メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2024.09.03

薬を使わずに血圧を下げる方法とは?高血圧改善につながる生活習慣のポイントを紹介!


記事画像

高血圧は日本人がかかりやすい病気の一つです。自覚症状がほとんどないため、知らないうちに進行している場合があります。また、高血圧により脳心血管病(脳卒中および心疾患)、慢性腎臓病などの発症リスクが高くなることが分かっているのです。
気がついたら手遅れという状況にならないためにも、生活習慣の改善で高血圧を防ぐことが大切です。今回は、血圧を下げる生活習慣のポイントについて解説します[1]。

なんと、20歳以上の2人に1人は高血圧!?

記事画像

高血圧の基準値は、診察室血圧が140/90mmHg以上、家庭血圧が135/85mmHg以上です。
日本の高血圧の患者数は、過去十数年で減少しましたが、今も20歳以上の日本人の2人に1人が高血圧であることが分かっています。
また、日本人の脳卒中や心不全などの脳心血管病による死亡者数は、年間約10万人と推定され、その最大の原因が高血圧ともいわれています[1]。

血圧を下げるためには、日々の食事も大切!

高血圧の予防のためには、禁煙をしたり、運動をするなど食事以外の生活習慣でも気を付けることがありますが、日々の食事が非常に重要です。ここでは高血圧の方が血圧を下げるために今すぐできる日々の食事で意識すると良いポイントを4つご紹介します。

1.腹8分目を意識する

体重を1.0kg減らすと、収縮期血圧は約1.1mmHg、拡張期血圧は約0.9mmHg低下すると推定されています。また、近年の研究では、約4kg体重を減らすことにより収縮期血圧で-4.5mmHg、拡張期血圧で-3.2mmHg低下することが分かっているのです。
まずは、BMIが25kg/㎡以上の方は、ダイエットをすることから始めてみると良いでしょう。食べ過ぎないように腹8分目を意識することと、週1回は体重を測定して自分の体重を把握することは、今すぐできることとしておすすめです[1]。

2.食塩摂取量を減らす

高血圧の主な原因の1つは、食塩の摂りすぎです。6g/日未満を目標とした減塩で血圧が下がり、脳心血管病の予防が期待できることが明らかになっています。日本人は加工食品から多く食塩を摂っているため、まずは味の濃いものを選ばないなど、選び方に意識を向けることで減塩につながります。他にも、めん類のスープやだしを残したり、味付けを確認しないまま調味料を料理にかけたりするのを控えるなど、日々の食事で減塩を意識することが大切です[1]。

3.カリウムを積極的に摂る

野菜や果物に含まれるカリウムには、高血圧の原因となるナトリウムを尿中に排出する働きがあるため、血圧低下が期待できます。
ただし、肥満や糖尿病の方が果物を摂取する場合は、適正なエネルギー範囲内で食べることが重要です。カリウムを摂取するためには、野菜料理を毎食取り入れると良いでしょう。しかし、生野菜をたくさん食べることは難しい場合もあります。野菜をたくさん食べるためには、生野菜よりもレンジで加熱すると量が減り、食べやすくなるため、調理方法を工夫してみましょう[1]。

4.飲酒量をほどほどにする

飲酒習慣は血圧上昇の原因となるといわれています。飲酒習慣がある方が飲酒制限をすることで1~2週間のうちで血圧低下が認められています。
ほどほどの飲酒量とは、およそ日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎半合、ウィスキーダブル1杯、ワイン2杯相当です。女性は一般的に男性よりも身体が小さいため、アルコール代謝能力が低いことから男性の半分に制限しましょう[1]。

運動をすると血圧が下がるって本当?

習慣的に運動を行うことによって収縮期血圧が3.5mmHg低下、拡張期血圧は2.5mmHg低下するといわれています。
比較的取り組みやすい運動は、負荷が軽いウォーキングやスロージョギングなどの有酸素運動です。有酸素運動は、1回30分以上、ややきついと感じるくらいの強度で定期的に(できれば毎日)行うと良いでしょう。
しかし、Ⅲ度高血圧(診察測定時の収取期血圧が≧180mmHgかつ/または拡張期血圧が≧110mmHg)以上の方が運動をする場合、降圧後に行う必要があります。
安全に運動を行うためには、メディカルチェックを受け、今まで運動習慣が無い方は、日常生活で活動量を増やすことから始めてみましょう[1,2]。

血圧を下げるためにまず、生活習慣を見直そう!

高血圧は、自覚症状は少ないですが放置すると命に関わる疾患につながることがあるため、適切な治療が必要です。医師に薬を処方されている方は、自己判断で服薬を中止することは避けましょう。
まだ薬に頼っていない方は、生活習慣を改善することによって血圧を下げることも可能です。まずは、自分の生活習慣を見直し、できそうなことから始めてみましょう。

【参考文献】(すべて2024年07月14日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]日本高血圧学会:「高血圧治療ガイドライン 2019」

[2] VA Cornelissen: Exercise training for blood pressure: a systematic review and meta-analysis, J Am Heart Assoc. 2013 Feb 1;2(1):e004473.

【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里

記事画像

調剤薬局で栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。栄養指導を行う中で間違った健康情報に振り回されている人が多いことを実感し、危機感を感じていた。その経験から現在は、世の中の人々が間違った健康情報に振り回されることなく、正しい健康情報を入手できるように科学的根拠のある健康情報を分かりやすい言葉で発信するライターとして活動している。

記事提供:株式会社Wellmira

記事画像

『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

株式会社Wellmira ※外部サイトに遷移します

【合わせて読みたい】

健康診断、受けただけで安心していませんか?数値の見方や対策について徹底解説

いつまでも自分の足で歩くために、足腰を鍛える運動を徹底解説!

健康な血管を維持するために!今すぐできる生活習慣の5つのポイント

おすすめコンテンツ

関連記事

「脳トレ」より効果的、認知症を防ぐ簡単な習慣|いかに脳の機能をフル回転させるかがカギ

「脳トレ」より効果的、認知症を防ぐ簡単な習慣|いかに脳の機能をフル回転させるかがカギ

内臓脂肪はどうやって減らすの?肥満を防ぐ生活習慣のポイント

内臓脂肪はどうやって減らすの?肥満を防ぐ生活習慣のポイント

頭痛を訴える40代女性「アレルギーが原因」の衝撃|「2人に1人がかかる国民病」の知られざるリアル

頭痛を訴える40代女性「アレルギーが原因」の衝撃|「2人に1人がかかる国民病」の知られざるリアル

「夜、トイレのため目が覚める」が超キケンな実態|夜間頻尿が大病のシグナルになっているかも

「夜、トイレのため目が覚める」が超キケンな実態|夜間頻尿が大病のシグナルになっているかも

戻る