2019.08.01
小暑(しょうしょ)/心とからだの疲れは日々のフェイシャルケアで
お風呂の中で表情筋のリラックス
小暑は7月7日~7月22日の時期で、梅雨が明けて本格的に夏が始まります。ようやく夏を実感できると同時に、身体活動がピークを迎えるため、疲れもピークに。からだのだるさが生じるだけでなく、やる気がなくなる時期です。
東洋医学では「心身一如(しんじんいちにょ)」というように、からだの疲れは心の疲れに影響します。心の疲れは、泣いたり、怒ったりと感情を上手くコントロールできなくなるような些細な症状から始まり、漠然とした不安や恐怖感が起こり、最後には何をしてもやる気が起こらないうつ状態へと変化していきます。
夏の疲れは、顔のたるみやしわとなって現れます。特に、顔は脳が占める領域が大きいことから、局所的な筋肉の顔の状況だけでなく、脳機能の状況を反映しているといっても過言ではありません。そのため、この時期はフェイシャルケアに力を入れていきましょう。
フェイシャルケアの中で特に重要なのは、表情筋をリラックスさせることです。まずは、お風呂の中などで、「あ・い・う・え・お」と大きく口を開けて発音してみましょう。表情筋は口の周りを中心に筋肉があり、母音の発音をすることで、これらの筋肉がストレッチされます。お風呂の中や鏡の前など、声を出さなくてもよいので、1日ひとつの発音に10秒、それぞれ10回ほどストレッチしましょう。
美顔ローラーやかっさなどを使い、顔の筋肉をほぐすことも有効です。東洋医学では、顔の表情で病気を予想したり、治療することがあります。特に<おでこ周辺>と<肩>、<鼻筋から口周り>と<骨盤>、<顎のライン>と<足の状態>と、それぞれ関連が深いとわれています。たとえば、おでこにくすみやしわ、むくみなどが存在する場合は、肩の状態も悪く、冷えやこり、さらには痛みが存在する場合が多く、顔をマッサージしたりケアすると、こりや痛みも軽減します。顔を通じて自分のからだを知り、美容や健康に役立てましょう。
「顴髎(けんりょう)」のツボは疲れのバロメーター
小暑を乗りきるおすすめのツボには、「顴髎」があります。頬骨の下のくぼみで、むくみや眼精疲労、さらには歯の痛みなどにも効果的です。表情が疲れていたり、顔がむくんでいるときは、気持ちがよい程度にもんで疲れを取るようにしましょう。
このツボを押さえたときに痛みや違和感がある人は、かなり疲れがたまっています。自分のからだのバロメーターとして、定期的にこのツボを押さえるようにしましょう。
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
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ワコールスタディホール 伊藤先生のお話を聞きながら養生体験!
★東洋医学が導く美のメソッド〜2019夏〜 全5回 ※外部サイトに遷移します
5月15日(水)・6月5日(水)・6月19日(水)・7月3日(水)・7月17日(水)
第1回のみ 19:00~20:30
第2~5回 19:15~20:30
文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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提供元:小暑(しょうしょ)/心とからだの疲れは日々のフェイシャルケアで|ワコール ボディブック