メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2022.07.21

脂肪肝になる前に!知っておきたい3つの予防法


記事画像

脂肪肝が身近な病気であることはご存知でしょうか。日本人の成人が健康診断で脂肪肝を指摘される割合は、肥満と診断された方の約25〜30%であり、近年増加傾向にあります。特に30〜40代の男性に多く、女性は閉経以降に増加する肝機能障害のなかで最も高頻度に報告されている疾患です。

脂肪肝は、食事習慣や運動習慣を改善することで予防ができることが明らかにされています。そこで今回は、脂肪肝になる前にできる生活習慣改善のポイントについて解説していきます。

脂肪肝になりやすいのはどんな人?

記事画像

脂肪肝になりやすいのは、食べ過ぎでカロリーオーバーしている、多量飲酒をする、運動不足といった特徴がある方や、糖尿病や脂質異常症などの疾病がある方です。これらに当てはまる方は、この機会に生活習慣を見直して予防に努めるようにしましょう[1]。

そもそも脂肪肝ってどんな病気?

脂肪肝とは、肝細胞の30%以上に中性脂肪が蓄積されてしまう病気のことです。脂肪肝は初期症状がほとんどない特徴がありますが、放置すると肝炎を起こし肝硬変に進行してしまうため注意が必要です。メタボリックシンドロームを合併しやすく、脂質異常症や動脈硬化の原因となり糖尿病の合併リスクも高くなるといわれています[1]。

脂肪肝が原因で起こりやすい肝炎の怖さ、知ってる?

脂肪肝が原因で起こる肝炎には、非アルコール脂肪性肝炎とアルコール性肝炎の2種類があります。非アルコール脂肪性肝炎は、過食・運動不足・肥満・糖尿病・脂質異常症などを伴う脂肪肝が原因となって発症し、アルコール性肝炎は日頃から飲酒する習慣がある人が大量に飲酒をした後に発症し、多くの場合、食欲不振・だるさ・発熱がみられます。肝臓は痛みを出さない臓器ですが、アルコール性肝炎の場合は肝臓が張れとともに右上腹部に痛みが出現し、黄疸も見られ、尿の色が紅茶色になります。ひどくなると腹水とむくみも出現する場合もあるようです。両者ともに、放置すると肝硬変や肝臓がんに至ってしまう場合があるため、重症化しないように生活習慣の改善に取り組むことが大切です[2, 3]。

脂肪肝になる前にできる生活習慣改善の3つのポイント

記事画像

脂肪肝には生活習慣が大きく関わっています。そこで、特に気を付けたい生活習慣における3つの改善ポイントを解説します。

(1)低カロリー食にする

肥満の方は、まずは体重を落とすことを目標にしましょう。減量のためには、食事のカロリーを意識することが大切です。脂質や糖質を多く含む食品は高カロリーになりがちなので、主食の大盛りやおかわりをやめ、おかずは揚げ物など脂っこいものを避け、菓子類を減らしましょう。飲み物にも意識を向けるのが大切で、ジュースや炭酸飲料などの甘い飲み物を飲む習慣がある方は、無糖のお茶類を選ぶようにすることをおすすめします[3]。

(2)肉類中心の食生活を魚類中心に切り替える

お肉が好きでよく食べるという方は、なるべく魚中心の食事に切り替えてみましょう。お肉に多く含まれる飽和脂肪酸は血中コレステロールを上げる作用があるため、脂肪肝発症リスクとなる脂質異常症を予防するためになるべく控えたいものです。サバやイワシなどの魚の脂に多く含まれるEPA、DHAには、血中の悪玉コレステロールを減らす作用があるため、魚は毎日1切れを目安に積極的にとりたい食品です[4]。

(3)ウォーキングの習慣を付ける

週3〜4日、30~60分のウォーキングを1〜3ヵ月継続することで脂肪肝が改善されることが明らかにされています。運動強度は中等度(少し息が上がるが会話できる程度)以上がおすすめです。今まで運動習慣がない方が急に運動を始めると怪我をしてしまう場合があるので、まずは日常生活のなかで活動量を増やすことから始めましょう[3]。

脂肪肝は早期発見が大切、定期的な健康診断を!

症状がない脂肪肝ですが、進行すると肝硬変や肝臓がんなど怖い病気に繋がってしまいます。脂肪肝は早期発見することで進行の予防、改善ができるため、普段からお酒を飲む方やメタボリックシンドローム、糖尿病などの心配がある方だけではなく、健康な方も定期的に健康診断をするようにしましょう。

【参考文献】(すべて2022年4月3日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]厚生労働省:e-ヘルスネット|脂肪肝

[2]厚生労働省:e-ヘルスネット|アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎

[3]日本消化器病学会・日本肝臓学会:NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改定第2版)

[4]厚生労働省:e-ヘルスネット|脂質異常症(実践・応用)

【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里

記事画像

調剤薬局の管理栄養士として栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。糖尿病や高血圧などで厳しい食事制限がある方を対象に「どんな状況でも食事を楽しめるような栄養指導」をコンセプトに個別の食事サポートしている。また、管理栄養士にとって就職後スキルアップする場が少ないことを痛感し、自信を持って栄養指導をするための専門家向け通信講座を開講中。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供します。最新の健康情報を医療・健康分野の専門家が評価し、コメント付きで紹介するサービス「HEALTH NUDGE」もチェックしてみてください。

【合わせて読みたい】

本当に怖い心筋梗塞!予防する・原因になる食事とは?

更年期はコレステロールが上昇!?知っておきたい対策とは?

激痛の痛風発作を防ぐには?怖い合併症もある高尿酸血症を予防するポイント

おすすめコンテンツ

関連記事

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

戻る