2024.08.26
睡眠不足は生活習慣病リスクを高める?!不眠を招くNG行動3選
何かと忙しい現代人、シフトワークや通勤、ネットゲームや動画視聴などで睡眠時間を削ってしまうという方も多いのではないでしょうか。そのような生活を繰り返していると陥ってしますのが睡眠不足。今回は、そんな睡眠不足が引き起こす健康リスクと、ついやってしまいがちな睡眠不足に陥るNG行動について詳しく解説していきます。
日本人は世界一、睡眠不足?!
国際的に比較すると、日本人の睡眠時間は男女ともに短く、特に子どもたちや就労者は世界で最も睡眠時間が短いとされています。睡眠は日々の疲れをとり、身体の回復を行うために重要なのは周知の事実ですが、実は睡眠不足が続くと、それ以上に大変な事態になりかねません[1]。
睡眠不足は生活習慣病のリスクを増大させる
慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下、記憶力減退などメンタル面が落ち込むだけけでなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも影響を及ぼすことがわかっています。
質の悪い睡眠や、慢性的に十分な睡眠が取れないことが続くことで、生活習慣病のリスクを増大させ、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことも明らかになっているのです[1]。
睡眠不足を招くNG行動3選
睡眠不足は、日々の生活習慣に深く関係しています。ここでは睡眠に関わる食行動をポイント3つに絞ってご紹介します[2]。
(1)朝食の欠食
エネルギー不足により日中の活動が低下すると、夜の睡眠に影響を及ぼす可能性があります。朝食は簡単なものでもよいので、脳のエネルギー源となるご飯やパン、果物といった糖分を摂ることが望ましいでしょう。体内時計を整えるためにも時間を決めて、規則正しく食事を摂ることをおすすめします[2]。
(2)カフェインの摂取量と時間
コーヒーや紅茶、緑茶、コーラやエナジードリンク、チョコレートなどには、カフェインが含まれているため覚醒作用があります。特にエナジードリンクは缶や瓶1本あたりに、コーヒー2〜3倍量のカフェイン含むため、飲む量にも注意が必要です。睡眠を妨げないためにも、カフェインを含むものは就寝の5〜6時間前から控えた方がよいでしょう。就寝前はカフェインレス(カフェイン量が少ない)やノンカフェインの飲み物を選ぶのがおすすめです[2,3]。
(3)アルコールの摂取時間
アルコールは、眠りにつくまでの時間を早めてくれるため、寝酒として用いる人もいるのではないでしょうか。就寝前に限らず、就寝6時間前に飲んだアルコールは睡眠後半部分に目覚めるリスクを上げてしまうのです。改善策として、飲む量を減らす、飲酒日を減らす節酒を心がけると良いでしょう[1,4]。
食事以外で取り組めることは?
よく眠るためには、日常生活の改善も必要です。すぐに取り組めることを、5つのポイントに絞ってお伝えします。
・規則正しい生活を送る。
・日中に活動して、昼と夜のメリハリを作る。
・ライフスタイルに合わせて運動習慣を取り入れる。
・入浴は就寝の2-3時間前が理想的。
・夜の照明は明るくせず、暖色系の蛍光灯を用いる[2]。
睡眠に疑問を感じたら相談を!
長い期間、睡眠不足な状態を放っておくと、心身の健康リスクが大きくなります。睡眠状態に不安を感じたら、かかりつけ医や専門医に相談することもよいでしょう。睡眠ぐらい、と軽視せず、健やかな身体と精神を保つためにも眠ることを大切にしてみてください[1] 。
【参考文献】(すべて2024年7月4日閲覧)※外部サイトに遷移します
[1] 厚生労働省: e-ヘルスネット, 睡眠と生活習慣病の深い関係
[3] 厚生労働省: 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
【プロフィール】管理栄養士 橋本 牧子
結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士の資格を取得。乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教室の講師など幅広く活動する中で、科学的根拠の乏しい健康情報が世の中に多いことに問題意識を持ち、確かな情報を広く発信すべくヘルスケアライターとして活動をはじめる。生活習慣病や女性の健康を得意とし、現在までに数多くのコラムを執筆している。料理撮影やレシピ開発の実績も豊富。
記事提供:株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。
株式会社Wellmira ※外部サイトに遷移します
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