2022.02.14
いちごの栄養成分で健康づくり~効能を活かした食べ方やレシピも伝授~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
子供から大人まで大人気のいちごは、日本では江戸時代末期から食べられていたと言われており、今では約300種もの品種があります。
そして、いちごは世界各国で食べられていますが、生で食べる消費量は日本が世界一です。
今回は、そんないちごの栄養素と効能を分かりやすくお伝えしていきます。
さらにはいちごの効能を活かした食べ方やレシピもご紹介しますので、最後までお付き合いください。
いちごの栄養素と効能
大半が水分を占めるいちごには、実はビタミンやミネラルなどが豊富に含まれています。
では早速、効能と共に順に解説していきますね。
果物の中でもトップクラスのビタミンC
いちごは、「ビタミンCの王様」と言われるほど豊富にビタミンCが含まれ、グレープフルーツやミカンの約2倍も多いです。
ビタミンCには抗酸化作用があるため、皮膚や血管の老化を防いだり、ストレスや風邪に対する抵抗力を強める働きがあります。
さらに、中サイズのいちご約13粒で1日に必要なビタミンCを摂取できるので、ビタミンCを積極的に摂りたい方には嬉しい食材ですね。
参考記事:イチゴのカロリーと糖質量は少ない〜栄養素やとっておきのレシピも紹介〜 ※外部サイトに遷移します
むくみを撃退するカリウム
カリウムには、代謝の改善や摂り過ぎたナトリウム(塩分)を尿中に排泄する働きがあり、むくみや高血圧の予防に効果が期待出来ます。
疲れにくい体をつくる鉄
いちごには、貧血や疲れやすさに関係する鉄も含まれています。
なお、鉄にはヘム鉄(※1)と非ヘム鉄(※2)があり、いちごに含まれているのは非ヘム鉄です。
(※1)鉄分の中でも吸収が良く、魚介類やレバーに多く含まれます。
(※2)植物性食品(海藻など)に多く含まれます。
参考記事:きくらげの意外な栄養成分~体に嬉しい効能とデメリットもお伝えします~ ※外部サイトに遷移します
血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維
いちごには、水溶性食物繊維のペクチンと不溶性食物繊維の両方が含まれます。
ペクチンは水に溶けやすい食物繊維で、血糖値の上昇を抑える働きがあり、水に溶けにくい不溶性食物繊維は、便秘の解消に役立ちます。
貧血に効果的なビタミンB(葉酸)
ビタミンB群のひとつである葉酸は、赤血球の生産を助ける働きがあるため、貧血予防に効果が期待出来ます。
また胎児の正常な発育に必要で、妊娠を計画している、あるいは妊娠中の女性には特に重要な栄養素です。
冷凍いちごの栄養素や効能
冷凍いちごの栄養素や効能は、生のいちごとほぼ同じものの、ビタミンCが生のいちごより少ないです。
なぜなら、いちごをマイナス20度付近で保管した場合はビタミンCの損失はあまり見られないものの、貯蔵温度が高くなると急激にビタミンCが減少するからです。
参考までに、一般的な家庭用の冷凍庫は、マイナス18度以下に設定されており、さらに冷凍庫の開閉も多く庫内の温度も上がりやすいため、保管している食品も影響を受けやすくなります。
ですが、冷凍いちごはあまり日持ちのしない生のいちごに比べると、いつでも楽しめるところが魅力のため、うまく使い分けると良いですね。
食べすぎ?毎日1パック食べると体に悪いか
結論から申し上げますと、いちごを毎日1パック食べ続けると体に悪影響を与えます。
というのも、いちご1パックで約290gもあり、1日の果物推奨摂取量(※)の200gを超えるからです。
(※)厚生労働省が定める「健康日本21」では、1日に200gの果物を摂るよう推進しています。
そして、果物には果糖が含まれており、果糖を多く摂り過ぎると中性脂肪が増えたり肥満の原因になる可能性も。
参考までに、中ぐらいのいちご1粒で15gあり、約13粒食べると1日の果物推奨摂取量の200gを満たします。
栄養が豊富で洗うだけで手軽に食べられるいちごは、適量を守って食べるのがおすすめです。
【生?加熱?】いちごの効果的な食べ方
いちごに含まれている豊富なビタミンCを活かすには、生で食べるのが一番です。
というのもビタミンCは熱に弱いからです。
なお、洗う前にヘタを取るとビタミンCや葉酸などの水溶性ビタミンが流れてしまうだけでなく、味も水っぽくなるので、ヘタを付けたまま流水で手早く洗うと良いでしょう。
いちごジャムは体に良いの?
結論から申し上げますと、いちごジャムを大量に使うことは、あまり体に良くありません。
なぜならいちごジャムは、大量の砂糖を使って作るためカロリーが高くなるだけでなく、加熱処理をすることでビタミンCやカリウムなどが減るからです。
次に、生のいちごといちごジャムの栄養素を比べてみましょう。
このように、生のいちごに比べるといちごジャムはカロリーが高く、カリウムやビタミンCなどの栄養素が少ないことが分かりますね。
カロリーの高いいちごジャムですが、最近では果肉がたっぷり入っているジャムや砂糖控えめのジャムなどもありますので、適度に使うと良いでしょう。
簡単!いちごを使った健康レシピを大公開
簡単にできる“いちごアイス”をご紹介します。砂糖を使わず、いちご本来の甘みを楽しめるアイスです。
【作り方】
(1)いちごを洗ってヘタを取る。
(2)ミキサーに全ての材料を入れ、とろみがつくまで攪拌(かくはん)する。
(3)(2)を保冷袋に入れ、冷凍庫で凍らせる。(1時間ごとに保冷袋を揉(も)むと柔らかく仕上がります)
(4)冷やした器に入れたら出来上がり。
まとめ
以上、いちごにはビタミンCや葉酸・カリウム・食物繊維などの栄養素が含まれることが分かりましたね。
さらに、いちごは「ビタミンCの王様」と呼ばれるほどビタミンCが豊富に含まれ、中サイズのいちご約13粒で1日に必要なビタミンCを摂取出来ます。
また、手軽に楽しめる冷凍いちごは、生のいちごに比べるとビタミンCが少ないですが、季節を問わずいちごを楽しめるため、うまく使い分けると良いですね。
そして、いちごジャムは大量の砂糖を加えて加工するため、生のいちごよりカロリーが高くなるだけでなく、ビタミンなどの栄養素も減るので適度に使うと良いでしょう。
今回の記事により、手軽に食べられるいちごをうまく摂り入れていただけると嬉しいです。
参考資料 ※外部サイトに遷移します
日本冷凍食品協会 自分の家の冷凍庫内が、何℃になっているか知っていますか?
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:いちごの栄養成分で健康づくり~効能を活かした食べ方やレシピも伝授~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】