2019.07.29
【特集/今やるべき紫外線対策】とればいいわけじゃない、ビタミンCの真実
先月は紫外線の基本対策についてのお話でしたが、今回はタイミングにより食べないほうがよいものや食材の落とし穴についてお伝えします。
ビタミンCを豊富に含む柑橘類は美肌の味方! ですが、その柑橘類も食べる時間によってはお肌の大敵になるのです。柑橘類や野菜の一部には、ソラレンという成分が含まれています。このソラレンは光毒性という太陽の光(紫外線)に当たると活性酸素などを発生させ、肌にダメージを与える性質をもっています。紫外線を吸収する作用もあるため、メラニンの生成を活性化する作用があり、赤みやシミ、色素沈着などの原因になります。ソラレンを含む食材は柑橘類やきゅうり・セロリ・三つ葉・パセリなどですが、これらを食べた2時間後に紫外線に当たると、光毒性が起こりますが、もし紫外線に当たらなければ優れたビタミンCの供給源になります。営業での外回りや戸外でのスポーツをするときには、時間を逆算して食べないようにすることもおすすめです。
逆に寝ている間にからだは修復されます。ビタミンCを含む食材を夕食にとり、よい睡眠をとることで傷ついた細胞の修復をはかることができます。
またよくキュウリやレモンを輪切りにし、パックをすると美肌効果が得られるようなことが古くからいわれていますが、食材の成分から考えると大変危険なこともあります。きゅうり・レモンにはソラレンが含まれていますから、顔にレモン水やきゅうり水(以前流行しました)を塗り、出かければ、シミをつくってくださいというようなもの。しかもきゅうりにはアスコルビナーゼというビタミンC分解酵素が含まれ、レモンにはソラニンだけでなく肌を刺激し肌荒れの原因となるDリモネンという成分も含みます。
食べ物をむやみに肌に張りつけるのはやめましょう。メリットよりデメリットのほうが大きいです。きゅうりもレモンもおいしく食べましょうね。
堀知佐子(ほり・ちさこ)
管理栄養士・食生活アドバイザー・アンチエイジング料理スペシャリスト。レストラン「Le Rire(ル・リール)」シェフ。京都の調理師学校で教鞭をとった後、京料亭「菊乃井」の物販事業部責任者を経て、2010年株式会社「菊の井」常務就任。08年アンチエイジングをコンセプトとしたレストランを開業。料理教室の開催、地方自治体アドバイザー、講演など、食と健康をテーマに幅広く活動。著書に『みそと野菜でアンチエイジング』『100歳まで錆びない栄養レシピ』など多数。
文/堀知佐子(レストラン『Le Rire』オーナー兼シェフ)
イラスト/いしわたりきわこ
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提供元:【特集/今やるべき紫外線対策】 とればいいわけじゃない、ビタミンCの真実|ワコール ボディブック