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2017.05.14

脂質制限しすぎてない?減らすだけではNGな脂質コントロール


薄着の季節が近づくにつれ、気になるのがダイエット。脂質は身体に良くない、というイメージが浸透しつつあるため、脂質を極力制限する食生活を送っている方もいるのでは?しかし脂質は、私達が生きる上で欠かせない栄養素のひとつであることをご存知でしょうか。無理な脂質制限には、デメリットもあるのです。今回は、脂質の役割と、脂質を摂る上で気を付けたいポイントをご紹介します。

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カサカサ肌は脂質不足サイン?

脂質は糖質とともに、エネルギー源として使われます。糖質が1gあたり4kcalなのに対し、脂質は1gあたり9kcalと、少量でも多くのエネルギーを生み出すことができます。そのため、運動量が多い方や、食の細い方には効率の良いエネルギー源となります。

脂質は、生体膜やホルモンの成分でもあります。私達の細胞の一つ一つは、リン脂質という脂質の膜で覆われていて、この膜が、細胞に必要な栄養を摂り込んだり、排泄したりしています。また、皮下脂肪にはエネルギーの貯蔵、体温の維持、身体を衝撃から守る役割があります。

このように、肥満の原因として悪くとらえられがちな脂質ですが、私達の身体に不可欠な栄養素なのです。脂質はエネルギー源として不足することはあまりありませんが、極端に不足すると、疲れやすくなる、皮膚がカサカサになる、免疫力が低下するといった不調が表れます。

実は繊細な「脂質」。摂り方に注意が必要な理由

それではなぜ、脂質は制限対象として嫌われてしまうのでしょうか。脂質が嫌われてしまう理由は二つあります。

少量で効率の良いエネルギー源になる脂質ですが、エネルギーとして使用されるのは、糖質が不足した時。糖質が不足するまでは、体内に貯蔵されて出番を待っています。エネルギーとして出番が少ないにも関わらず、いくらでも蓄えることができるので、脂質の摂り過ぎは体脂肪の増加につながりやすい。これが嫌われる理由の一つです。

二つ目は、脂質は光や熱や酸素に弱く、酸化しやすい性質であること。フレッシュな状態で摂取するのが難しいという弱点があります。酸化した脂質は、身体の中で悪さをしてしまいます。また、脂質に化学処理を加えて安定させたマーガリンやショートニングをはじめとする「トランス脂肪酸」は、アメリカでは今後食品に使用することが禁止されるほど、健康への影響が問題視されています。

脂質は、生命活動に欠かせない栄養素であるけれども、摂り方に工夫がいる、繊細な栄養素。そもそもの摂り過ぎは控えなければなりませんが、摂り過ぎない程度の適度な制限をしつつ、なるべく身体に良いものを選ぶ、まずはこの二つのポイントを押さえましょう。

過度な制限は禁物!脂質の理想的なコントロール

1日の摂取エネルギーの20~25%を脂質で摂るのが望ましいとされています。これは、調理に使う油だけでなく、肉や魚やお菓子など、食品に含まれる脂質も含まれます。バランスの取れた理想的な食事から、食品に含まれる脂質を除くと、調理で使える油は大さじ1~2杯程度と考えられます。意外と少ないですよね。

調理するときに、油は目分量で入れている方も多いはず。一度、大さじで計量してみて“正しい目分量”をチェックしておくのもおすすめです。また、油を使わずに、食材から出る油を活かして調理できるフライパンなども市販されています。調理器具などでの工夫に加えて、チェックしてほしいポイントをご紹介します。

食材とメニュー・調理法を選ぶ目を!

油脂を含む食品は、つい余計に摂ってしまいがち。しかし、ほんのひと工夫で脂質を減らすワザがあります。

例えば豚肉であれば、「バラ肉」より「ヒレ肉」、「とんかつ」ではなく「しゃぶしゃぶ」を選ぶ。このように、部位や調理法を変えることで、大幅に脂質をカットすることができます。これなら外食のときにも工夫できますよね。

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摂り過ぎになりやすい「飽和脂肪酸」に注意

一口に「脂質」と言っても、その種類は様々で、含まれる食品によって性質が異なります。脂質はまず、「飽和脂肪酸」と、「不飽和脂肪酸」に分けられます。

身体の中で悪さをしやすく、摂り過ぎが心配されるのは「飽和脂肪酸」です。「飽和脂肪酸」は、牛や豚の脂身、バターなどに含まれます。摂り過ぎると、中性脂肪やコレステロールの増加、肥満、心臓病、脳卒中などの原因になるので注意が必要です。

ただし、飽和脂肪酸の中でも例外があります。それは、「ココナツオイル」です。ココナツオイルには中鎖脂肪酸という脂肪酸が多く含まれ、エネルギーとして使われやすく、体脂肪になりにくい性質があります。

健康効果が期待できる「不飽和脂肪酸」をうまく摂る

「不飽和脂肪酸」は、適度に摂ればコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。また、細胞膜を健康にし、アレルギーを予防します。健康効果のある脂質もあるなんて、意外ですよね。魚介類や植物性の食品に含まれるため、お肉中心の食生活の方は、お魚メインの日を組み込む、というところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

現代人が不足しやすい脂質もある

「不飽和脂肪酸」はさらに、「多価不飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。「多価不飽和脂肪酸」の中でもオメガ3と呼ばれる脂肪酸は熱にとても弱く、コンビニ弁当やレトルト食品からは摂取することができません。外食や中食(買ったものを家で食べるスタイル)が多い方は不足しがちに。なんとなくの不調は、オメガ3の不足が原因だった、なんていうことも。

上手な脂質制限のポイントまとめ

脂質だから、と一概に制限しすぎるのはNG。健やかな身体を保つためには、脂質のいい面を積極的に取り入れましょう。普段食べているものにどれだけ脂質が含まれるか、パッケージの裏に表示されているものもあるので、まず自分の食生活を知ることも大切です。
脂質の摂り方を見直すときには、ぜひ以下の4つのポイントをお忘れなく。

ー動物性脂肪を摂り過ぎない
ー揚げ物、炒め物など、油を多く使う調理を少なくする
ー1日1食は主菜を魚にするよう心掛ける
ーマーガリンやショートニング(トランス脂肪酸)を控える

健康的な脂質摂取を目指すには、脂の性格を知り、脂を選ぶ目を養うことが大切です。減らすだけではない脂質のコントロール、始めてみませんか。

photo:Getty Images

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菊田恵梨

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健康食品メーカーに10年間勤めた後独立し、2015年に株式会社ボディトーンを設立。スポーツ栄養のプロ・アスリートフードマイスターとしての知識と経験を活かし、スポーツサプリメント(BODY TONE SPORTS)をプロデュースする。その他、アスリートへの栄養指導、減量指導、フィットネスクラブでのダイエット監修、セミナー、コラム執筆など、多方面において食を通じたパフォーマンス向上をサポートしている。

提供元:脂質制限しすぎてない?減らすだけではNGな脂質コントロール|Fuminners

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