2017.10.09
お腹の調子をスッキリ整える!さつまいものレモン煮【男の和ごはん#9】
爽やかな日が続き、本格的な秋の季節になってきましたね。そんな時に食べたくなるのが、秋の味覚”さつまいも”です。ほくほくとした食感と独特な甘さで、大人から子どもまで楽しめる食材。さつまいもに含まれる食物繊維は、健康や美容に関わる腸内細菌に働きかけます。
例えば女性に多い、便秘の悩み。便秘になると腸内細菌に影響して、腸内環境が悪化する原因になります。
また、男性も便秘でないからといって安心はできません。日ごろ外食続きで野菜が不足し、肉をよく食べる方。便やおならの臭いが気になるという方も、腸内環境が悪化している場合があります。
今回は普段不足しがちな食物繊維をたっぷり摂れる、お腹にやさしいさつまいも料理をご紹介します。
今週の和ごはん:さつまいものレモン煮
さつまいもは江戸時代のはじめ、中国から九州地方に伝わったとされる食材です。そして現在の鹿児島県で栽培が始まったことから、「薩摩芋」という名前がつけられたそうです。干ばつにも強いタフな作物であることから、不作の時には人々を飢えから救ってきました。八代将軍・吉宗公も飢饉に備えて、関東での栽培を奨励したと言われています。
さらに江戸時代の中期頃には、庶民の間でちょっとした”さつまいもブーム”が起き、「甘藷百珍(いもひゃくちん)」という、さつまいものレシピ集(百とあるが実際は123)まで発売されたのです。
あの独特の甘さは、砂糖が貴重品だった当時は特に大事にされていたのでしょうね。
【材料】(2人分)
・さつまいも 250g
・水 2カップ
・レモン 1/2コ
・砂糖 大さじ3
・蜂蜜 大さじ1
・レーズン(干しぶどう) 適量
【作り方】
1:さつまいもは2センチぐらいの輪切りにし、変色を抑えるため、水に5分ほどさらしてアクを抜く。
2:レモンは飾り用に薄くスライスした1枚を4等分に。鍋に水とレモンの残りを絞り、砂糖を加えて溶かし、さつまいもを入れて火にかける。
3:鍋が沸いたら、蜂蜜を入れて溶かし、落とし蓋をして10分ほど煮る。
4:落とし蓋を取り、レーズンをいれて5分ほど煮たら出来上がり。
さつまいもの甘味とレモンの酸味が絶妙に調和して、食べ飽きない一品です。
さつまいもには、じゃがいもと比べると約2倍もの食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内細菌に働きかけ、「短鎖脂肪酸」という物質を生み出します。近年この脂肪酸の研究が進められており、身体にいい影響をもたらすのではないか?と報告されているのです。今回使用したレーズンにも、食物繊維が豊富に含まれているので、摂取量アップが期待できますよ。
また、蜂蜜に含まれるオリゴ糖も、腸内細菌の善玉菌の栄養源になるとされています。腸の健康は全身の健康の要。そのためには食物繊維が欠かせません。
毎日の食事に、いも料理を取り入れてバランスのいい食事を心がけてくださいね。
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著者プロフィール
■圓尾和紀(まるお かずき)
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。日本の伝統食の良さを現代の生活に活かす「和ごはん」の考え方を伝えている。『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』がワニブックスより発売中。
オフィシャルブログ: 「カラダヨロコブログ」 ※外部サイトに遷移します
提供元:お腹の調子をスッキリ整える!さつまいものレモン煮【男の和ごはん#9】│KenCoM