2020.05.12
立夏(りっか)/紫外線対策と自律神経の調整を
真夏より強い紫外線に要注意!
立夏は5月5日~5月20日の時期で、新緑がまぶしく、五月晴れが続くさわやかな季節です。カエルが鳴き、金目鯛やニンジンが旬を迎えたころが、立夏の始まりのサインです。この季節は紫外線が最も強い時期であるだけでなく、皮膚が夏の日差しにまだ慣れていないことから、特に肌の弱い人は紫外線により皮膚が傷めつけられます。そのため、日焼け止めを塗るなど紫外線対策が必要です。
お肌の対策にはいろいろな化粧水がありますが、グリセリンに精製水を1対15の割合で混ぜれば、自分だけの化粧水をつくることができます。冬場や乾燥しやすい方は、水の割合を10程度にし、グリセリンの割合を増やすことで保湿効果の高い化粧水をつくることができます。ただし、防腐剤が入っていないので、お肌に優しい分、2週間程度で使い切ることが必要です。なお、一度手に取った化粧水を瓶に戻すなどしてはいけません。
また、赤色のトマトは、からだを冷やす食べ物であり、色素であるリコピンは抗酸化力に優れることから、シミやしわを予防する効果が期待できます。紫外線が多いこの時期は、化粧水とトマトで皮膚の内と外から対策を行いましょう。
自律神経を調整する呼吸法
暖かくなることで、からだの動きも活発になることから、心臓の動きも活発になり、動機や不整脈などが現れやすいのもこの季節の特徴です。心臓の疲れは全身の循環の乱れを導き、めまい・ふらつきなどの症状も発展しかねません。夏の始まりですので、生活のリズムを整えることで自律神経を調整し、疲れをためこまないようにしましょう。
自律神経を整える方法はいくつかありますが、呼吸を整えることが大切です。特に呼吸は副交感神経を優位にさせる効果があることから、心臓の動きを抑え、安定化してくれます。横になり、肩幅に足を開いた状態でおなかに手を当あて、鼻から息を3秒程度で吸い込み、口からゆっくり5秒程度かけて吐く(いちばん上のイラスト)。息を吸うときは、おなかが膨らみ、息を吐くときはおなかがへこむことが、正しい深呼吸法です。疲れたときやリラックスしたいときには、ゆったりとした気分で、おなかと呼吸の関係を意識しながら10回程度行うようにしましょう。
副交感神経 ※外部サイトに遷移します
立夏におすすめのツボ・神門(しんもん)
最後に、立夏を乗りきるためのおすすめのツボとして神門をご紹介します。神門は精神的な緊張を緩め、イライラなどのストレスをおさめてくれる役割があります。また、心臓にも影響があるツボです。神門は手首の横しわの小指側の少しくぼんだ場所にあるツボで(下のイラスト)、イタ気持ちいい程度に、5秒圧迫し3秒離す刺激を、左右10回程度行います。
自律神経が整っている人は押しても痛くはないので、痛い人や押して気持ちがいい人は自律神経が乱れ、心臓に負担がかかっている証拠かもしれません。自律神経のバロメーターとして、一日何回か押して確認することが大切です。
立夏は夏の始まり。この季節は今まで考えたり、計画してきたことを始めるには最高の時期です。そのうえ、この時期に始めたことは、身になると言われています。せっかく始めたことをものにするためにも、肌ケアや自律神経を整え、心身ともに最高のスタートをきるようにしましょう。
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
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文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
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提供元:立夏(りっか)/紫外線対策と自律神経の調整を|ワコール ボディブック