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2019.05.14

【特集/色のチカラできれいに】「色白=美肌」といわれるワケは...


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色白大ブーム、その理由とは

----前回の「自分の顔の肌の色を認識することは難しい」というお話に続き、今回も顔の肌色について、考えていきます。今は、美しさの条件としても、色白がもてはやされる"美白ブーム"の真っただ中ですが、人は色白の肌からどんなことをイメージするのでしょうか。肌の色と印象について、山田雅子先生に教えていただきます。

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肌の色は、その人の印象にも強く影響しています。一般的に、色白の人に対する印象としては、「おしとやか、ひかえめ、女性らしい、清潔、美しい、上品」といったキーワードが多く挙げられます。対する色黒の印象には、「活発、親しみやすい、健康的、派手、野性的」などがあります。

このように、肌の色によって印象もずいぶんと違います。では、そのイメージはどこから来ているのかということになりますが、まず考えられるのは肌の色から予想される行動パターンでしょう。色黒の人は、肌が日に焼けている。日に焼けているのは、太陽に多く当たっているから。長時間太陽の下にいるということは、アウトドア派で活動的、というように連想はつながっていきます。

私自身も、所属先のオープンキャンパスで、「運動部ですか?」と尋ねることがしばしばあります(笑)。初対面の高校生を相手に、です。まぶしいほどに真っ黒に日焼けした肌を前にしたら、皆さんもそう尋ねたくなるのではないでしょうか。こうしたことは、肌の色から行動パターンを予測した例と言えるでしょう。

実際に人の姿を前にするときには、行動パターンなど全く意識されなくとも、「活動的」や「活発」といったイメージがダイレクトに想起されることになります。それは、経験の積み重ねによって、そうした情報のネットワークができているからこそ起こる現象です。

先ほどの例のように、部活動で磨き上げられた日焼け肌も、私はとても魅力的だと思うのですが、世の女性たちは完全に色白志向です。美白化粧品も今や立派な一ジャンルを築いていますし、より白く明るい肌を女性たちは手に入れようとしています。それは、色白肌がもてはやされる世の流れを受けてのことでもあります。

ですが、この色白全盛の状況は途切れなく続いてきたわけではありません。覚えておいでですか? 1990年代には"ガングロ"ブームがありましたよね。安室奈美恵さんを真似た"アムラー"の流行もありました。当時は、コギャルという言葉と共に、髪を明るく染め、肌を黒く焼くスタイルがトレンドでした。

とはいえ、この"ガングロ"は決してすべての人に浸透していたわけではなく、ごく一部の若者たちに限っての流行。私自身も当時の「若者」の一人ではありますが、"ガングロ"だった過去はありません(笑)。

一方、現在の学生たちの姿に目を向けてみると、"ガングロ"とは全く異なるスタイルながら、同じように「一部の」女子たちの間で広がりを見せているメイクがあります。韓国発のメイクといえば、そのイメージが伝わるでしょうか。"オルチャンメイク"や"ドファサルメイク"などと変化してきているそうですが、肌を白く陶器のように整え、眉はまっすぐ太目に薄く、真っ赤なリップに赤みを添えた目元、といった独特のスタイルがしばしば見られます。この説明だけならば、見慣れたメイクのように思われるかもしれませんけれど、日本のメイクの流れとは全く質を異にしている印象です。

20年前のガングロメイクと今の韓流メイクに共通する点は、その独特のスタイルによって仲間同士の結びつきが生まれていることかもしれません。今の学生たちも、先のような独特のメイクの学生を見て、「韓国好きでしょ?」の言葉から会話を始めています。

主張のあるメイクは単独だと個性的に映りますが、そうした個性が集まると、ユニフォームのように仲間意識を呼び起こすこともあるようです。

少々脱線しましたが、話を肌の色のトレンドに戻しましょう。
ガングロブームの収束以来、目立った色黒肌の流行はなく、代わりに色白が台頭してきました。肌の色に限ったことではありませんが、ブームは一度飽和状態を迎えると、別の要素に流行が移ったり、元の状態に戻ったりします。今後、色白からブームが移り変わる可能性は大いにあるでしょう。でもそれは一過性のもので、また色白へ戻っていくと予想されます。

このように安定して色白肌が好まれる背景には、「生物学的な理由がある」と唱える声もあります。ひと口に色白といっても、真に求められているのは、シミやくすみ、肌荒れのない、透明感のある白さでしょう。色の問題だけではないのです。色白肌の場合、日に焼けている場合よりも肌のコンディションが露呈しますよね。たとえニキビひとつでも目立ってしまいます。寝不足で体調が悪ければ、それも顔色を通じて周囲に伝わります。色黒肌以上に、健康状態のマイナス面が見えやすい条件なのです。

そんな難しい条件であっても肌を白く美しく保てるのは、生物的な強さや健康状態のよさがあるからこそ。「生物学的な理由」というのは、つまり、そこにあります。人の意識にはなかなか上がってこないことではありますが、生物学的には、「より健康な人=より魅力的な人」という関係も存在するのです。

肌を美しく見せるために、ヘアカラーにもひと工夫!

顔の肌の色は、顔まわりにある色によっても見え方は変わります。中でも影響が強いのは、髪の色。顔のまわりを囲んでいる髪は、額縁のような役割も果たしています。たとえば、黒髪と真っ白な髪とで比べてみると、同じ肌の色であっても白髪のほうが色黒に見えます。

これは、肌の色と髪の色との対比効果。肌の色に限らず、色全般について言えることですが、明るい色が周囲にあれば、中に置かれた色は暗く見えますし、逆に暗い色がまわりにあれば、中の色は明るく見えます。
明るさの面だけでなく、色みや色の鮮やかさの面での組み合わせによっても、色の見え方は微妙に変化します。
たとえば、肌と同じような明るさのオレンジ色や茶色などの髪色だと、肌の色がくすんで見えることもあるでしょう。

こうした対比効果は、髪色だけでなく顔まわりにある洋服や小物の色との組み合わせでも同じように起こります。ストールやスカーフ、トップスの襟元などの色を上手に工夫すれば、肌の色をより明るく、美しく見せることができるでしょう。

----髪の毛が、肌の色の額縁がわりの役割を果たしていたんですね。日に焼けないように気をつけたり、美白クリームでお手入れしたりするのも大事ですが、髪や服の額縁効果は、明日からすぐに効果が実感できる方法。上手に使って、肌を白く、美しくみせられたらいいですね。

山田雅子

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埼玉女子短期大学国際コミュニケーション学科教授、博士(人間科学)。2005年、早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。日本心理学会、日本社会心理学会、日本顔学会に所属。専門は色彩心理。顔や肌の認知が主な研究対象。

先生/山田雅子(埼玉女子短期大学国際コミュニケーション学科教授)
取材・文/大庭典子(ライター)
イラスト/はまだなぎさ

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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提供元:【特集/色のチカラできれいに】「色白=美肌」といわれるワケは...|ワコール ボディブック

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