2024.04.17
【医師監修】バナナのカロリーと糖質は高い?〜太りにくい理由も解説〜
当記事は、うるうクリニック港南台 院長 長田潤先生にご監修いただきました。
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執筆はライター 佐藤久美(管理栄養士)が担当しました。 ※外部サイトに遷移します
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「ちまたでバナナを食べると太ると聞くけど、本当のところはどうなんだろう?」
手軽に美味しく食べられるバナナは、なんと日本人がよく食べている果物の中で1位だそうです。
そんな人気のバナナですが、甘いので食べたら太るという声もあります。果たしてどうなのでしょう。
実は、バナナを食べること自体が太る原因にはなりません。
今回は、その理由について栄養面から解説していきます。
効果的なバナナの食べ方までご紹介しますので、最後までお読みいただけると幸いです。
バナナの栄養について
バナナにはビタミンやミネラルなど、体の調子を整える栄養素が含まれます。
ほかにも、生活習慣病の予防に役立つ「ポリフェノール」もバナナに含まれます。
ちなみに皮を剥いたバナナの色が時間とともに変化するのは、ポリフェノールが酸化されるために起こる現象です。
意外と低カロリー
カロリーが高そうと思われがちなバナナ。実は1本あたり93kcalで、ご飯やパンなどと比べると低カロリーです。
参考までにご飯1杯(150g)は234kcal、6枚切りの食パン1枚(60g)は149kcalです。
比較するものによりますが、ご飯やパンの代わりにバナナを食べる方にとっては、低カロリーな食べ物といえますね。
参考記事:糖質の多い果物ランキング~糖質制限中にオススメの果物もご紹介~ ※外部サイトに遷移します
気になる糖質は?
バナナ1本(100g)の糖質は19.4gで、他の果物と比べるとやや多めに含まれます。
ではバナナの糖質がどのくらい多いのか、他の果物と比べてみましょう。
一見、バナナよりも柿やりんごの糖質が多いように見受けられます。
ただし「柿を半分」や「りんごを1/3個」など同じ量を食べる場合には、バナナの糖質が1番多くなります。
注目の栄養成分を紹介
バナナの注目すべき栄養素といえば「ビタミンB6」です。
バナナ1本で、成人女性1食分に推奨される量のビタミンB6を摂れますよ。
ビタミンB6は食べ物のたんぱく質がエネルギーとなるときに必要な栄養素で、筋肉や血液が作られるときにも働きます。
そのためスポーツに励む方など、たんぱく質を多く摂る人ほど必要な栄養素です。
ほかにも、果物の中でバナナに多く含まれるのは「マグネシウム」です。
マグネシウムには骨の健康維持、血圧の調節機能などの働きがあります。
太る?太らない?ダイエットには不向きなのか
血糖値の観点からも見ると、バナナはダイエットに適した果物といえます。
なぜならバナナは、食後の血糖値が上がりにくい食べ物だからです。
なお、血糖値の上昇速度を示したものに「GI値」があります。
GI値の高い食品を摂取すると、血糖値が急激に上がりインスリンがたくさん分泌されます。
また、インスリンには血糖値を下げるほかにも、糖を中性脂肪にして蓄える働きがあるのです。
実のところバナナのGI値は51で、血糖値を上げにくい低GI食品です。
したがって、バナナを食べた後もインスリンは分泌しすぎることなく、糖は速やかに吸収されます。
ゆえに、バナナを食べただけで太るリスクは低いといえるでしょう。
ただし1食で何本もバナナを食べれば血糖値は上がりますし、カロリーの過剰摂取にもつながります。
いくらGI値が低いとはいえ、バナナを食べすぎないようにしましょう。
参考記事:バナナはダイエットに効果的?~食べるタイミングやアレンジレシピもご紹介~ ※外部サイトに遷移します
糖質制限中でも1本ならOK
糖質制限中も、1本程度であればバナナを食べられます。
糖質制限にもいろいろありますが、体に無理なく続けられるものは1日あたり120g(1食40g)の糖質を摂る方法です。
なお、バナナ1本あたりの糖質はおおよそ19.4gです。
ほかの食材ともうまく組み合わせ、1食あたりの糖質が40gを超えないよう調整しましょう。
参考記事:糖質制限ダイエットって効果があるの?適切な食材と方法を徹底解説 ※外部サイトに遷移します
バナナを毎日食べると便秘解消?
