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2023.10.24

元気に長生き!健康寿命を延ばす方法について管理栄養士が解説!


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寿命には、平均寿命と健康寿命の2種類があることはご存知ですか?
平均寿命は、0歳の時点で何歳まで生きられるかを統計から予測した数値、健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを言います。
健康寿命を延ばすためには、食事や生活習慣に気をつけ、健康的な体作りをすることが大切です。

ここでは、健康寿命を延ばすために今すぐできる食事や運動、睡眠、休養のポイントについて詳しく解説します。

生活習慣病予防の食事のポイント

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生活習慣病は、あまり自覚症状が無いため、放置すると脳血管疾患や心疾患など命に関わる疾患を発症してしまうことがあります。健康寿命を縮める最大のリスクである肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症の予防法をご紹介します。

1、エネルギーの摂りすぎに気を付けて肥満の予防をする

内臓脂肪型肥満は、糖尿病や脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病の発症に関わっています。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、摂りすぎたエネルギーが体脂肪として蓄積され、肥満につながります。食事からのエネルギー摂取と運動での消費エネルギーのバランスが大切です。3食の食事で食べすぎないように気をつけることはもちろん、エネルギーの摂りすぎにつながる可能性がある間食や飲酒量などにも注意しましょう[1]。

2、脂質の種類を意識する

脂質異常症は、動脈硬化性疾患、特に心筋梗塞や脳梗塞の原因となる場合があります。脂質の中でも特にバターやマーガリン、肉類の脂身に豊富に含まれる飽和脂肪酸やコレステロールの摂りすぎにより発症しやすいと言われています。普段の食事で飽和脂肪酸を減らすこと、または、青魚に豊富に含まれる多価不飽和脂肪酸を摂るようにすることで、総コレステロール、LDLコレステロールが低下することが報告されているのです。日頃から食事から摂る脂質の種類を意識してみましょう[2]。

3、食物繊維をしっかり摂る

糖尿病の発症と食物繊維の摂取量について調査した研究では、食物繊維の平均摂取量が20 g/日を超えた時点から、糖尿病の発症率に低下傾向があることが明らかにされています。また、穀物の食物繊維が糖尿病発症率を低減させるという報告が多くあります。1日のうち1食の主食を玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると、効率的に食物繊維を摂ることができるので日々の食事に取り入れてみましょう[3,4]。

4、減塩をして高血圧予防

食塩の摂りすぎが高血圧の原因になることは、多くの研究によって明らかにされています。食塩摂取量を 1 g/日減らすと、収縮期血圧で約 1 mmHg 強の血圧低下が期待できるという報告もあります。日本人の食事は、食塩摂取量が多くなりやすい傾向があるため、減塩が必要です。普段の食事を振り返り、全体的に薄味にしたり、しょうゆやソースをかける習慣がある方は、つけるようにするだけでも減塩になります。また、ラーメンの汁を全部飲まないようにしたり、漬物を減らすことでも減塩につながるでしょう[5,6]。

介護にならないために今すぐできる運動とは?

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定期的な運動習慣があると心肺機能が高まり、心血管疾患や2型糖尿病、一部のがんが予防できることが明らかにされています。まずは、筋肉への負荷が比較的軽い1回30分、息が弾むくらいの有酸素運動から始めてみましょう。有酸素運動は、ウォーキングやランニングの他、エルゴメーター(自転車こぎ)、トレッドミル歩行、水中歩行などがあります。運動強度と時間の目安は、中強度ならば週2~5回、30~60分程度です。また、筋力トレーニングは、有酸素運動と組み合わせて行うことでより効果的になります。種類は、ダンベルを使ったトレーニングや、背中の筋肉を鍛えるラットプルダウン、座った姿勢で足の裏で重りを押し出して行うレッグプレスなどがあります。特におすすめの筋力トレーニングは、スロートレーニングです。スロートレーニングでは、比較的軽めの負荷でゆっくり動作することで大きな筋肥大、筋力増強効果を得ることができます。スロートレーニングではいろいろな動作方法がありますが、スクワットの場合、3~5秒かけて上がり、3~5秒かけて下げるという動作が一般的です。

普段、運動をしない人が急に運動をすると心血管系の事故のリスクが高まってしまいます。久しぶりに運動をする時は、軽い強度と短めの運動から始め、今より10分多く体を動かすことを意識してみましょう[7,8,9]。

健康のために十分な睡眠も重要!良質な睡眠をとる方法とは?

