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2018.12.12

「死ぬほど働く人」が辞められない深刻事情|「まだ大丈夫」のうちに休むことが必要


ブラック企業で精神的にも疲弊してしまったとき、どうすればよいのでしょうか(写真:foly / PIXTA)

ブラック企業で精神的にも疲弊してしまったとき、どうすればよいのでしょうか(写真:foly / PIXTA)

パワハラをはじめとしたブラックな経営者により、自死に至るような、つらいケースを報道で多く見るようになってきました。

今まで、泣き寝入りしていたものが、表に出てきたと思えば、世の中は良くなってきているのかもしれません。しかし、こうしたものはなるべく早く消えてほしいと願うばかりです。

もちろんいちばん悪いのは、ブラックな経営者、ハラスメントを行う人で、悪質なものは法的な処分を下すべきです。しかし、法的処分までに自分の心身が壊れては意味がありません。まず自分の安全を第一に考えてほしいです。

ニュースなどであまりにひどいパワハラの実態などが流れますと、多くの人は「なぜその会社を辞めなかったのか」と不思議に思うでしょう。

「自分では辞められない」状態になる前に

私の体験や過労やうつ状態から抜け出して幸せになった人を取材した拙著『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』に描いたとおり、理由は人それぞれにあるでしょうが、「判断力・思考力を奪われている」というのも大きいのではないでしょうか。

長時間労働による過労や、ハラスメントによる心的ダメージは、人間から「まともに考えて対処する力と余裕」を奪うのです。洗脳といってもよいかもしれません。

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』 ※外部サイトに遷移します

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すっぽりと、真っ暗なトンネルに入ったような状態になってしまうと「進む」という選択肢以外見えなくなってしまいます。

そうなったあとで、自ら「退職」という大きな決断をするのは難しいことです。まず、そのような選択肢が「見えない」状態になっていますし、もし「見えた」としても、「手の届かないはるか遠く」であり、そこにたどり着くだけの力が残っていません。

結果的に「力尽きるまで前に進む」しかなくなってしまいます。

そうなった後での対処はとても難しいことから、「そういう状態になりそうだと感じたら、まずは休んで判断力を取り戻す」というのが、重要です。「限界まで頑張った」後では遅く、「まだ大丈夫」のうちに「意識的に休む」ということですね。

特に睡眠が何より大事だと思います。

もし、不眠の傾向などが出てきた場合には、専門の医療機関で受診することも1つの方法でしょう。

「おかしい」ことに「おかしい」と気がつく

「判断力を失う前に判断」するには、どういったことに気をつけたらいいのでしょうか。

「ブラック会社に入社しない」のがいちばんいいのですが、ブラックかどうか入社前に判断するのは難しいことです。

ネットなどを探せば、「ブラック会社の特徴」といったものを調べることはできますが、絶対ではありませんし、残念ながら入社してみないとわからないことが多いです。

入社後、重要なのは、「おかしい」と思えることなのですが、たいていの人はそれほど多くの会社を経験していないので、なかなか気づけないこともあります。

ですが、もし入社後、以下のようなことがあれば、「おかしい」と思ってよいと思います。

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※もちろん、上記のどれにもあてはまらなくても、自分が「耐え難い」と感じたなら、無理にその会社にとどまる必要はありません。

こういったことを我慢し続けていると、心身の調子を崩してしまうことがあります。

もし、ひどくしてしまうと、どのみち会社を辞めなければならないのはもちろん、次に新しく働きだすことも難しくなってしまいます。

だったら、元気なうちに退職・転職した方がよいに決まっています。我慢しても何もいいことはないのです。

大切なのは、少しでも「おかしい」、あるいは、そこまでいかなくても「えっ、そういうものなの?」と感じたら、調べることです。

今はインターネットにもさまざまな情報がありますので、手軽に調べることもできます。ネット相談みたいなものも気軽に利用できる環境があります(もちろん、専門家が答えるサイト以外では、情報は玉石混交にはなりますが)。

いろいろな仕事の人に相談してみる

また、他業種の人に相談してみることもよいでしょう。同業種ですと、どの会社も同じということがあったりしますので。特に注意が必要なのは新卒入社の方かと思います。初めての会社ですから「何が普通で何がおかしいか」わかりません。理不尽なことも「会社ってそういうものだ」と思い込んでしまうことがあります。

