2022.12.19
糖尿病になりたくない!それなら注意するのは糖質だけではなかった!?
糖尿病は、日本人の3~4人に1人がかかっている身近な病気です。健康診断の結果があまりよくなかった方、ご家族に糖尿病の方がいる方は、予防のために生活習慣の改善に取り組むことが大切であることは言うまでもありません。
糖尿病にならないために、日々の食生活を見直すことから取り組む方も多いようですが、実際にどのようなことを意識すればよいのでしょうか。実は、多くの方が誤解しているようですが、”糖質制限に取り組むだけでは不十分なこと“をご存知でしょうか。
今回は、糖尿病にならないために注意すべき食事の見直し方をご紹介します。
糖尿病になると、どうなるの?
糖尿病は、慢性的に血糖値が高い状態になるだけでなく、さまざまな心身の病気を引き起こす恐れがある怖い病気です。進行してしまうと、目の網膜や腎臓、神経を傷害し、”3大合併症”と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を引き起こします。失明や透析療法に至るほか、壊疽(足に血液が行き渡らず、切断する必要が生じる病気)、認知症など、大きな障害の原因になる病気です。さらに、心筋梗塞や脳梗塞をはじめとする心血管系の病気の原因の一因となる場合や、がんにかかるリスクと関係していることもわかっています[1]。
高血糖と知りながら放置していたり、不適切な見直しをしていると、このような事態を招く恐れがあるので注意が必要です。
糖質をとらないだけではNG
食事で糖質を全く摂取しなければ高血糖にならないのかというと、そうではありません。高血糖の原因には、糖質のとりすぎだけでなく、脂質やたんぱく質の摂取量も関係しています。なぜなら、食事からとれるエネルギー量が過剰になると内臓脂肪の蓄積が進みます。すると、血糖を体内に取り込む働きをするインスリンというホルモンの働きが低下し高血糖状態になるからです。
そのため、糖質だけに限らず食事の量やとり方など食生活全体を見直すことが大切です[2]。
食事の見直しは、この3つを要チェック!
食生活全体を見直すときには、何を食べればよいのかに意識が偏りがちですが、食べる量やタイミングも視野に入れる必要があります。極端な糖質制限だけに頼るのではなく、普段の食生活の問題点を一つ一つ見直すことが大切です。
食べ過ぎないようにする
まず糖尿病予防のためには、食事からエネルギーをとりすぎないことが大切です。しかし、極端な食事制限は健康維持に必要な栄養素が不足する恐れがあるため避けましょう。毎食、腹八分目とし食べ過ぎないようにすることがポイントです[3]。
食物繊維を積極的にとる
食物繊維は、糖尿病の発症リスクを低下させることがわかっています。食物繊維は、野菜や果物、芋、豆、ナッツ、海藻など植物性の食品からとることができますが、穀物からとると効率よくとれるのでおすすめです。白米を玄米や雑穀米に変える、白いパンをライ麦や全粒粉の茶色いパンに変えることから始めてみてはいかがでしょう[2]。
1日3食規則正しく食べる
糖尿病の予防には、食生活パターンをなるべく一定に保つことも大切です。就寝前の夜食は、肥満や高血糖の原因になる恐れがあることがわかっています。とはいえ、勤務時間の都合などで食事時間が不規則、どうしても夜遅い時間になってしまうこともあるかもしれません。朝食を抜く習慣や食事をとる時間が不規則な方では、糖尿病発症のリスクが上がるといわれているため、できることから改善していくとよいでしょう[1,2]。
糖尿病を予防する食事というと「おいしいものが食べられない」「お菓子はもう食べられない」というイメージを持たれることが多いようですが、そのようなことはありません。食べたいものを我慢することによるストレスが、悪影響を及ぼす恐れがあるため、ご自身の食生活の中で無理なく続けられることから取り組んでみましょう [3]。
まとめ
糖尿病に関係しているのは、糖質だけではないことをご理解いただけましたでしょうか?糖尿病の予防には、今回ご紹介をした食生活だけでなく運動や生活リズムなど生活習慣全体を振り返ることが大切です。普段から体重測定をしていない方は、体重を記録することからはじめると、日々の意識が高まることにつながります。
糖尿病は決して他人事ではありません。1日でも早く健康的な生活習慣を心がけて、予防に取り組みましょう。
【参考文献】(すべて2022年10月23日閲覧)※外部サイトに遷移します
[1]一般社団法人日本糖尿病学会:糖尿病診療ガイドライン2019
【プロフィール】管理栄養士 望月麻衣子
管理栄養士取得後、幼児の食事から高齢者の介護食まで各ライフステージの栄養食事指導を経験。現在は、中学受験合格を目指す親子向けに食べる脳トレで差をつけていく育脳食サポート、成人の方を対象に特定保健指導(メタボ改善指導)をしている。
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記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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