2024.04.15
世界で話題!超加工食品と健康の気になる関係を管理栄養士が解説
何かと忙しい毎日の中で、インスタント食品や菓子パンなど手軽にお腹を満たせる加工食品はとても便利で、活用している方も多いのではないでしょか。もしかしたら、1日3食を、カップ麺やレトルト食品などの加工食品に頼っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
その利便性から現代人の食生活には欠かせなくなりつつある加工食品ですが、近年の研究により私たちの健康に深く関わっていることが明らかになっているのです。皆さんも、加工食品ばかり食べていたら体に悪そう…というイメージをお持ちではありませんか?
この記事では、近年の市場拡大とその健康影響から注目されている “超加工食品”と呼ばれる特に加工食品の中でも加工度が高い食品にフォーカスをして管理栄養士が解説します。
今話題の“超加工食品”とは?
“超加工食品”とは、ブラジルの研究者が開発した食品分類方法 “NOVA分類” によって定義された、工業的に5種類以上の原料を配合して製造された食品のことです。家庭での調理では使われないか、使われることが稀な人工的な食品添加物が含まれている特徴があります。加工食品の中でも特に加工度が高いことから、“超加工食品”とよばれるのです。
NOVA分類は、次の表のように食品を4つのグループに分類します。超加工食品は、このうちグループ4に該当します[1]。
“超加工食品”の具体例はコレ
近年の世界的な統計では、新たに作られ消費される超加工食品の種類と量が大幅に増加しているのです。その多くは私たちの食生活に浸透しています。では、どんな種類があるのか確認してみましょう。
具体的な食品例を見ても明らかなように、“超加工食品”は、糖分、塩分、脂肪分を多く含む特徴があります[1]。
“超加工食品”たくさん食べると何が起こるの?
上記に示した通り、超加工食品は糖分や塩分、脂肪分を多く含むことから、様々な生活習慣病のリスクを高めることが懸念されており、近年、超加工食品の増加に伴い、世界中で数多くの研究が行われています。
2016年〜2022年までの間に発表された、17の論文から822,213人のデータをまとめた研究では、“超加工食品”を摂取することにより、高血圧、糖尿病、脂質異常症のリスクが増加するとの結果が示されていました。
その他にも、2009年〜2022年までの間に発表された17の論文から38,551人のデータをまとめた研究では、“超加工食品”の摂取量が多いほど、抑うつ症状および不安症状の割合が高くなることが報告されています。このことにより“超加工食品”の摂取量の多さはメンタルヘルスに影響を与える可能性があると危惧されています[1-3] 。
“超加工食品” を避けるための置き換え食品は?
食べすぎることによる健康被害が懸念されている“超加工食品” 。今の食生活の中で多く食べている習慣がある方は少しでも減らす努力をしたほうが良さそうです。そこで、簡単に取り入れられる置き換え例をご紹介します。
食習慣の改善は日々の取り組みから
様々な超加工食品の普及は、私たちの生活を便利で豊かなものにしてくれていますが、その一方で健康への影響は無視できないものです。まずは1食からでもなるべくより良い食事の選択ができるよう、無理なく小さなことから取り組むことが食生活改善のポイントです。歳を重ねても、健康で過ごせる心身であるために、今日からぜひ意識を向けてみてください。
【参考文献】(すべて2024年2月21日閲覧)※外部サイトに遷移します
[1] CA Monteiro, et al.:NOVA. The star shines bright, World Nutrition 7(1-3):28-38
【プロフィール】管理栄養士 橋本牧子
結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士の資格を取得。乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教室の講師など幅広く活動する中で、科学的根拠の乏しい健康情報が世の中に多いことに問題意識を持ち、確かな情報を広く発信すべくヘルスケアライターとして活動をはじめる。生活習慣病や女性の健康を得意とし、現在までに数多くのコラムを執筆している。料理撮影やレシピ開発の実績も豊富。
記事提供:株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。
株式会社Wellmira ※外部サイトに遷移します
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