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2018.08.13

食品のカロリーばかりを気にする人が陥る罠|数字にとらわれると不健康な要素を見落とす


ビジネスパーソンが心掛けておきたいこととは?(写真:duiwoy / PIXTA)

ビジネスパーソンが心掛けておきたいこととは?(写真:duiwoy / PIXTA)

健康やダイエットに配慮して食べ物を選ぼうとするとき、多くの人が意識しているのは「エネルギー量(カロリー)」ではないでしょうか。

健康的な食事や、やせる食事というと「カロリー」をベースに考えられているものが多く、「低カロリー」「カロリーオフ」といったうたい文句の商品や広告をよく目にします。そのせいか、われわれの頭のなかには「ダイエットに最適な方法はカロリー管理」「カロリーが高い=悪」といった印象が刷り込まれています。

カロリーを気にする人ほど不健康になる?

健康的な食生活のための1つのアプローチとして、摂取するカロリーを管理することはもちろん有効です。またカロリーで1日や1食の摂取エネルギーを把握することは、普段忙しいビジネスパーソンにとっても簡単な方法であり、だからこそ世の中でも浸透しているともいえます。

ただ、拙著『MBA式 健康防衛』でも触れていますが、カロリーが「高い」「低い」という視点だけを食品選びの判断基準にしてしまうと、食事内容、すなわち栄養素への意識がおろそかになる可能性があります。

『MBA式 健康防衛』 ※外部サイトに遷移します

たとえば、ごはんなどの主食を減らしてカロリーを制限した分、サラダに置き換えようとして、ポテトサラダや春雨サラダを選んだりしていませんか? どちらも原材料にでんぷんの多いイモを含むため、たくさんの糖質を摂取してしまうことになります。

また、ダイエット中は油分の多い洋菓子よりカロリーが低めの和菓子を選ぶ人が多いですが、これもリスクになる可能性があります。和菓子の甘さは砂糖によるものであり、また餅や、小豆から作られるあんこにはでんぷんが多く含まれていて、これまた糖質が高いということになります。

糖質のとりすぎは糖尿病などのリスクになることは言うまでもありませんし、糖質と並ぶ五大栄養素であるタンパク質と脂質、ビタミン、ミネラルもバランスよく食べないと、食べたものが適切に燃焼(消費)されなかったり、筋肉が落ちてしまったりと、ダイエットにも逆に悪影響を与えかねません。カロリーの数字を意識するあまり、栄養バランスが崩れてしまって痛い目にあったダイエット経験者も多いのではないでしょうか。

ビジネスパーソンが陥りがちな食事パターンとは?

近年の糖質制限ブームで意識されている人も多いと思いますが、特に、多忙なビジネスパーソンほど「糖質過多」な食生活を送りがちです。

糖質過多な食生活の理由は人それぞれですが、コンビニやスーパー、定食屋、お弁当屋、レストランで、てっとり早く安価で摂取できるのが糖質であるということが大きな理由です。

「一般社団法人大人のダイエット研究所」が2017年に行った「働き世代のコンビニランチ調査」によると、週3日以上コンビニなどで購入したもので昼食をすませている20〜40代の男女100人を対象にした昼食の内容についての調査では、「カップ麺とおにぎりなどの炭水化物(糖質)の重ね食い」「菓子パンや総菜パンのみ」「サラダのみ」という3つのパターンが顕著だったと報告されています。

なかでも、炭水化物の重ね食いは全体の29.7%で、ビジネスパーソンの約3人に1人に見られた問題点でした。

実際のビジネスパーソンの食生活を見ていると、朝食を必ずとるという人たちのメニューは、おにぎりやパン、シリアルが中心で、それに加えて少しのおかずと水分をとるという内容が大半です。

職場での昼食に関しては、外食ならカレーライスやラーメン、牛丼、うどん、蕎麦は定番ですし、コンビニやスーパーで買ったおにぎりやサンドイッチ、丼物、パスタ、カップラーメンなどですませる人も多いでしょう。

つまり、ビジネスパーソンが特に意識せずに口に入れている「普通」の食事は、糖質のオンパレードになってしまいがちなのです。

問題なのは、多くのビジネスパーソンがこのような行動を「無意識」でとってしまっていることです。自身の生活を一度客観的に見てみるだけでも、食事に対する慎重さは変わってくるでしょう。

さらにアドバイスをするなら、不足しがちな「タンパク質の量」を見て食品を選ぶこと、冷凍や加工されていない生の野菜や新鮮な魚・肉を積極的に取り入れることをおすすめします。加工食品はとても便利なものですが、手軽でおいしいからには砂糖や食塩などの調味料や、着色料や保存料といった添加物が使われており、これらを無意識のうちに摂取してしまうことにつながるからです。

「健康情報」に覆い隠された不都合な真実

最近はコンビニのパンや惣菜、お菓子などにも「糖質○○グラム」と表示され、健康を意識させる商品が目立つようになってきました。これで糖質を減らすことができるから安心!と思った人は要注意です。

強調されて目立つ「健康アピールポイント」がある場合、裏側に潜む「不健康情報」がマスキングされてしまうケースがあるのです。

たとえば糖質を減らした食品は、減らした分の味を補ったり、味や食感を良くさせたりするために、普通よりも多く脂質や添加物が使われている場合があります。また、糖質も脂質も少なかったとしても、タンパク質やビタミン、ミネラルが足りなければほかの食材からとる必要があるでしょう。

いかにも「健康に良さそう」に見える商品ですが、それだけを食べていても「健康」になれるわけではないのです。

ほかにも、パッケージに「食物繊維○○グラム配合」「カルシウムたっぷり」などと表示され、いかにも体に良さそうなシリアルやグラノーラなどは、確かに朝食として手軽に食べられる、不足しがちな栄養素がとれるといったメリットもあります。

ただ、別の視点に立ってみると「体に良い」だけではない一面も見えてきます。

問題点の1つは、こうしたシリアルやグラノーラは、製品によって砂糖が大量に使われているものがあることです。また、食塩も多く使われています。砂糖や塩でしっかりと味付けされているからこそ、牛乳やヨーグルトをかけても味がしっかりしているのです。カロリーや脂質も決して低い食品ではありません。

良い情報にばかり注目していると、ものの本質を見誤る可能性が高くなります。自分の健康を守るためには、メディアの情報や企業のマーケティング戦略に安易に踊らされず、自分の体に合うものを選別して購入する、冷静な目と判断力を養っていかなければなりません。

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『MBA式 健康防衛』(クロスメディア・パブリッシング) クリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文

最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ

医学的に「健康に良い食べ物」は5つしかない

提供元:食品のカロリーばかりを気にする人が陥る罠|東洋経済オンライン

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