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2023.10.17

【連載】専門家がずばり解説!健康情報Q&A第36回「塩分排泄を促す方法などありますか?」


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「気になるけど結局どうなの?」という健康に関するソボクな疑問を、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に答えてもらう連載の第36回目!

<前回の質問>

☆第35回「カロリー制限と糖質制限、どちらの方が身体に優しいのか」

今回は、ユーザーさんからいただいた質問で、塩分排泄を促す方法についてアドバイスをお伺いしました。

この連載について――――
「専門家がずばり解説!健康情報Q&A」では、健康に関するソボクな疑問を、食事と運動が健康に及ぼす影響について研究されている、筑波大学体育系 准教授の中田由夫先生に解説していただきます。ダイエットや運動など幅広く質問していくので、楽しみにしていてください☆
――――――――――――

Q. 塩分摂取過多が気になります。ランチのみそ汁が 一つの要因ですが、外食なので減塩味噌などに変えることはできません。逆に排泄を促す方法などありますか?

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中田先生の回答

A. カリウムを摂取することで、余分な塩分を体外に排泄しやすくなります。

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質問文には含まれていませんが、塩分摂取過多が気になるということは、高血圧を気にされているのだと思われます。高血圧予防のためには、減塩が最も重要で、毎日の食塩摂取量を気にすることはとても大切です。

 食塩には、血圧を上げる働きをするナトリウムが含まれています。これに対し、カリウムはナトリウムの排泄を促し、血圧を下げる働きがあります。ナトリウム摂取量とカリウム摂取量の比を「ナトカリ比」と呼びますが、この数値を下げることで、血圧も下がることが期待されます。

「カリウム」を含む食品は?

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 カリウムは、野菜、いも、豆、きのこ、果物に多く含まれます。微量栄養素ですので、摂取量を計算するのは大変です。できるだけ多く、野菜などを含む副菜をとるようにするとよいでしょう。

 なお、「日本人の食事摂取基準2020年版」では、カリウムの1日あたりの目安量として、男性2,500 mg、女性2,000 mgが挙げられています。また、生活習慣病の発症予防の目標量としては、男性3,000 mg、女性2,600 mgが挙げられていますので、参考にしてください。

 また、カリウムは水溶性のため、ゆでると溶けだしてしまいます。生で食べる、ゆで汁も一緒に摂取する、ゆで汁を捨てる場合は電子レンジを活用するなど、調理方法にも気を使いましょう。

ただし、カロリーにも注意!

カリウムは積極的に摂取したい栄養素ですが、肥満や糖尿病がある人は、カロリーオーバーにならないように注意が必要です。特に、いも、豆、果物は摂取量が多くなり過ぎないようにしましょう。また、慢性腎臓病でステージが進んでいると、カリウム制限が必要になります。該当する方は主治医とよく相談してください。

 高血圧予防のためには、減塩、野菜・果物の摂取のほか、適正体重の維持、運動実践、節酒、禁煙が推奨されています。これらの生活習慣の改善は、単体で実施するよりも複数を合わせて実施したほうが、より効果的です。できそうなものからひとつずつ取り組み、1つでも多く、合わせて実施できるようになるとよいですね。

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著者:中田由夫(筑波大学体育系 准教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(副理事長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(評議員・編集委員)、日本疫学会(代議員)など。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、「世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る」をモットーに、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供しています。

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<これまでの質問>

☆第1回「ダイエット中に筋トレしたら腕が太くなりますか?」

☆第2回「部分痩せってできますか?」

☆第3回「糖質コントロールとカロリーコントロール、結局どっちが痩せるの?」

☆第4回「有酸素運動は20分以上続けないと痩せないってホント?」

☆第5回「筋肉を増やすにはどうすればよいですか?」

☆第6回「筋肉痛があるときは運動しないほうがよいですか?」

☆第7回「“座り過ぎ”の健康リスクを運動で帳消しにできますか?」

☆第8回「“床に座る vs 椅子に座る”どっちが体に悪い?」

☆第9回 体脂肪率が低すぎるのは良くないってホント?

☆第10回 外出自粛のなか、運動するにはどうしたら良いですか?

☆第11回 効果的な運動のタイミングって?

☆第12回 BMIは標準値なのにお腹がぽっこり…解消するには?

☆第13回 体脂肪だけを落としたい!食事制限でやせるには?

☆第14回 体力が低下しているけど運動嫌い…よい方法は?

☆第15回 35歳を過ぎ痩せにくく…健康に食べながら痩せられる方法は?

☆第16回 「お酒を飲む」or「お酒を我慢してストレスをためる」体に悪いのはどっち?

☆第17回 “食前” vs. “食後” 運動するにはどっちが効率的?

☆第18回 一定の体重から1年近く減りません。どうしたらよい?

☆第19回 体脂肪率が減りません。どうしたら順調に減らしていけますか?

☆第20回 糖質制限中、カロリーオーバーした場合、 やせる? 太る?

☆第21回 1日の内、夕食にエネルギー摂取量が偏るのはあり?

☆第22回 一生リバウンドしないための秘訣は?

☆第23回 脂質を控えているのに 体脂肪が減らないのはなぜ?

☆第24回 ウォーキングで効率良く脂肪燃焼する方法とは?

☆第25回 筋肉をつけて体脂肪を減らす効果的な筋トレ教えて!?

第26回 食事制限と運動で一日のエネルギー収支がマイナスでも体重が減りません⁈

第27回 太りにくい身体づくりについてのアドバイスは?

第28回 太りにくい身体づくりについてのアドバイスVer.2

第29回 激しい運動やきつい食事制限なしで短期間で簡単に痩せられる方法とは?

第30回「食事制限しても下半身が全然痩せないのは?」

第31回「ストレッチを毎日、ウォーキングと階段上り下りの痩せ効果について」

第32回「体脂肪を減らす効果的な方法を教えてください。」

第33回「太らない間食の方法を教えてください。」

第34回「ウォーキングを日課としていますが、効果を最大限に引き出す方法は?」

第35回「カロリー制限と糖質制限、どちらの方が身体に優しいのか」

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