2024.07.16
いつまでも自分の足で歩くために、足腰を鍛える運動を徹底解説!
歳をとっても自分の足を使って元気に歩きたいと思っている方は多いのではないでしょうか。いつまでも自分の足で歩くためには、足腰が健康であることが大切です。ここでは、足腰を鍛える運動法について解説します。
自分の足で歩けなくなる原因って何?
自分の足で歩けなくなる原因はさまざまありますが、近年、サルコペニアとロコモティブシンドロームが特に注目されています。いつまでも自分の足で歩くためには、運動を習慣化してサルコペニアとロコモティブシンドロームの予防をすることが大切です[1,2]。
サルコペニア
サルコペニアとは、加齢により筋肉の量が低下し、筋力や身体機能(歩行速度など)が低下した状態のことです。サルコペニアの最大の要因は加齢ですが、運動不足や疾患、低栄養も危険因子であることが分かっています[1]。
ロコモティブシンドローム
サルコペニアは筋肉量の減少が原因ですが、ロコモティブシンドロームは筋肉のみではなく、骨や関節などを含む運動器の障害により、立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態のことを言います。日常生活に影響がなくても、気が付かないうちにロコモティブシンドロームになっていたり、すでに進行している場合が多くあるのです[2]。
自分の足で歩き続けるために今すぐできるおすすめの運動
ここでは、運動初心者でも比較的取り組みやすい自分の足で歩き続けるためのおすすめの運動をご紹介します。
1. ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動
サルコペニアの予防にはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が重要であることが分かっています。有酸素運動とは、酸素を利用し、体内の糖質や脂質をエネルギー源とする負荷が軽い運動のことです。有酸素運動は1回30分、息が弾むくらいの強度で週2〜5回行うと良いでしょう[3,4,5]。
2. レジスタンス運動
有酸素運動に加えて筋肉に負荷をかけて標的の筋肉を直接鍛えるレジスタンス運動を行うことも大切です。レジスタンス運動により、サルコペニアによる筋肉の委縮の程度をおおむね1/3程度に抑えることができると言われています。膝への負担が少なく、安全に足腰を鍛えるためにとくに推奨するトレーニング法は、椅子から立ち上がって座る”椅子スクワット”です。足を前方に振りだす腿あげ運動も合わせるとさらに筋力を鍛えることができます。
レジスタンス運動は、8〜12回、2〜4セットを、週2〜3回を目安に行うと良いでしょう[3,5,6]。
3. ストレッチ
ストレッチは、直接足腰を鍛える運動ではないですが、筋肉や関節の柔軟性を高めることを目的にした運動であるため、怪我の予防が期待できます。
効果的なストレッチをするためには、時間は最低20秒、伸ばす筋や部位を意識し、呼吸を止めずに痛くなく気持ち良い程度に伸ばすことが大切です。
足腰を鍛えるためにはストレッチを単独で行うより、有酸素運動やレジスタンス運動などと併せて行うと良いでしょう[7,8]。
運動をする際に意識したい3つのこと
運動を行う際には気を付けないといけないことがあります。ここでは、足腰を鍛えるための運動をする際に特に大切な3つのポイントをご紹介します。
1.安全第一で行う
運動は、やりすぎると筋肉の損傷や循環器系の合併症を引き起こす可能性があります。今まで運動習慣が無い場合は、自分の健康状態の確認をしてから、現在の日常生活での身体活動強度に合わせて比較的強度が高くない運動から始めることが大切です[9]。
2.水分補給を忘れずに
運動習慣が無い方が急に激しい運動をすると身体の中の水分が不足しやすくなってしまいます。脱水状態は、熱中症、脳梗塞、心筋梗塞等のリスクとなるため、喉が渇いたと感じる前にこまめな水分補給をするようにしましょう[9]。
3.諦めないで続ける
足腰を鍛えていつまでも自分の足で歩くためには、運動を継続することが大切です。運動をする時間が取れない場合は、日常生活の中でなるべく階段を使うようにするなど毎日身体を動かすことを心がけましょう。
いつまでも自分の足で歩くために運動習慣をつけよう!
いつまでも自分の足で歩くために大切な運動についてお分かりいただけたでしょうか。運動を安全に効果的に行うためには、本格的に運動を始める前に自分の健康状態を知ることも大切です。
まずは、自分の健康状態を把握し、今までよりも活動量を増やすことから始めると良いでしょう。
【参考文献】(すべて2024年05月16日閲覧)※外部サイトに遷移します
[2]公益社団法人日本整形外科学会, ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは
[3]厚生労働省:e-ヘルスネット|QOLの維持・向上に大切な筋肉は?
[4]厚生労働省:e-ヘルスネット|エアロビクス / 有酸素性運動
[6]厚生労働省:e-ヘルスネット|安全かつ効果的に「足腰」を鍛える方法
[9]厚生労働省:e-ヘルスネット|運動実施時のけが・事故の予防と対策
【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里
調剤薬局で栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。栄養指導を行う中で間違った健康情報に振り回されている人が多いことを実感し、危機感を感じていた。その経験から現在は、世の中の人々が間違った健康情報に振り回されることなく、正しい健康情報を入手できるように科学的根拠のある健康情報を分かりやすい言葉で発信するライターとして活動している。
記事提供:株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。
株式会社Wellmira ※外部サイトに遷移します
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