2024.02.13
今こそ知りたい本当のこと!食事による花粉症対策ってできるの?
これからの時期、花粉症が心配になってきた方も多いはず。ネット上には“花粉症にいい食べ物”のような情報が溢れていますが、本当に食べ物で花粉症の予防・改善はできるのでしょうか。
今回は、食事で花粉症をはじめとするアレルギー症状は緩和できるのか?について管理栄養士が解説します。
そもそも花粉症とは?
花粉症には、免疫機能が大きく関わっており、本来は人体に無害の花粉が体内に異常をもたらすことで起こります。体内に入った花粉を異物と認識し、この異物に対して身を守る機能を作り、再度侵入した花粉を排除しようとする反応が起こるため症状が出るのです。くしゃみや鼻水、涙などの症状が強く出るため、日常生活に支障をきたすこともあります。
日本国内で花粉量が圧倒的に多いのがスギ、ヒノキです。飛散する時期は、地域によって多少の違いはありますが、春が中心となり、秋にも少量の花粉が飛散することがあります[1]。
花粉症に効果的な食べ物って本当にあるの?
世間では、○○○は花粉症に効く!といわれている食品もありますが、これまでに公表されている研究論文を調べたところ、花粉症だけにスポットを当てた研究はほとんどなく、現時点では、花粉症の予防・改善に対してエビデンスのある食品はありません。
当たり前ではありますが、食品は薬とは違い、薬のような即効性は持ち合わせていないことは忘れてはいけません。
では、食品に期待されていることは何なのでしょうか?
直接、花粉症に効果的ではないですが、そもそもの免疫が正常に機能することについては、食品が助けになることがあります。
免疫機能を正常に保つためには、どうしたらいいの?
まだ研究が進んでいる最中ではありますが、腸内細菌が免疫に関わっていることが明らかになりつつあります。
花粉症の主な症状の1つであるアレルギー性鼻炎に関する研究によると、アレルギー性鼻炎を患う57人の成人患者と、アレルギーのない23人の成人を比較したところ、アレルギー性鼻炎を患う成人患者の腸内細菌叢(腸内フローラ)の多様性が減少し、重要な微生物群の存在量が変化していたことが明らかにされました。
まだ研究数は少ないですが、腸内細菌叢(腸内フローラ)が花粉症を含むアレルギー性鼻炎に関わっている可能性が見出されてきています[1,2]。
腸内細菌のうち、乳酸菌をはじめとした善玉菌は免疫機能と深い関わりを持っていることが分かっています。善玉菌を増やすためには、そのエサとなるオリゴ糖や食物繊維を多く含む、野菜類・果物類・豆類・きのこ類を食生活にとり入れることを意識すると良いでしょう[3]。
日頃からの心がけが花粉症改善の鍵
巷には、花粉症にいいと言われる食品やサプリメントはたくさん出ていますが、そこに惑わされてはいけません。日頃からの食生活が重要であることが、最新の研究でわかっていまますので、今一度ご自身の食生活を見直すきっかけにされてはいかがでしょうか。
【参考文献】(すべて2023年12月22日閲覧)※外部サイトに遷移します
[1] 環境省: 花粉症環境保健マニュアル2022 (令和4年3月改訂)
【プロフィール】管理栄養士 橋本牧子
結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士免許を取得。主に、料理の撮影やレシピ開発、その他に乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教育の講師を務める中で、科学的根拠の乏しい情報が多いことに気づき、ヘルスケアライターとして科学的根拠に基づいたコラム執筆に活動を移す。現在までに、数多くのコラムを執筆。生活習慣病や、女性の健康を得意としている。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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