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2024.03.14

春眠暁を覚えず!?睡眠の質を下げない食事の摂り方を知って快眠を手に入れよう!


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暖かい陽気に誘われて、気分も高まり活動的になる春。
「春眠暁を覚えず」という言葉があります。この意味は、春の夜の気候は心地よく、ぐっすり眠ってしまい夜が明けたのも気づかないほどつい寝過ごしてしまうというものだそうです。
睡眠は健康にとても重要な役割を担っていることがわかっていますが、毎日快眠できていますか。もしそうでないなら、睡眠の質を低下させてしまうNGな食事のとり方をしてしまっているかもしれません。

この記事では、快眠を得るための食事のとり方を管理栄養士が紹介します。

睡眠不足が引き起こす影響とは?

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人生の3分の1を眠って過ごす私たち。質の高い睡眠は、心身の休養のために欠かすことができません。しかし、現代人の生活は、シフトワークの増加や長時間通勤・インターネットなど睡眠の変調をきたす要因で溢れています。睡眠の質が悪いと、生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、さらには症状を悪化させることがわかっているのです[1,2]。

睡眠と食事のとり方には、関係があるの?

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はじめに、睡眠と食事のとり方に関連した研究があるか調べてみました。その結果、カフェインと、たんぱく質の摂取に着目した研究が複数行われていました。研究結果を見ると、睡眠と食事のとり方には、少なからずとも関係があるようです。それぞれについて、詳しくみていきましょう。

カフェインは、睡眠の質を下げてしまうの?

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睡眠を妨げる食品としてよく知られているのが、コーヒー・緑茶・チョコレートなどに含まれるカフェインです。カフェインの摂取が夜間の睡眠の特性に与える影響に関しては、数多くの研究で検討されています。これまでに行われた24の研究の結果をまとめた研究によると、カフェインを摂取するとその後の総睡眠時間や睡眠効率が損なわれる傾向があることが報告されています。さらに就寝時間近くに大量のカフェインを摂取すると、睡眠時間がより大きく減少することがわかっているのです[3,4]。

たんぱく質は、睡眠の質を向上させる?

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最近、巷で睡眠の質との関連が注目されているのが“たんぱく質”です。
「たんぱく質を多くとると睡眠の質が高まる」と噂されていますが、果たして本当なのでしょうか。

たんぱく質と睡眠の研究を見てみましょう

2013〜2018年の間に発表された19の論文から8カ国の約8.6万人のデータをまとめた研究があります。
睡眠が良好な人は、睡眠が不十分な人と比較して、たんぱく質(*)からとるエネルギーの割合が高く、炭水化物(*) と脂質(*) の両方からのエネルギーの割合が相対的に低い食事パターンとなっています。このことにより、総エネルギーに対してたんぱく質の割合が多い食事は睡眠の質に良い影響を与える可能性があることが見出されました。

(*) たんぱく質、炭水化物、脂質とは?
たんぱく質…主に、肉や魚介類、卵や大豆、大豆製品、乳製品に含まれる。
炭水化物…主に、ご飯やパン、麺類の他に芋類にも含まれる。
脂質…主に、油脂類や肉の脂、乳製品類に含まれる。

どうしてたんぱく質が睡眠に影響を与えるの?

たんぱく質を多くとると睡眠の質が向上するのは、たんぱく質に含まれるトリプトファンというアミノ酸の影響ではないかと考えられています。トリプトファンは、必須アミノ酸の1つで、体内では合成できないため食事からとることが必要です。神経伝達物質のセロトニンとメラトニンの元となり、睡眠と覚醒のサイクルに関わっています。

結局、快眠のためにはどうしたらいいの?

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現在では、様々な睡眠に良いとされる健康食品(機能性食品やサプリメントなど)が販売されています。しかし、現時点ではそのような健康食品からたんぱく質やトリプトファンを普段よりも多くとったからっといって、睡眠の質が改善するかどうかは明らかにされていません。たんぱく質ばかりを意識してとりすぎないように注意が必要です。バランスよく必要な量が不足しないようにとることを意識しましょう[5,6]。
また、今回ご紹介したカフェイン以外に、就寝前の喫煙もニコチンが刺激となり睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性がありますので、なるべく控えたほうが良いでしょう。まずは、日頃の食事全体の質を見直し、睡眠を妨げる生活習慣を見直すことが、快眠への近道になります。

【参考文献】(すべて2024年1月23日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1] 厚生労働省: e-ヘルスネット, 健やかな眠りの意義

[2] 厚生労働省: e-ヘルスネット, 睡眠と生活習慣病

[3] 厚生労働省: e-ヘルスネット, 快眠と生活習慣

[4]Carissa G, et al. The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis. 10.1016/j.smrv.2023.101764

[5] Clarinda N S, et al. Association of Sleep Quality and Macronutrient Distribution: A Systematic Review and Meta-Regression. Nutrients 2020, 12(1), 126

[6] 文部科学省: 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版」

【プロフィール】管理栄養士 橋本牧子

結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士の資格を取得。乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教室の講師など幅広く活動する中で、科学的根拠の乏しい健康情報が世の中に多いことに問題意識を持ち、確かな情報を広く発信すべくヘルスケアライターとして活動をはじめる。生活習慣病や女性の健康を得意とし、現在までに数多くのコラムを執筆している。料理撮影やレシピ開発の実績も豊富。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、「世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る」をモットーに、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供しています。

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