バナナを毎日1本食べても、便秘解消にはつながりにくいです。
便秘解消に効果的な栄養素の1つに食物繊維があります。
しかしバナナ1本では、十分な量の食物繊維を摂れないからです。
日本人の食事摂取基準によると、食物繊維の摂取目標量は18〜64歳で1日あたり男性21g以上、女性18g以上とされています。
しかしバナナ1本(100g)あたりの食物繊維は1.1gと、目標とする量よりもはるかに少ないのです。
ゆえに便秘が気になる方は、バナナ以外の食べ物からも食物繊維を意識して摂る必要があります。
また食物繊維と同じく、便秘解消に役立つビフィズス菌を活用するのもオススメです。
ビフィズス菌配合のヨーグルトを、バナナと一緒に食べるのもよいですね。
参考記事:ヨーグルトの栄養と効能~選び方や食べ方のコツまで徹底解説~ ※外部サイトに遷移します
バナナはいつ食べると効果的?
バナナは食べる時間帯によって、得られる効果が異なります。
ここでは朝、昼、夕それぞれに食べるメリットを見ていきましょう。
朝バナナが快眠を促す
バナナには、アミノ酸の1種である「トリプトファン」が含まれます。
トリプトファンは、睡眠に役立つホルモンである「メラトニン」の生成に関わっています。
トリプトファンの効果を期待する方は、バナナを朝食で摂るとよいでしょう。
朝食でトリプトファンを摂り、朝から日中にかけて光を浴びると、夜にメラトニンが分泌されやすくなるからです。
昼に食べてエネルギーチャージ
昼食の役割は、午後の活動に必要なエネルギーを補うことです。
バナナの糖質は果糖が多く、果糖は糖質の中でも吸収の早い糖類です。そのため、体内に素早く取り込まれて、エネルギーの補給に役立ちます。
「仕事で疲れた」「午後は運動しよう」などのとき、バナナが活動の原動力になることでしょう。
夕方の補食にもオススメ
夕食時間の遅い方は、夕方にバナナを食べるとよいでしょう。
夜遅い時間の食事は、肥満や消化不良の原因となります。
そこで仕事の都合など、どうしても夕食の時間が遅くなってしまうときには、夕方に補食を摂りましょう。
バナナは手軽に食べられるうえ、エネルギーやビタミン、ミネラルの補給に役立つので補食に適した食べ物なのです。
なお夕方に補食を摂ったときは、その分夕飯を控えめに調整してくださいね。
誰でも簡単!ダイエット向けレシピを紹介
普段料理をしない方でも簡単に作れる「バナナとサラダ豆のヨーグルト和え」をご紹介します。
このサラダは食物繊維だけでなくたんぱく質も多く含むので、ダイエット中にもピッタリ。
たんぱく質を摂ることで、筋肉が増えやすく太りにくい体質になりますよ。
【作り方】
(1)バナナは皮を剥き、一口大に切る。
(2)ボウルにバナナとサラダ豆、ヨーグルトを入れて、混ぜ合わせる。
(3)器に盛って完成。
まとめ
以上、バナナは太りにくい果物で、健康に役立つ栄養素が豊富であると解説しました。
バナナ1本は93kcalと低カロリーで、血糖値を上げにくい低GI食品であることもダイエットに向いている理由といえます。
なお、食べる時間によって期待できる効果が変わってきます。
その日のコンディションに応じて、バナナを取り入れるのもよいでしょう。
今回の記事により、バナナをより安心して食べていただけると嬉しいです。
監修医師:うるうクリニック港南台 院長 長田潤先生
【HP】https://uruclinic.com/ ※外部サイトに遷移します
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農林水産省 果樹をめぐる情勢
PubMed International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values: 2008
執筆者:管理栄養士 佐藤 久美
和洋女子大学家政学部健康栄養学科卒業。卒業後は管理栄養士、登録販売者、健康運動指導士としてドラックストアに勤務。 健康相談、個別ダイエット指導、フレイル予防の運動指導に携わりながら、栄養・運動講座の講師を務める。 たくさんの方とお話しする中で、健康に関する正しい情報・自分に適した情報を得るのは難しいことだと知った。そこで現在は「食や健康に関する正しい情報をわかりやすく伝えたい」という思いで、記事の執筆や監修を中心に活動している。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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