2022.07.07
実は主食級?!知られざるカリフラワーの栄養パワー
カリフラワーは、色が白く、料理のメインに使われることが少ないイメージもあることから、あまり栄養がないのでは?と思う人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は栄養価も高く、ダイエットなどで注目されている食材だとご存知でしたか?最近ではカリフラワーライスという商品が販売されており、ダイエット中の主食の代わりとしても活用されています。
今回は、今注目されているカリフラワーについて管理栄養士が詳しく解説していきます。
そもそもカリフラワーってどんな野菜?
カリフラワーは、アブラナ科の一種で、花蕾(からい)と呼ばれる蕾の部分を食べる野菜です。同じアブラナ科のブロッコリーが突然変異したものと言われています。
カリフラワーというと白いイメージが強いですが、紫色をしている紫カリフラワー、オレンジ色をしているオレンジカリフラワー、黄緑色で一つひとつ独特の形をしているロマネスコ(イタリアの伝統野菜)など、カラフルな品種があります。
アクが強いので下茹でしてから調理するのがおいしく食べるポイントです[1]。
ダイエットに良いと言われる理由は?
カリフラワーがダイエッターに人気なのは、低カロリー、低糖質という特徴があるからです。最近注目されている“カリフラワーライス”は、カリフラワーを米粒状に細かくしたもののこと。ごはんをカリフラワーライスに置き換えるダイエット法が流行っていますが、実際どのくらいの差があるのでしょうか?
100gあたりのエネルギーと糖質を比較してみると、次の表のようになります。
エネルギーは約130kcal、糖質は約35gの差があるため、白米からカリフラワーライスに置き換えることは摂取エネルギーを抑えることにつながります。また、カリフラワーには、肥満や生活習慣病に役立つとされる食物繊維が豊富に含まれているのも嬉しいポイント。このことから、カリフラワーはダイエットに役立つ食品であると言えるでしょう[2-4]。
実はこんなに!カリフラワーに含まれる栄養
カリフラワーの栄養面での特徴は、日本人が不足しがちな栄養素であるビタミンC、カリウム、鉄が多く含まれている点だと言えるでしょう。なんと、キャベツに比べて約2倍も含まれています。それぞれの栄養素にどのような働きがあるのか、詳しくみていきましょう[5]。
ビタミンC
ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須の栄養素です。体内でビタミンEと協力して活性酸素を除去し、細胞の保護、心臓血管系の疾病予防効果が期待できると言われています。ビタミンCが不足すると血管が脆くなり、疲労倦怠、イライラ、貧血、筋肉減少などの症状がある壊血病につながる恐れがあります。
カリウム
カリウムはミネラルの一つであり、細胞内に存在し、浸透圧の維持や水分の保持、食塩摂取の過剰による血圧上昇を抑える役割を担っています。
鉄
鉄は、主に赤血球のヘモグロビンの材料となり、全身への酸素運搬に関わっています。不足すると酸素が供給できなくなり、貧血や運動機能、認知機能などの低下につながる恐れがあります。また、女性では月経による鉄の損失があること、妊娠・授乳中は需要が増えることから必要量が変わってきます。
カリフラワーは、がん予防にも効果があるって本当?
カリフラワーを含むアブラナ科の野菜には、辛味成分としてイソチオシアネートが含まれています。イソチオシアネートは、発がん物質を解毒する働きがある酵素を活性化させることがわかっており、これまでの研究でアブラナ科野菜の摂取は、がんの発症リスクが低下すると報告されています。さらに、イソチオシアネートには胃がんや胃潰瘍の原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌に対する抗菌作用があることがわかっており、治療薬として期待されています。
米国では、研究結果に基づき、アブラナ科野菜を発がん予防として高く評価していることから、国内外でも注目されている成分です[6]。
カリフラワーの栄養パワーでより健やかに!
カリフラワーは、ビタミンCやカリウムなどの栄養が含まれた野菜であり、ダイエットだけではなく、健康な体を維持するのにも役立つ野菜の一つです。
ですが、そればかり食べると栄養バランスが崩れて、かえって健康に悪影響を与える可能性があります。ダイエットをする、健康な生活を送るうえで、食事・栄養バランスを整えることは必要であるため、さまざまな食品を摂ることが大切です。
今回のお話を参考にして、カリフラワーを新たに野菜のバリエーションの一つとして加えてみると良いかもしれません。
【参考文献】(すべて2022年4月16日閲覧)※外部サイトに遷移します
[6]国立研究開発法人 農業・食品産業技術創造研究機構:野菜の機能性研究の現状と今後の研究課題, 研究資料第9号,2011; ISSN:1347-0620
【プロフィール】管理栄養士 一ノ木菜摘
短大を卒業後、精神科病院で調理、給食管理などの栄養士業務を経験し、管理栄養士の資格を取得。精神科病院や地方の総合病院で栄養管理などの管理栄養士業務を経験するが、働き方に悩み、管理栄養士の仕事から離れる。その後、人間関係などに悩み食べることに苦しんでいる方を救ったことをきっかけに、フリーで活動を始める。現在は、コラムの執筆を中心に活動中。
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