2025.04.11

今すぐできる!管理栄養士が教える生活習慣病の予防法!


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生活習慣病は、早期からの予防が重要です。しかし、何から始めたら良いか分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。

実は予防は決して難しくありません。今から生活習慣を見直すことで、生活習慣病発症のリスクを大きく減らすことができます。

この記事では、今すぐできる生活習慣病の予防法について解説します。

生活習慣病ってどんな病気?

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生活習慣病とは、食事や運動、休養、喫煙などの日々の生活習慣が原因で発症・進行する病気のことです。代表的なものとして、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、がん、心筋梗塞などの循環器疾患などがあります [1]。

今日からできる!生活習慣病を予防する食事のポイント

生活習慣病は、日々の食習慣が大きく関わっています。ここでは、今すぐできる生活習慣病を予防する食事のポイントを3つご紹介します。

1. 食物繊維をしっかり摂る

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食物繊維は、血糖値上昇を抑える働きがあり、生活習慣病の一つである2型糖尿病などの予防につながる重要な栄養素です。
欧米において一日あたり24g以上の摂取で、心筋梗塞、脳卒中、2型糖尿病、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症リスクが低下すると報告されています。
厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の1日の摂取目標量を、18歳~29歳の男性では20g以上、30歳~64歳の男性では22g以上、18歳~64歳の女性では18g以上と定められています。まずは、一日当たりプラス3~4gを目標にして意識して食物繊維を摂ることが大切です。

例えば、納豆1パック(40g)には2.7g、ごぼう(50g)には2.9g、かぼちゃ(80g)には2.8gの食物繊維が含まれています。さまざまな食品を組み合わせて食べましょう。また、1回の摂取量が多い主食を玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると、手軽に食物繊維を増やせます[2,3,4]。

2. 食塩の摂取量を減らす

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日本人の高血圧の最大の原因は、食塩の摂りすぎです。食塩摂取量を1日1g減らすことで、収縮期血圧が約1mmHg強低下することが期待できます。
厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日の食塩摂取量を男性では7.5g未満、女性では6.5g未満にすることが推奨されています。
日々の食生活で減塩を意識することによって、生活習慣病の一つである高血圧を防ぐことにつながります。特に、練り物製品、加工肉、パン、麺類などには、目に見えない食塩が含まれているため、注意が必要です [3,4]。

3. 脂質の種類や量を意識する

バターやラード、肉類の脂身などに多く含まれる飽和脂肪酸を摂りすぎると、血液中のLDLコレステロールを増やし、生活習慣病に起因する心疾患発症のリスクが上がることが分かっています。
飽和脂肪酸の摂取量を減らすためには、料理に使用する油を植物性のものにしたり、野菜や全粒粉製品、豆類など、飽和脂肪酸の含有量が少ない食品を取り入れると良いでしょう。また、肉類を食べる時は、脂身を取り除くこともおすすめです。こうした工夫が、生活習慣病の一つである脂質異常症予防の第一歩です[3,4]。

有酸素運動で消費エネルギーを増やすことが大切!

肥満は、生活習慣病発症リスクを高める原因の一つです。そのため有酸素運動を習慣化し、消費エネルギーを増やすことが大切です。ここでは初心者でもすぐにできる運動について解説します。

どんな運動が効果的?

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ウォーキングやジョギングは、安全かつ手軽に取り組める代表的な有酸素運動です。日常的にウォーキングやジョギングを行い、身体活動量を増やすことで、肥満を予防することができ、血糖値を下げる力を高めたり、動脈硬化を予防したりするなど、生活習慣病の予防につながります。

糖尿病や高血圧、心血管疾患がない20~65歳の方が有酸素運動を行う場合、息が弾むくらいの強度で、1回30~60分を週2~5回行うことを目安にしましょう。

ただし、普段運動しない人が急に運動を始めると、心血管系の事故リスクが高まるため、注意が必要です。久しぶりに運動する時は、軽めの強度と短めの時間から始め、4~6週間は強度をそのままにし、徐々に時間を延ばしていくことが大切です[5,6]。

定期的に健康診断を受けよう!

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健康診断を受けることで、生活習慣病の予防意識が向上し、早期発見につながります。その結果、将来的に長期的な入院をしなくて済むというメリットがあります。

また、定期的に健康診断を受けて記録を残しておくことで、後から経年変化を把握しやすくなり、自分の体の変化が分かりやすくなります。

健康診断は、元気な時から定期的に受けるようにしましょう[7]。

できることから始めて生活習慣病の予防を!

生活習慣病の予防は、日々の小さな習慣の積み重ねが大切です。毎日の食事を健康的なものにしたり、今よりも体を動かすことから始めてみてはいかがでしょうか。できそうなことから少しずつ取り組んで、将来の健康を守りましょう。

【参考文献】(すべて2025年02月25日閲覧)※外部サイトへ遷移します。

[1] 厚生労働省:e-ヘルスネット, 生活習慣病とは?

[2] 厚生労働省:e-ヘルスネット, 食物繊維の必要性と健康

[3] 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2025年版)

[4] 文部科学省:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[5] 厚生労働省:e-ヘルスネット, なぜ全身持久力が必要なのか -健康と全身持久力の関連性

[6] 厚生労働省:成人を対象にした運動プログラム

[7] 厚生労働省:スマート・ライフ・プロジェクト, 「健診」の基礎知識

【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里

調剤薬局で栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。栄養指導を行う中で間違った健康情報に振り回されている人が多いことを実感し、危機感を感じていた。その経験から現在は、世の中の人々が間違った健康情報に振り回されることなく、正しい健康情報を入手できるように科学的根拠のある健康情報を分かりやすい言葉で発信するライターとして活動している。

記事提供:株式会社Wellmira

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株式会社Wellmira ※外部サイトへ遷移します。

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