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2021.06.14

ほどほどが〇 管理栄養士が解説する糖質制限ダイエットの裏表


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近年、コンビニやスーパー、飲食店で“ロカボ”や“糖質オフ”と記載された商品が数多く販売されているように、“糖質制限ダイエット”はダイエット法の一つとしてかなり定着してきています。手軽に始めやすく、効果が出やすいイメージがあることから、チャレンジする人が増えているようです。

今回は、そんな“糖質制限ダイエット”について、今更聞けない基本的なことやほかの主流なダイエット法との効果の比較、取り入れる際の注意点などについて解説していきたいと思います。

そもそも“糖質制限ダイエット”とは?

糖質は、ごはん(白米)、パン、麺類など主に主食として食べる食品に多く含まれている、消化できる炭水化物のことを言います。炭水化物は糖質と食物繊維からなり、糖質は私たちの主なエネルギー源であり、食物繊維は消化吸収されることなく腸まで届き、腸内細菌のエサとなります。炭水化物は、タンパク質、脂質とともに3大栄養素と呼ばれ、私たちが生きるために欠かせない栄養素の一つです。

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しかし、そんな大切な栄養素であるはずの糖質が、なぜ近年悪者のようになっているのでしょうか?それは、必要以上に摂りすぎてしまうと、エネルギーとして消費されず脂肪として体に蓄積されるからです。

糖質制限ダイエットは、糖質を多く含む食品の摂取量を減らすことで、余った糖質が新たに脂肪として蓄積されるリスクを減らし、すでに体に蓄積された脂肪がエネルギー源として消費されやすくすることで体重を減らすダイエット法です。ご飯やパンなどの主食を減らすだけで簡単にできて、ほかのダイエット法よりも効果的なイメージがある“糖質制限ダイエット”ですが、果たして本当に最良のダイエットなのでしょうか[1]。

“糖質制限ダイエット”の効果とは?ほかのダイエット法と比べるとどうなの?

“糖質制限ダイエット”の効果は、世界的にさまざまな研究で検証されています。肥満(BMI25以上)の成人を対象に、糖質制限ダイエットとその他の主流なダイエット(エネルギー制限・脂質制限ダイエット)の体重減少効果を比較した研究のレビュー論文によると、1日60g未満の極端な炭水化物の制限や、数ヵ月〜半年程度の短期間の糖質制限ダイエットの場合は、主流のダイエットに比べて体重が減少したという結果が得られています。一方、1〜2年の長期間の糖質制限ダイエットの場合は、主流のダイエットに比べて体重減少の効果が低い結果となっています。このレビュー論文では、全体の評価として、糖質制限ダイエットと主流ダイエットは、体重減少の効果は同程度であると報告されています[2]。

糖質制限で気をつけたいこと

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糖質の種類の一つであるブドウ糖は、脳にとって大切なエネルギー源になるため、糖質が不足すると疲れやすくなり集中力が低下すると言われています。そのため、糖質制限ダイエットを取り入れる際には、無理なくゆるく制限する程度にし、極度な制限はなるべく避けた方が良いでしょう。

また、炭水化物の摂取量と死亡率の関係についての研究をまとめたレビュー論文によると、およそ25年間で40%以下の低炭水化物、もしくは70%以上の高炭水化物な食事をしていると死亡率が高まることが報告されています。どうしても短期間で減量しなくてはならない事情があり、“糖質制限ダイエット”を実施するとしても、健康のためにはその食生活を長期間続けるのは控えた方が良さそうです[1,3]。

注意点を理解したうえでダイエットに取り組もう

“糖質制限ダイエット”は、必ずしもダイエット法として良いことばかりではありません。糖質は私たちが健康に生きるために必要な栄養素なので、極度な制限をせずにほかの栄養素と一緒にバランス良く摂っていきたいですね。ダイエットに取り組もうとする際は、糖質だけに着目するのではなく、まずは現在の食生活全体を見直して食事や間食の量を調整し、摂取エネルギーを抑えることを意識してみましょう。また、お菓子やスイーツは、糖質がかなり多い食品もあるため、ご飯やパンよりも糖質の量を摂りすぎる可能性があります。あくまでも嗜好品として、食事のメインとしないように気をつけると良いでしょう。糖質を味方につけて、将来の健康を見据えたダイエット生活を送っていただければと思います。

【参考文献】(すべて2021年4月7日閲覧)

[1]厚生労働省、「e-ヘルスネット| 炭水化物 / 糖質」(2019年) ※外部サイトに遷移します

[2]C Churuangsuk, et al.: Low-carbohydrate diets for overweight and obesity: a systematic review of the systematic reviews. Obes Rev. 2018; 19(12): 1700-1718. ※外部サイトに遷移します

[3]Sara B. Seidelmann, et al.: Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis. Lancet Public Health, 2018; 3(9): e419-e428. ※外部サイトに遷移します

【プロフィール】管理栄養士 一ノ木菜摘

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短大を卒業後、精神科病院で調理、給食管理などの栄養士業務を経験し、管理栄養士の資格を取得。精神科病院や地方の総合病院で栄養管理などの管理栄養士業務を経験するが、働き方に悩み、管理栄養士の仕事から離れる。人間関係などに悩み食べることに苦しんでいる方を救ったことをきっかけに、摂食障害やダイエットに悩む方をメンタルや食事の両面でサポートする活動をしている。

幸せ食ライフセッション|管理栄養士 一ノ木菜摘のブログ ※外部サイトに遷移します

Twitter ※外部サイトに遷移します

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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