2019.07.18
【特集/食とエイジング】 リコピンのちから
「リコピン」と言えばトマト! と言葉自体を知っている方は多いと思いますが、リコピンっていったい何なのでしょう?
簡単に言えば、リコピンは「抗酸化物質」のひとつです。
からだを錆びつかせてしまう活性酸素の発生を抑えたり、活性酸素そのものを取り除いたりする働きがあると言われています。「活性酸素の働きを抑える」=「紫外線によるメラニンの生成を抑える」ので、美肌効果が期待できるということがひとつ。「血管の酸化を防ぐ」ことになるので、血管を若くしなやかに保つことができ、動脈硬化を抑制することにもつながると言われています。
抗酸化物質は「ポリフェノール」や「カロテノイド」と言った種類に分類されます。
「ポリフェノール」は大豆の「イソフラボン」、ブルーベリーなど紫の「アントシアニン」、そばの「ルチン」などのことで、「カロテノイド」は緑黄色野菜や果物など多くの食品に含まれる「β‐カロテン」やトマトなど赤色色素の「リコピン」、えび・かになどの甲殻類やさけに含まれる「アスタキサンチン」などです。
リコピンは「カロテノイド」に分類されます。
カロテノイドは水に溶けにくく、油に溶ける性質をもっているので、リコピンを賢くとろうと思ったら、少しだけ油を使った料理にするのがおすすめです! パスタ+オリーブオイル+トマトの組み合わせだったり、魚の油を組み合わせてアジとトマトのパン粉焼きにしたり。イタリアンや地中海料理のようなものが相性がよいようです。
1日にとりたいリコピンの量は現在のところ明確に基準は定められていません。
しかし、各企業などの研究結果から、1日にとりたいリコピン量は15~20mgと言われています。15mgの目安はトマトジュース1缶分(160ml)、トマト約2個分、ケチャップ大さじ4杯分だそうです。
生のトマトを食べることももちろんよいですが、トマトケチャップやトマトジュースなど加工した商品を使うのもひとつの方法です。寒い時期にはトマトジュースでトマトスープ、トマト鍋などもいいですよね。
ちなみに加工品に使用されるトマトは、加工用トマトとして、農林水産省で規格が定められています。生のトマトは赤色の濃度によってリコピン量も変動しますが、加工品はその点、安定したリコピン摂取ができるということです。
リコピンの話となるとトマトの話になってしまいますが、リコピン自体はトマトだけではなく、スイカやグレープフルーツ、グアバなどにも含まれているそうですよ。果物の美肌効果も「リコピンにあり!」ですね!
文/おくだじゅんこ(管理栄養士)
広島生まれ。国立病院勤務の後、8年間にわたり株式会社ワコールに勤務。陸上選手から社員まで幅広く健康管理に携わる。2012年に再び地元広島へ戻り診療所の栄養士に。
自身が根っから食いしん坊☆自分自身の栄養管理に日々奮闘中!
イラスト/いしわたりきわこ
東京生まれ。テキスタイルデザイナーを経て、コピーライター、ライター、イラストレーターに。渾身の著書「駅弁の旅」、「ぜいたくはひとりごはん」共著に「東京ナチュラルスイーツ」、「おいしいごはんの店~自然派レストラン全国ガイド」などがある。
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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提供元:【特集/食とエイジング】 リコピンのちから|ワコール ボディブック