2022.11.21
中性脂肪の数値が高いと言われたら!実は糖質を摂りすぎている!?
健康診断を受けて中性脂肪の数値が高いと指摘されたことはありませんか?そのままではよくないと思っても、何から改善をしたらよいのかわからない方も多いようです。
せっかく努力をするなら、ポイントをおさえたうえで生活習慣を改善して結果につなげたいですよね。今回は、生活習慣の中でも特に中性脂肪を正常に戻すために重要な食事の見直し方を解説していきます。
中性脂肪が高いと何が問題なの?
中性脂肪は肉や魚・食用油などの食品に含まれている脂質の一種です。私たちの体内ではエネルギー源として使われますが、消費しきれずに余ってしまうと体脂肪として蓄えられます。英語ではtriglycerideと言い、健康診断の結果票には、トリグリセリドまたはトリグリセライドと書かれることもあるので、同じものであることを知っておくと良いでしょう。
中性脂肪が高いことは肥満、生活習慣病を引き起こす原因となるため注意が必要です。血液中の中性脂肪の値が150mg/dl以上になると「高トリグリセライド血症」と診断され、これはメタボリックシンドロームの診断基準の中にも組み込まれています[1,2]。
中性脂肪が高くなってしまう原因とは?
中性脂肪を下げるためには、食品から脂肪をとらないようにすればよい、と思っている人が多いようですが、中性脂肪が高くなる原因はそれだけではありません。
実は、エネルギー(カロリー)のとりすぎ、特に甘いものやお酒、果物に多く含まれる果糖などの糖類をはじめとする糖質のとりすぎも原因であることをご存知でしょうか[3]。では、糖質を減らすために意識すべきことを確認してみましょう。
糖質を減らすにはどうしたら良い?
糖質のとりすぎを防ぐための工夫にはさまざまなものがありますが、まずは日々の食生活の中で、次の3つに目を向けてみましょう。
ご飯など主食の量を調整する
食事では、まずはご飯やパン、麺類などの主食の量を見直してみましょう。ご飯の場合は、1食あたりお茶碗1杯(150g程度)を目安にし、おかわりや大盛りの習慣がある方は、なるべく控えてください。とはいえ、ご飯を全く食べないような極端な制限はNGです。なぜなら、ご飯はエネルギー源となる糖質のほか、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素も含んでいるため、やたらに抜いてしまうと栄養バランスを崩す恐れがあるからです[4]。
“主食を減らすとお腹が空いてしまって辛い”という方には、穀類や豆類、野菜、海藻類、きのこ類など食物繊維を豊富に含む食品をプラスすることをおすすめします。ご飯の種類を雑穀米にしたり、おかずとして納豆やめかぶを食べることもおすすめです [5]。
甘いものの量と種類に気をつける
糖質は、お菓子や清涼飲料水、果物などの甘いものに多く含まれています。中性脂肪が高い人は、習慣的に砂糖の入った甘い飲料を飲んでいることが多い傾向があるようです[3]。
また、果物は水分・ビタミンC・カリウム・食物繊維など健康維持に必要な栄養素の補給ができる食品ですが、食べすぎに気をつけましょう。果糖を多く含むため、とりすぎると中性脂肪を高める恐れがあります。また、ジャムや甘いシロップ入りの缶詰フルーツも同様ですから、食べ過ぎないよう注意が必要といわれています [6,7]。
アルコールの量と飲み方を見直す
お酒がお好きな方は、アルコールの過剰摂取に注意が必要です。なぜなら、アルコールは中性脂肪の増加を招き、急性すい炎のリスクを高めることがわかっているからです。1日に飲む量は、純アルコール量が1日25g以下となるようにしましょう。缶ビール500mlは1缶、日本酒(15%)は2合程度までが目安です[7-9]。
まとめ
中性脂肪は、脂質だけでなく糖質のとり方と大きく関係しているのをご理解いただけましたでしょうか。
今回ご紹介をした食事改善のほかにも、運動をすることでも中性脂肪の改善ができること、肥満の方は減量でも改善がみられるとの報告があります[3]。まずはできることから少しずつでも取り組むことが大切です。
不安なことやわからないことがある場合には、早期に医療機関を受診してかかりつけ医に相談のうえ、生活習慣の改善を進めてください。
【参考文献】(すべて2022年10月10日閲覧)※外部サイトに遷移します
[2]厚生労働省: e-ヘルスネット,中性脂肪/トリグリセリド
[5]厚生労働省:e-ヘルスネット,脂質異常症(実践・応用)
[7]日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾病予防ガイドライン(2022年版)
[8] 厚生労働省:e-ヘルスネット,アルコールと脂質異常症
【プロフィール】管理栄養士 望月麻衣子
管理栄養士取得後、幼児の食事から高齢者の介護食まで各ライフステージの栄養食事指導を経験。現在は、中学受験合格を目指す親子向けに食べる脳トレで差をつけていく育脳食サポート、成人の方を対象に特定保健指導(メタボ改善指導)をしている。
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