きゅうりで11キロ痩せた男性のすごいやり方とは？

きゅうりはダイエットに最適な食材だった！？（撮影：今井康一）

最近、話題の「きゅうり食べるだけダイエット」。

スーパーの野菜売り場では、夕方にはきゅうりがなくなる！という現象も起こるほど。テレビでも取り上げられ、SNS上でも成果報告をアップする人が続出中だ。

これは、東京・南麻布にあるミシュラン2つ星の和食の名店「分とく山」総料理長である野崎洋光氏が考案したダイエット方法で、自身も2カ月で11kg減量という成果を出している。

きゅうりを食べるだけで、メタボが解消した理由

きゅうりダイエットを始めたきっかけは、人間ドックで脂肪肝や高コレステロールを指摘されたからです。健康のために少しはやせなければと、小腹がすいたとき、口寂しいとき、仕事の合間、朝食代わり、夜食にと、きゅうりを食べることにしました。

「なぜ、きゅうりだったのか」というと、私の出身が福島県だからです。
福島県は消費量全国1位に輝いたこともあるほどのきゅうりの生産地です。子どもの頃からなじみ深い食材で、低カロリーで腹持ちがいいことは承知済み。しかも、切ったり調理したりしなくても、そのままポリポリかじるだけでいい。仕込みの間の忙しいときでも、手軽に食べられ、飽きずに長く続けることができました。とにかく、野菜でかさを増すことを心掛けました。

多いときで、1日10本きゅうりを食べた日もあります。すると、面白いように体重が減り、2カ月で11kgも体重減。尿の出がよくなり、お腹がへこみました。きゅうりダイエットをして6年近く経ちますが、まったくリバウンドはありません。

人間ドックの数値も正常に回復し、現在でもオール優等生です。体重、体脂肪率、腹囲、LDL＆HDLコレステロール値、肝機能の数値、いずれもよい状態を保っています。

「きゅうり」には、脂肪を分解する力があった！

私がダイエットに成功した方法は、たまたま「きゅうりを食べるだけ」でしたが、その後、ダイエット専門のお医者さまから、きゅうりはダイエットに最適な食材だということを教えていただきました。

以下は拙書『きゅうり食べるだけダイエット』でも紹介している内容です。

きゅうりは、世界一栄養のない野菜と不名誉な評価を長年受けていて、ギネスブックにも登録されているほどではありました。しかし最近、「ホスホリパーゼ」という脂肪分解酵素を豊富に含み、ダイエットに最適な食材であることがわかったそうです。

「ホスホリパーゼ」の主な効果は下記のとおりです。

●体内の老廃物や毒素を排出し、体の脂肪を燃やす＆代謝を高める
●食事で取った脂肪を分解して、体外に排出する

ホスホリパーゼはキャベツなどほかの野菜にも含まれているのですが、きゅうりに含まれるホスホリパーゼはほかの食材に含まれるものより、脂肪を分解する力が強いことが研究によって明らかになっているそうです。

また、きゅうりには利尿作用や血圧を調整してむくみを解消する「カリウム」、腸の働きを整える＆満腹感を得られる＆血糖値の急激な上昇を抑える「食物繊維」、細胞の代謝を上げる「ビタミンC」も豊富に含まれています。さらに、1本（100g）で14キロカロリーと低カロリーだから、たくさん食べても大丈夫なんですね。

きゅうりのダイエット効果は男性のほうが出やすい？！

有志9人（男性5人、女性4人）に「きゅうり食べるだけダイエット」に4週間チャレンジしてもらいました。いつもの食事の最初にきゅうりを1～2本食べるだけ、を実践してもらったのです。すると、全員がダイエットに成功するという快挙を達成！その実例は次のとおりになります。

体重88kg→85kg、腹囲96cm→91cm（Y・Mさん 27歳男性）

コーラなどの炭酸飲料や甘いものが大好き。「きゅうりを食べると食欲が抑えられるだけでなく、甘いものが欲しくなくなりました。朝の目覚めがよくなり、体が軽く、疲労感もなくなりました」お腹周りのぜい肉がとれてスッキリ！若返りました。

体重80kg→78kg、腹囲102cm→93cm（Y・Yさん 35歳男性）

毎晩、糖質オフのビール350ml缶を6本欠かさずに飲む。チャレンジ中もビールは同様に飲んでこの効果。「苦しさがなく、自然にやせた。顔のむくみがとれ、体調がよくなった。体重を毎日測るようにしたら、やせるモチベーションも上がった」ピチピチだったシャツにゆとりができてよかった！

体重70.7kg→64.8kg、腹囲106cm→102cm（K・Kさん 47歳女性）

「お腹、二の腕がスッキリ細くなりました」特筆すべきは、血糖値が142→89、中性脂肪279→104、悪玉コレステロール222→170と、体重や腹囲など見た目がやせただけでなく、体の中から健康になっていること！

食事の最初に野菜を食べる「野菜ファースト」は、女性の間では当たり前ですが、ラーメンに炒飯、そばにカツ丼など炭水化物が大好きで、普段から野菜を食べる習慣がないメタボ男性のほうが、きゅうりを食べるダイエットは、効果が出やすいと思います。

調理が苦手でも、切らずに丸ごとかじればOKなのもラクでいいです。ただし、きゅうりのお供はマヨネーズやドレッシングではなく、みそや塩など低カロリーのものがおすすめです。最近では、コンビニエンスストアでもきゅうりの一本漬けやきゅうりスティックが手に入ると聞きますので、忙しいビジネスパーソンでもオフィスでチャレンジすることは可能ではないでしょうか。

ダイエットの効果を上げる正しい食べ方

きゅうりに含まれる脂肪分解酵素ホスホリパーゼは、熱に弱いのが特徴です。だから、ダイエット目的で食べる場合は、生食を基本にされるといいでしょう。食事の最初や空腹を感じたときに、食べたいだけ食べることをおすすめしています。

また、きゅうりをすりおろすことで細胞膜が壊れて脂肪分解酵素ホスホリパーゼが出てきます。すりおろしたきゅうりを大根おろしのように和え物に使うのは、和食の得意とするところで、簡単にたくさんきゅうりを食べられます。

きゅうりレシピといえば、サラダか酢の物しか思いつかない……という方も多いようですが、男性でも簡単に作ることができるレシピはたくさんあります。スティックきゅうり、たたききゅうり、輪切り、おろしきゅうりと、切り方にバリエーションを持たせれば、毎日食べても飽きないですよ。

きゅうりは1年中どこでも手に入りやすく、値段が安いのも魅力です。よくかむことで満腹感が得られ、食べ過ぎも防げます。トレーニングジムに何十万円と高いお金を払うより、1日100円程度で続けられます。野菜の力を改めて見直して、健康な体を手に入れてください。