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2022.04.08

激痛の痛風発作を防ぐには?怖い合併症もある高尿酸血症を予防するポイント


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健康診断で尿酸値が高いと言われたことはありませんか?自覚症状が少ない高尿酸血症ですが、放置していると激痛の痛風発作を起こしてしまう可能性があります。高尿酸血症は、遺伝的素因に加えて生活習慣が大きく発症に関与する生活習慣病の1つとされているため、予防のためには、食習慣や運動習慣をはじめとした生活習慣の見直しが大切です。

そこで今回は、痛風発作を起こさないために知っておきたい基本情報や、今すぐできる食事や運動の改善点について解説します。

痛風発作はなぜ起こるの?

そもそも痛風発作の原因となる高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態を言います。尿酸値が高いだけでは自覚症状はありませんが、進行すると尿酸が関節や足先などに蓄積してしまい、その部分に炎症が起こることで風が吹くだけでも痛いと言われる激痛の痛風発作が起こるのです[1]。

尿酸値が上がってしまう原因とは?

尿酸値の上昇は、体内で尿酸に代謝されるプリン体と関係があります。プリン体は、ビール、魚卵、肉類、魚類などに多く含まれていて、このプリン体が多く含まれている食材の摂取量が多い方は尿酸値が上がりやすい傾向にあります。

また、肥満傾向の方や飲酒習慣がある方は尿酸の排泄が抑制されるため、高尿酸血症のリスクが高まります[1, 2]。

高尿酸血症の男女差と、本当に怖い合併症とは?

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実は、高尿酸血症や合併症の発症には男女差があるのをご存知でしょうか。男性に多いイメージがあるかと思いますが、実際にそのイメージ通り男性の方が発症しやすい傾向があります。ただし、女性だからと言って安心はできません。尿酸値は女性ホルモンによってコントロールされているため、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後には女性も注意が必要です。

高尿酸血症を放置すると、痛風発作が起こるだけでなく、腎結石、尿路結石、肥満、高血圧、脂質異常症、高血糖などを合併しやすくなります。

このような怖い合併症を起こさないためには、日頃の食事習慣や運動習慣を見直し、発症の予防に努めていきましょう[1, 2]。

尿酸は排泄することも重要!簡単にできる食事改善の4つのポイント

次に、高尿酸血症を予防するための食事改善のポイントを4つ紹介します。高尿酸血症を予防するためには、食品に含まれるプリン体の摂取量を減らすことも大切ですが、体の外に尿酸を排泄することにも目を向けていきましょう[3, 4]。

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(1)食べ過ぎない

食べすぎによる肥満は、体内でのプリン体の合成を促進して排泄を抑制してしまいます。肥満ではない方も、日頃から腹8分目を意識して食べすぎないことが大切です。特に肥満体型(BMIが25以上)の方は、なるべく早く25未満になるように減量しましょう。

※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

(2)プリン体が多い食材を制限する

プリン体は、肉類、魚卵や魚類などさまざまな食品に含まれています。厳密にプリン体の摂取を制限するのは難しいので、肉食が多くならないように注意し、特に動物の内臓や肉汁はとり過ぎないようにしましょう。まずは、あん肝、鶏レバー、白子、カツオなど特にプリン体含有量が多い食材を制限する程度で大丈夫です。

(3)アルコールを制限する

アルコール自体にプリン体は含まれていませんが、アルコールをとり過ぎると体内の尿酸の産生量が多くなるのと同時に排泄を抑制してしまう可能性があります。また、おつまみとして、プリン体が多く含まれる動物性食品の摂取量が増えることや、飲酒により食欲が増して食べ過ぎた結果、肥満になりやすくなる可能性があるため、適正量の飲酒量を守ることが大切です。1日の目安量としては、日本酒1合、ビール500mL、ウイスキーダブル1杯(60mL)までとして週に2日以上を休肝日にすることをおすすめします。

(4)水分をしっかり摂る

水分をしっかり摂取して尿量を増やすことで尿酸の排泄を促進できます。1日の水分摂取量は、水やお茶などを2L以上飲むことを目標としますが、糖分の多いジュース、牛乳、アルコール飲料を水代わりに飲むことはおすすめしません。

尿酸値が上がる運動があるって本当?おすすめの運動法について解説

実は、運動が尿酸値を上げてしまうことがあります。どんな運動かというと、短い時間に大きな力を発揮する短距離走などの無酸素運動です。無酸素運動は尿酸の産生に繋がり、尿酸値が高くなってしまうことがあるのです。尿酸値が既に高い方が運動する場合は、筋肉への負荷が比較的軽い有酸素運動を取り入れるようにしましょう。

おすすめの有酸素運動は次のようなものです[1,5]。

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まとめ

高尿酸血症は、自覚症状が少なく気がつくのが遅くなってしまう場合があります。激痛の痛風発作を経験する前に定期的に健康診断を受けて食事改善、運動習慣改善を意識していきましょう。

【参考文献】(すべて2022年3月8日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]厚生労働省「e-ヘルスネット|高尿酸血症」

[2]日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」

[3]厚生労働省「e-ヘルスネット|アルコールと高尿酸血症・痛風」

[4]厚生労働省「e-ヘルスネット|高尿酸血症の食事」

[5]厚生労働省「e-ヘルスネット|エアロビクス / 有酸素性運動」

【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里

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調剤薬局の管理栄養士として栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。糖尿病や高血圧などで厳しい食事制限がある方を対象に「どんな状況でも食事を楽しめるような栄養指導」をコンセプトに個別の食事サポートしている。また、管理栄養士にとって就職後スキルアップする場が少ないことを痛感し、自信を持って栄養指導をするための専門家向け通信講座を開講中。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供します。最新の健康情報を医療・健康分野の専門家が評価し、コメント付きで紹介するサービス「HEALTH NUDGE」もチェックしてみてください。

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