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睡眠不足は万病のもとと言われているため、「健康日本21」では、さまざまな精神疾患と身体疾患の予防の観点から健やかな睡眠と休養をとることを推奨しています。

良質な睡眠をとるためには、入浴で一時的に体温を上げることが大切です。体温の上昇が0.5度くらいでも、寝付きへの効果は認められているため、38度のぬるめのお湯で25~30分、42度の熱めのお湯なら5分程度、就寝の2~3時間前に入浴してみましょう。また、就寝に近い時間の夕食や夜食は、消化活動が睡眠を妨げるため、なるべく控えるようにしましょう。他にも、覚醒作用があるコーヒー、緑茶、チョコレートなどカフェインが含まれるものを摂らないようにすることでも良質な睡眠につなげることができます[10,11]。

心の健康管理も忘れずに!

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急性心筋梗塞や循環器疾患の発症の引き金としてストレスやうつなどの影響が大きいことが知られています。健康寿命を延ばすためには、生活習慣病の予防と同時に心の健康維持も大切です。

心の病気の予防には、ストレスと上手に付き合うことが重要です。ストレスを感じている時は、眠れない、お腹が痛くなる、怒りっぽくなるなど何かしらのストレスサインが出ています。気が付かないまま放置してしまうと、さらに体調を崩してしまうこともあるので、ストレスサインが出ていないか時々自分の状態を確認するようにしまよう。

ストレスと上手に付き合う方法を4つ紹介するので参考にしてみてください。

1.規則正しい生活をする。(バランスのとれた食事や良質の睡眠をとる、適度な運動の習慣をつけるなど)
2.リラックスする時間を作る。(ゆっくり腹式呼吸をする、ぼんやりと窓の外を眺める、ゆっくりお風呂に入る、軽く体のストレッチをする、好きな音楽を聴くなど)
3.良くないことばかりではなく、実際にできていること、うまくいっていることに注意を向ける。
4.悩みを相談できる人に話してみる。

気軽にできることから取り組み、心の健康管理をしましょう[12,13]。

健康な体で元気に長生き!

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健康に長生きするためのポイントについてお分かりいただけたでしょうか。元気に長生きをして老後を楽しく過ごすためには、健康な体作りが大切です。まずは今の生活習慣を振り返り、自分のライフスタイルに合わせてできそうなことから少しずつ改善していきましょう。

【参考文献】(すべて2023年09月11日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]厚生労働省:e-ヘルスネット|肥満と健康

[2]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂質異常症

[3]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)|糖尿病

[4]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

[5]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)|高血圧

[6]厚生労働省:e-ヘルスネット|高血圧

[7]厚生労働省:e-ヘルスネット|成人を対象にした運動プログラム

[8]厚生労働省:e-ヘルスネット|スロートレーニングとは

[9]厚生労働省:e-ヘルスネット|アクティブガイド

[10]厚生労働省:e-ヘルスネット|健やかな眠りの意義

[11]厚生労働省:e-ヘルスネット|快眠と生活習慣

[12]厚生労働省:e-ヘルスネット|心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス

[13]厚生労働省:こころの情報サイト|ストレスとセルフケア

【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里

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調剤薬局の管理栄養士として栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。糖尿病や高血圧などで厳しい食事制限がある方を対象に「どんな状況でも食事を楽しめるような栄養指導」をコンセプトに個別の食事サポートしている。また、管理栄養士にとって就職後スキルアップする場が少ないことを痛感し、自信を持って栄養指導をするための専門家向け通信講座を開講中。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、「世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る」をモットーに、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供しています。

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