2023.09.04
今年も健康診断がやってくる!メタボと言われる前にできること
毎年の健康診断が憂鬱だと感じていませんか?
体型や体重が気になっていると、結果にヒヤヒヤして健康診断の前は落ち着かないという方も多いようです。
今回は、今後の健康診断でメタボリックシンドローム(以下メタボ)と言われないために、どうすれば良いのかを解説します。
“メタボ”と診断されるのはどんな場合?
メタボとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。
40歳以上になると、メタボの条件に該当するかを診断する”特定健康診査(通称”メタボ健診”)を受診するよう、定められています。
メタボは、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上であるかたが対象で、次の①~③に1つでも該当するとメタボ判定されます。
1 空腹時血糖が100mg/dl 以上またはHbA1c(NGSP値)6.0%以上
2 中性脂肪150mg/dL以上、又はHDLコレステロール40mg/dL未満
3 血圧が収縮期130mmHg以上、又は拡張期85mmHg以上
また、腹囲に問題がなくてもBMIが25㎏/㎡以上かつ①~③に1つでも該当するとメタボ改善指導の対象となります。
腹囲を用いているのは、お腹の内臓に脂肪がたまる内臓脂肪蓄積が、血圧や血糖、血清脂質異常に影響しており、それらが心筋梗塞、脳梗塞などへ進むことや重症化に関係していると考えられるためです[1]。
“メタボと言われる前にできること
健診前だけ食事を抜くなど無理なダイエットをしていませんか?それは一時的な対策に過ぎず、体調を崩してしまう恐れもあるのでおすすめできません。
食事、運動を含めた生活習慣の改善は、日々の生活の中で継続することが大切です。メタボ改善のための減量は、現在の体重から3~6か月で3%以上(例えば体重60kgのかたなら1.8kg)の減少を目安にするとよいでしょう[2]。
メタボにならないためのお悩み別アプローチ
では、食事や運動でどのようなことに気をつけると、気になる検査項目の改善につながるのでしょうか。以下の中から、まずはできそうなことを見つけて始めてみましょう。
(1)血圧が気になる方
塩分(ナトリウム)の過剰摂取は血圧を高める原因の1つです。食事では、まず減塩を意識しましょう。料理を薄味にする際にはお酢や柑橘類、香辛料を活用することで満足感が高まります。また、麺類を食べる習慣がある方はスープを残すことを意識するのも良いでしょう。野菜や果物には血圧を下げる働きをもつカリウムが多く含まれます。野菜を毎食食べること、果物を1日当たりバナナ中サイズ1本、リンゴ中サイズ半分程度を目安に食べることも意識してみましょう。
運動は、有酸素運動(速歩、スロージョギングなど)を毎日30分以上、または週に180分以上取り組むようにするとよいでしょう [3]。
(2)血糖が気になる方
肥満の方は体重を今より3%程度減らすことで、インスリン(血糖を下げるホルモン)の働きが改善する可能性があります。
食事では、野菜を先に食べ、肉・魚などメインのおかずを食べ、その後に主食の炭水化物を食べることや、よく噛んで食べることで食後の血糖値の上昇をおだやかにすることができます。運動は1日の歩数8,000歩を目安にし、実施するタイミングは、特に食後に行うと食後の高血糖状態が改善されます[4]。
(3)中性脂肪やコレステロールが気になる方
食事では、炭水化物やアルコールを多くとり過ぎないようにしましょう。特に、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は、牛脂、ラード、バターといった肉の脂身や動物性の脂のとり過ぎが影響します。それらを控え、野菜、大豆・大豆製品をとるようにしましょう。
運動は、ウォーキングや水泳などの有酸素運動を週3日以上(1日合計30分以上)、または週に150分以上行うとよいでしょう[5]。
メタボは生活習慣を見直そう
メタボ改善のために何から取り組めば良いのか、1つでも目標は見つかりましたか?
内臓脂肪を減少させることで心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクや重症化を予防できると考えられています。そのためには、第一に食事、運動を含めた生活習慣を改善することで内臓脂肪の減少を目指すことがポイントです。
しかし、取り組んでみてもなかなか成果が得られない場合や、健診結果で指摘があれば医療機関を受診するようにしましょう。
毎年の健康診断は自分の健康状態を客観的にチェックできるチャンスです。まずはどんなに憂鬱であっても、欠かさずに受けるようにしましょう。
【参考文献】(すべて2023年7月15日閲覧) ※外部サイトに遷移します
[1]厚生労働省:特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4版)
[2]日本肥満学会:肥満症診療ガイドライン2022
[4]日本糖尿病学会:糖尿病診療ガイドライン2019
[5] 日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
【プロフィール】管理栄養士 望月麻衣子
管理栄養士取得後、幼児の食事から高齢者の介護食まで各ライフステージの栄養食事指導を経験。現在は、中学受験合格を目指す親子向けに食べる脳トレで差をつけていく育脳食サポート、成人の方を対象に特定保健指導(メタボ改善指導)をしている。
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記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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