近年の研究ではアレルギーを抑える物質も含んでいることが明らかになりました。

薬剤師オススメ「レンコン汁」の作り方

レンコンは、できれば皮をむかないで使ったほうがよいです。しっかり栄養を摂ることができます。

また、レンコンに含まれるビタミンCやカリウムは水溶性で、水に溶け出すので、煮汁ごと食べるのがポイントです。味噌汁にすれば栄養をあますことなく摂ることができます。炊き込みご飯もおすすめです。

ビタミンCは熱に弱い性質があるので、調理時間は短くしたほうがいいでしょう。鉄製の鍋で調理すると、タンニンが反応して色が変色し、青黒くなるので注意を。

「レンコン汁」は昔ながらの民間療法で、喉の炎症を和らげたり咳を止めたりするときに、筆者がおすすめしている摂り方です。

レンコン3cmほどを皮ごとすりおろし、キッチンペーパーやコーヒーフィルター、茶こしなどでこします。その汁をいただきますが、はちみつを少し混ぜると抗菌作用が加わって、喉へのアプローチが高まります。

レモンや柑橘類を絞ってもいいですし、レンコン汁を葛湯(150cc)にして生姜と混ぜると、体を温める効果が高まり、飲みやすくもなります。

レンコン入りのお粥は、中国古代の薬膳粥「藕粥(ぐうしゅく)」といいます。長く食べ続ければ、健康で長生きできるとされています。

花粉症対策には「レンコンパウダー」

レンコンの抗アレルギー作用をうまく利用して、花粉症対策をしたいという人もいるでしょう。しかし、毎日レンコン料理を作って食べるのはたいへんですし、何より飽きてしまいますよね。

そんなときは、レンコンパウダー(蓮根粉)を活用してはどうでしょうか。

レンコンパウダーはほぼ無味無臭でクセがあまりないため、いろんな料理に混ぜることができます。味噌汁やスープ、ヨーグルトなどに入れるほか、小さじ1程度を卵と混ぜて玉子焼きにしてもいいでしょう。ハンバーグやつみれのタネにレンコンパウダーを加えてから焼くと、もっちりとした食感になります。

レンコンパウダーは市販されていますが、自分で作ることもできます。

レンコンの表面の泥をよく洗って落とし、皮がついたまま薄く輪切りにします。その後、2~3日天日干しをします。水気がなくなり完全に乾燥したら、ミルやフードプロセッサーで粉末状にすれば、レンコンパウダーの完成です。

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レンコンはハスの太くなった地下茎です。きれいな花を咲かせるハスは根から種まで、多くの薬効を持つ植物です。部位ごとに異なる名前がついています。

レンコンだけじゃない、ハスの薬効

葉は「荷葉(かよう)」といい、暑くて湿気が多い時期の発熱や、胃腸の症状改善によく、止瀉(ししゃ:下痢止め)、止血作用を持ちます。お茶や食材として使用されていて、ベトナム料理店に行くと蓮の葉のお茶が出ることが多いです。すっきりとした味わいなので、どんな料理にとてもよくあいます。

ハスの実は「蓮肉(れんにく)」という生薬として、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)や啓脾湯(けいひとう)、参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)などの漢方薬に配合されています。鎮静、滋養強壮、止瀉、健胃作用などがあります。

ハスの実のなかにある緑色の胚芽は、「蓮子心(れんししん)」といって、解熱やイライラや不眠などの改善に使われます。

雄しべは「蓮鬚(れんしゅ)」といって強壮作用に、果托は「蓮房(れんぼう)」といって止血作用に使われている生薬です。レンコンの節の部分は「藕節(ぐうせつ)」といい、止血や鬱血を改善する作用があります。

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提供元:咳止め、美肌も!「レンコン」を健康に生かすワザ|東洋経済オンライン

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