多くの人の意見を聞くことで、自分の状況を客観的にみられるようになることがあると思います。

会社に産業医などがいる場合は、積極的にカウンセリングなどを利用するのもいいでしょう。

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「辞めてもいいよ」と言われたところで、「辞めた後どうなるの……?」という不安が払拭されなければ、決心がつかないことがあるでしょう。

そうこうするうちに、疲れ果てて判断力を失い……という人が多いのではないでしょうか。これがいちばん難しい問題だと思います。

そういう場合、普段から「辞めてもなんとかなる」という気持ちになれる情報を持つのが大切だと思います。

まずは、心にまだ余裕があるうちに、「転職準備」を開始するのも1つの方法です。ネットを通じて転職先の情報を探すだけでも良いでしょう。

必ずしも良い転職先が見つからなかったとしても、情報を持つことで、「選択肢はたくさんある」ことを知ることができます。

もちろん、良い転職先があれば、具体的な転職活動に進むのもいいと思います。これも、元気なうちでないと難しいことなので、早いうちから始めておくのがよいでしょう。

日本は失業してすぐに「のたれ死ぬ」国ではない

あと、「転職がうまくいかなかったときに、生活はどうなるのか」も重要な問題です。ここがネックになり、退職を考えられない人も多いかと思います。

家族や親戚などに、フォローしてもらえるならそれがいちばんですが、それが難しい場合は、各種社会制度で利用できそうなものを調べるのもよいと思います。

失業保険をはじめ、さまざまな社会制度があります。たとえば奨学金にしても返済を一時止められる制度もありますし、家賃を補助してくれるような制度もあります。

こういったことも「知っている」だけで、安心度が変わってくると思います。

日本は今のところ「失業したとたん、のたれ死ぬ」ような国ではないので、「心身の危険が迫っている」場合には、迷わず、「心身の安全」を選びましょう。

心身を壊してしまうほうが、よほど人生のリスクが高まります。

残念ながら、こういった記事などを書いても、過労まっただ中の方には届かないことが多いです。忙しすぎて、こういう記事を読む余裕もなかったりします……。

そういう場合、周囲の方が気づいてあげられたら、それが救いになることもあると思います。

過労死や過労自死に至る人に多いのは、「一人で抱えてしまう」ケースだと思います。

こういった人は、責任感が強く、人に迷惑をかけることを嫌悪します。大げさでなしに、「人に迷惑をかけるくらいなら死ぬ」とまで思っている人がいるくらいです。

「普段とは違うこと」を気にかけてあげる

そのため、周囲の心配は「大丈夫だから」と振り払ってしまいます。特に家族には心配をかけたくないと考えてしまう人は多いと思います。

周囲の人も「本人がそう言うなら……」と、強引に介入することは躊躇してしまいます。

でも「普段と違うこと」があったら、それとなく話を聞いてあげるといいかもしれません。

その場合は、否定や励ましはなるべく避けて、ただ相槌を打ってじっくりと聞くのがいいと思います。

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そして、普段から「勤め続ける以外の選択肢」があることを、伝えておくのも大切だと思います。

会社に追い詰められる人は「勤め続けるか、死ぬか」の極端な二択になってしまっている場合があります。

「それ以外にも選択肢はたくさんある」ことを、まだ元気なうちから伝えておくとよいでしょう。

たとえば、いきなり「辞める」という大きな決断をしなくても、「休暇をとる」「休職する」などの段階もあります。

中には休職や退職に、過度にネガティブなイメージを持っている人もいます。ストイックな人に多いです。

休んだり辞めたりするのは、決して「逃げ」や「終わり」ではなく、「元気に働き続けるために必要なステップ」であることも、あわせて伝えるとよいでしょう。

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ただ、それでも、大事な人が暗いトンネルに入ってしまい、もう言葉が届かなくなってしまったら……。

どうしようもないときにどうすればよいか

もうそうなったら、個人的にはある程度は強引に休ませるのも仕方がないと思います。

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『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版) クリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

おそらく、もう自分の意志では休めない状態になっています。

また、周囲に助けを求めることも必要です。

家族・親戚・友人に広く相談するのもいいでしょう。

親や配偶者が言って聞き入れられないことでも、他の立場の人から言ってもらえたら届くこともあるかもしません。

過労死110番のような相談機関や、過労死防止センターのような組織もあります。

そういったところに、どんどん相談することも必要だと思います。

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提供元:「死ぬほど働く人」が辞められない深刻事情|東洋経済オンライン

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