メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2022.09.20

骨折リスクを減らすには?今すぐはじめたい骨粗症予防


記事画像

“私は骨折したことないから大丈夫”と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、年を重ねていくと骨も衰えていき、知らず知らずに骨折しやすくなっている恐れがあります。

特に中高年は骨粗鬆症のリスクが高いため注意が必要ですが、近年では20代の女性でも骨粗鬆症となる可能性があるといわれています。そのため、中高年だけではなく若い世代も含めて日頃から骨折しない体づくりが重要です。

そこで、今回は骨折しない体をつくるための生活習慣のポイントを解説していきます。

そもそも骨粗鬆症ってどんな病気?

記事画像

骨粗鬆症とは、骨の代謝のバランスが崩れて、骨が脆くなり骨折しやすい状態になることをいいます。通常、骨は“骨芽細胞”により新しい骨がつくられ、それと同時に“破骨細胞”により古い骨が破壊されています。この骨形成と骨破壊といった骨代謝のバランスが取れているため、骨が健康な状態を維持できています。

しかし、栄養素や運動不足、閉経によるホルモンバランスの変化などの原因によって骨代謝のバランスが崩れてしまうと、骨破壊が骨形成より上回り骨量が減っていきます。この状態を放置していると、骨が脆くなり骨粗鬆症となるのです[1]。

骨粗鬆症と健康寿命は大きく関係している!その理由とは?

骨粗鬆症になると、骨折のリスクだけではなく“健康寿命”に大きな影響を与えるといわれています。健康寿命とは、病気などによって日常生活が制限されずに健康に生活できる期間のことです。

なぜ骨粗鬆症が健康寿命に影響を与えるのかというと、骨折をすることがきっかけで“寝たきり”となる恐れがあるからです。寝たきりの状態になると、1人で日常生活を送るのが難しくなり介護が必要となります。そのため、少しでも長く健康に生活するためには、骨粗鬆症を予防することが重要です[2]。

骨粗鬆症の予防には、食事や運動といった生活習慣の見直しや改善がポイントとなります。では、具体的にどのようなことに気をつければ良いのかを見ていきましょう。

骨粗鬆症を予防するための食事のポイント

骨粗鬆症を予防するためには、骨のもととなるカルシウムなどの栄養素を十分に摂取することが重要です。ただし、骨の代謝にはさまざまな栄養素が関わっているため、カルシウムを摂るだけではなく、食生活全体を見直す必要があります。次の4つのポイントをチェックしていきましょう[3]。

記事画像

(1)体重管理をする

痩せや肥満は骨折のリスクが高いことがわかってきています。まずは今の自分の体重に問題がないか確認してみましょう。体格の指標となるBMIは、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められ、18.5未満が低体重(やせ)、18.5以上25未満が適性体重、25以上が肥満となります。自分がどのぐらいの体型なのかを把握し、低体重(やせ)または肥満に該当する場合は適性体重に近づけるようにまずは体重管理をしましょう[4,5]。

(2)バランスの取れた食事にする

骨の健康を維持するためには、骨の元となるカルシウムだけではなくカルシウムの吸収を助けるビタミンDやビタミンKなどの栄養素も摂取する必要があります。そのため、食事ではさまざまな栄養素を過不足なく摂取することがポイントです。

栄養素を過不足なく摂取するためには、ご飯やパン、麺などの“主食”、肉や魚、卵、大豆がメインの”主菜”、野菜やきのこ、いも、海藻などがメインの“副菜”が揃ったバランスの良い食事を摂りましょう。また、カルシウムが多く含まれている乳製品も取り入れてくださいね[3]。

(3)リンの摂りすぎに注意する

リンはカルシウムの吸収を妨げるため、リンを含む食品のとりすぎに注意しましょう。特にリンが多く含まれている食品は、スナック菓子やインスタント食品などの加工食品です。それらの食品を多くとっている場合は、できるだけ減らして生野菜などといった新鮮なものを食事に取り入れることがおすすめです[6]。

