2022.02.21
きのこの栄養成分で健康をサポート~必見のダイエット効果や食べ方も大公開~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
なんとなく気になっていたきのこの栄養。
きのこはその昔、森の中の倒木や切り株などによく発生していたことから「木の子」と呼ばれるようになったそうです。
あなたが思うように、健康やダイエットに良いイメージのあるきのこですが、実際にどんな効果があるのかピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はきのこの栄養成分や効能について、解説していきたいと思います。栄養成分を活かした食べ方もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
きのこの栄養素と効能
きのこの種類はたくさんありますが、今回はスーパーでもよく見る「しいたけ・しめじ・えのき・エリンギ・舞茸・なめこ」の6種類に関する栄養素をまとめてお話しいたします。
疲れに効くビタミンB1
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素で疲労回復効果があります。きのこの中ではえのきに多く含まれています。
発育にはビタミンB2
ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康を保ち、発育を促進する栄養素で、きのこ全般に含まれています。
全身の健康に関わるナイアシン
ナイアシンは、皮膚や粘膜、髪の毛の健康を維持してくれる栄養素です。
きのこ全般に多く含まれ、特にえのきとエリンギは1パック(約100g)で成人1日の必要量の半分を摂ることができます。
カルシウムを助けるビタミンD
ビタミンDは骨や歯の発育を促す栄養素です。
特に舞茸に多く含まれ、1パック(約100g)で成人の1日における目安量の半分を補えます。
また、しいたけは乾燥させることでビタミンDが増え、おおよそ11倍にもなることが分かっています。
便通を促し、腸内環境を整える食物繊維
きのこには水に溶けない不溶性食物繊維が多く含まれ、水を吸収し便の量を増やすことで腸を刺激して便通を促す効果があります。
なお水に溶ける水溶性食物繊維は、血糖値上昇の抑制や血液中のコレステロール濃度を低下させる働きがあります。
料理の美味しさを増すグルタミン酸
グルタミン酸はうまみ成分の1つで、料理の旨味を増してくれる効果があります。
きのこの中ではしいたけに多く含まれています。
きのこの栄養素を活かす効果的な食べ方
きのこに含まれるビタミンDは脂溶性ビタミンと呼ばれ、油と一緒に摂ることで吸収されやすくなる栄養素です。
そのためビタミンDは、きのこを油で炒めたり、揚げ物にすることで効率よく摂取できるようになります。
加熱すると栄養素に変化があるのか
加熱するだけで栄養素に大きな変化があるわけではありません。しかし、きのこに含まれるビタミンB1、B2、ナイアシンは水溶性ビタミンと呼ばれる、水に溶けやすい栄養素ですので、茹でると水の中に溶け出してしまいます。
そのため水溶性ビタミンを積極的に摂りたい場合は、みそ汁やスープなどの汁ごと食べられる調理法にすると良いでしょう。
きのこは冷凍した方が良いって本当?
きのこは冷凍できる食材ですので、すぐに食べない時は冷凍保存することで食品ロスを防ぐことにつながります。
買ってきたきのこは水で洗わずに根元を切り落とし、食べやすい大きさに切ったらすぐ冷凍庫で保存することで、新鮮なまま保存できます。使うときは凍ったまま調理できるので、便利ですね。
また「きのこを冷凍するとうま味成分が増す」という研究結果があるようですので、料理に旨味が増すことも期待できます。
ただし、きのこを冷凍すると独特の歯ごたえはなくなってしまいます。好みの食感などに合わせて、生と冷凍を使い分けると良いでしょう。
きのこがダイエットに向いている理由
きのこは一般的な食品の中で低カロリーなのでダイエットに向いています。
参考までに、スーパーなどでよく見かける、人参・玉ねぎ・じゃがいもと比較してみましょう。
「あれ?きのこって意外とカロリーが高い?」
そう思った方もおられるかと思いますが、今度は一般的な食品と比べてみましょう。
上記のグラフを見ると分かりますが、きのこは一般的な食品の中ではかなり低カロリーです。
また、きのこはクセがなく他の食材と組み合わせやすいので、魚や肉料理をボリュームアップさせるのに最適と言えます。
いつもの料理に足すことで、カロリーを抑えた上に満足感を得られるようになるため、きのこはダイエットに向いていると言えるでしょう。
毎日食べると体に悪い?
結論から申し上げますと、きのこは毎日食べても体に悪くありません。
厚生労働省が発表した「健康日本21」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を送るために、1日350g以上の野菜を食べることが推奨されています。
野菜類の中にはきのこも含まれるので、その他の野菜と併せて毎日350g以上食べると良いでしょう。
食べ過ぎるとデメリットがあるのか
きのこに含まれるビタミンDは、摂り過ぎると高カルシウム血症が起こり、腎機能障害・食欲不振・嘔吐などの症状が出る可能性もあります。
しかし、きのこの中でも特にビタミンDが多く含まれる舞茸でも20パック以上食べない限り大丈夫ですので、心配し過ぎる必要はありません。
まとめ
以上、きのこはビタミンB1,B2、ナイアシン、ビタミンD、食物繊維などの体に有用な栄養素や、うま味成分であるグルタミン酸が含まれる食材だということが分かりました。
またきのこには摂りたい栄養素によって効果的な食べ方があるので、使い分けると良いでしょう。
なお、きのこは一般的な食品の中では低カロリーですので、ダイエット中にも取り入れていきたいですね。
それでは当記事が参考となり、栄養たっぷりのきのこを日々の食卓に取り入れていただければ幸いです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
日本食品標準成分表2020年版
日本人の食事摂取基準2020年版
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:きのこの栄養成分で健康をサポート~必見のダイエット効果や食べ方も大公開~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】