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2020.03.13

啓蟄(けいちつ)/生命が活発に動き始める季節、1日5分の休息時間を


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体温調整が難しく、体調をくずしやすいとき

3月5日~3月20日は啓蟄(けいちつ)、冬ごもりをしていた動植物が、春の気配を感じて土の中から出てくる時期とされています。桃の花が咲くとともに、ひと雨ごとにあたたかくなり、春へと近づいていきます。

「三寒四温」といわれるように、あたたかい日と寒い日が交互に訪れるため、体温調整がとても難しい時期です。体温調整は自律神経が行っていることから、自律神経機能が低下している人は、調子をくずしやすくなります。さらに、自律神経機能は免疫機能と密接に関係しているので、アレルギー、特に花粉症が悪化しやすい時期ともいえます。

前かがみでの肩回しを習慣に

そんなこの時期、からだの土台を耕す意味でも、肩回し運動を行いましょう。足を肩幅に開き、からだを前に曲げます。ひじを90度に曲げた状態で、ひじを回します。後ろから肩の上を通って前にグルグル10回~20回程度を目安に。初めはゆっくりと回し、少しずつスピードを早めていきましょう。そして、最後に両ひじを左右に開いて胸筋を開き、肩甲骨をキュッキュッキュッと閉めます。肩甲骨の間には褐色脂肪細胞と呼ばれる脂肪燃焼効率がよく、からだをあたためてくれる細胞があるので、ダイエットにも効果的といわれています。仕事前や運動前など、毎日習慣として行いましょう。

肩甲骨 ※外部サイトに遷移します

褐色脂肪細胞 ※外部サイトに遷移します

1日5分は頭を空っぽに

啓蟄を乗りきるためのおすすめのツボとして、「陽陵泉(ようりょうせん)」があります。陽陵泉は、ひざの外側下にある骨の出っぱりのすぐ下のへこみです。足のむくみや腰痛、ひざ痛などの改善に用いられるツボで、筋肉の緊張をゆるめ、からだ全体のバランスを改善してくれます。陽陵泉を5〜10秒程度、ここちいい程度に圧迫してみましょう。

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啓蟄はいろいろなものが活発に動く時期だけに、心もからだも疲れやすいのが特徴です。疲れは、体力を消耗するだけでなく、気力まで消耗してしまいます。新しい季節のスタートですから、心身ともに休息をとり、しっかり営気を養うようにしましょう。からだを休めていても、仕事や家事のことを考えたり、悩みごとがあったりしては、リラックスの意味がありません。1日5分でもよいので頭を空っぽにし、余計なことを考えないことが何よりも大切です。

営気 ※外部サイトに遷移します

伊藤和憲(いとうかずのり)

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鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。

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提供元:啓蟄(けいちつ)/生命が活発に動き始める季節、1日5分の休息時間を|ワコール ボディブック

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