(4)お酒はできるだけ控える

アルコールの摂取量と骨粗鬆症による骨折のリスクの関連を検証した研究によると、アルコールの摂取量が増えると骨折のリスクが高くなるようです。つまり、お酒の飲み過ぎは骨折の原因になってしまうのです。そのため、お酒はほどほどにして飲みすぎないように注意しましょう。もし、お酒を飲むなら1日あたりビールだと約500ml、日本酒だと約1合を目安にして、週に2日程度の休肝日を入れてくださいね[4,7]。

骨粗鬆症を予防するための運動のポイント

記事画像

運動すると骨が強くなることが明らかにされており、骨粗鬆症の予防への効果が期待できます。そのため、運動習慣を身につけると良いでしょう。

運動が苦手な方はウォーキングやサイクリングなどの手軽な運動から始めることをおすすめします。加齢に伴う筋力低下は、転倒の原因となり骨折を招くため、筋トレで筋力をつけることも大切です。スクワットなどの筋トレで足腰を鍛えておくと良いでしょう。ただし、いきなり過度の運動をしてしまうと骨折を招く恐れもあるため、心配な方は事前にかかりつけ医に相談してくださいね。

さらに、運動をする際に外に出かけて日光浴をすると良いでしょう。日光(紫外線)を浴びることで、皮膚ではカルシウムの吸収を助けるビタミンDが合成されます。最近ではテレワークが増えてきているため、外に出る機会が減っているかもしれません。そのため、1日に1回は外に出てウォーキングをするなどの日光を浴びる習慣を身につけることもおすすめです[8,9]。

自分の骨密度を知り、健康な骨に!

年を重ねていくと、骨が脆くなるのと同時に筋力も低下していきます。気づいた頃には“時すでに遅し”とならないよう、1日も早く骨粗鬆症予防に取り組んでいきたいですね。骨粗鬆症は自覚症状がないため日常で気づくことは難しいですが、骨の強さがわかる“骨密度”は医療機関などで調べることができます。そのため、定期的に自分の骨密度を把握して食事や運動を取り組むことが大切です。長く健康に生活していくために、できることから積み重ねて骨折しない体づくりをしていきましょう。

【参考文献】(すべて2022年8月5日閲覧)

【1】厚生労働省:e-ヘルスネット|骨粗鬆症 ※外部サイトに遷移します

【2】厚生労働省:e-ヘルスネット|平均寿命と健康寿命(2022年) ※外部サイトに遷移します

【3】厚生労働省:e-ヘルスネット|骨粗鬆症の予防のための食生活(2021年) ※外部サイトに遷移します

【4】一般社団法人 日本骨粗鬆症学会:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

【5】厚生労働省:e-ヘルスネット|BMI ※外部サイトに遷移します

【6】厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版) ※外部サイトに遷移します

【7】 Godos, et al. Alcohol Consumption, Bone Mineral Density, and Risk of Osteoporotic Fractures: A Dose-Response Meta-Analysis. Int J Environ Res Public Health, 2022 Jan 28;19(3):1515. ※外部サイトに遷移します

【8】厚生労働省:e-ヘルスネット|骨粗鬆症の予防のための運動-骨に刺激が加わる運動を ※外部サイトに遷移します

【9】厚生労働省:e-ヘルスネット|QOLの維持・向上に大切な筋肉は? ※外部サイトに遷移します

【プロフィール】管理栄養士 一ノ木菜摘

記事画像

短大を卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて、海外の論文などの情報を取り入れ科学的根拠をもとにコラムを執筆している。

公式ブログ「幸せ食ライフ|管理栄養士 一ノ木菜摘ブログ」 ※外部サイトに遷移します

Twitter ※外部サイトに遷移します

Instagram ※外部サイトに遷移します

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供します。最新の健康情報を医療・健康分野の専門家が評価し、コメント付きで紹介するサービス「HEALTH NUDGE」もチェックしてみてください。

【合わせて読みたい】

現代人の食生活は、メンタル不調になりやすい!?メンタル不調にならないための食事のポイント

低糖質ダイエットで痩せない人の3つの特徴

実は主食級?!知られざるカリフラワーの栄養パワー

おすすめコンテンツ

関連記事

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

戻る